住友電工と共同研究 障がい者主動のAI開発システムが人工知能学会全国大会で優秀賞を受賞
株式会社クオルテック(以下、クオルテック)牛尾香澄、植木竜佑と、住友電気工業株式会社(以下、住友電工) 星名豊様との共同研究である「障がい者主動のAI開発を実現するHuman-in-the-Loop(※1)機械学習システム」が、2025年5月27~30日に大阪国際会議場で開催された2025年度人工知能学会全国大会において、「2025年度全国大会優秀賞」を受賞しました。

当社と住友電工は、AIによるデータ解析ソフトウェアの開発を進める中で、性能向上の鍵となる教師データ(アノテーション)の作成に共通の課題を抱えていました。
この課題に対し、住友電工が知的障がい者の方を中心的に起用したデータ解析業務の推進という先進的な取り組みを行っていることから、その知見と共通認識を基に、「誰でも簡単に使える」アノテーション・AI開発システムの共同開発を2024年から開始しました。
本研究は、Human-in-the-Loop 機械学習システムの開発によって、知的障がい者の方々がAI開発に関する専門的な支援を受けずに、AI開発業務に取り組めることを実証しました。
システムは、[教師データ作成 → 学習 → 検証]というサイクルに人間のフィードバックを組み込み、ユーザーがAI開発の複雑さを意識することなく効率的に作業を進められるよう設計されています。検証実験では、すみでんフレンド株式会社に所属する知的障がい者の方々にご協力いただき、全参加者がAI開発タスクを完遂。操作性に対して高い評価が得られるとともに、アノテーション精度も健常者と同等の結果が確認されました。

これまで知的障がい者の方々のAI分野における業務範囲はアノテーションに限られていましたが、本研究は、適切なツールがあればAIモデルの作成まで担えることを示しています。今後も住友電工との強固なパートナーシップのもと、知的障がい者の方々の業容に新たな可能性を広げる研究開発を進めてまいります。
<論文情報>
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<会社概要>
■株式会社クオルテック
代表取締役社長:山口友宏
本社所在地:大阪府堺市堺区三宝町4丁230番地
事業内容:
・半導体、電子部品の不良解析・信頼性試験の受託および新技術の開発
・品質管理を中心とした工場経営、実装技術に関するコンサルタント
・レーザ加工・表面処理(めっき)技術を中心とした微細加工
・試験装置の設計・開発・製造・販売
<備考>
※1 人間とAIが相互に補完しながら動作するシステム
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