商社の平均初任給は2年で5.52%上昇し、214,745円に【2025年2月度業種・職種別新卒ナビサイト動向】

株式会社フロッグ

2025年3月3日 13時00分

分析用求人ビッグデータを提供する、株式会社フロッグ（所在地：東京都千代田区、代表取締役：阪野香子、以下「当社」）は、「2025年2月度業種・職種別新卒ナビサイト動向」を発表しました。

※本調査は、「マイナビ2023」「リクナビ2023」「マイナビ2024」「リクナビ2024」「リクナビ2025」「マイナビ2025」に掲載された求人情報を収集・集計しました。

〇概要

2025年3月1日に、26卒採用の広報活動が解禁されました。売り手市場が続き、初任給を引き上げる企業も増える昨今。実際のナビサイトの動向はどのようになっているのでしょうか。

今回は、当社が収集している求人媒体の掲載情報を活用し、25卒までの新卒ナビサイトを分析したレポートをお届けします。業種や職種別の調査もありますので、最新の傾向を示す参考資料として、ぜひご活用ください！

〇全体動向（再掲）

まずは、23卒のナビサイトから25卒のナビサイトで、求人数の変化を分析します。全体では、24卒で一度増加したものの、25卒では減少しております。25卒ではマイナビが28,800件、リクナビが13,281件で合計42,081件となりました。

マイナビは右肩上がりで増加していますが、リクナビでは24卒のみ5,000件ほど水準が高くなっています。

続いて、新卒ナビサイトでの月給を比較します。23卒から25卒にかけて順調に上昇しており、2年で4.02%（8,075円）増加し、25卒では208,882円となりました。

月給の価格帯ごとの求人件数を、それぞれが全体に占める割合で23卒と25卒を比較します。

23卒と25卒どちらも一番件数が多い価格帯は「200,000～209,999円」となりました。一方でこの2年間において、209,999円以下の割合が減少し、210,000円以上の割合が増加しています。物価の上昇や人手不足などの要因から、初任給を引き上げている様子が伺えました。

〇業種別動向

ここでは、新卒ナビサイトの求人を業種別に調査します。

まずは、23卒から25卒にかけて増えた求人件数をランキングで見ていきます。1位には、「機械/電気/電子/自動車」が+720件でランクイン。続いて「IT/Web/ゲーム/通信」が+369件、「住宅/不動産/建設/土木」が+282件、「化学/材料/食品/その他日用品」が+205件、「農林/水産/鉱業」が+192件と続きました。

続いて、初任給を23卒から25卒での増加額で比較すると、「商社」が+11,226円で1位となりました。次いで「金融/保険/証券」が+10,614円、「サービス/レジャー/フード」が+10,307円、「ファッション/理美容/エステ」が+10,259円、「コンサルティング/専門事務所」が+9,053円と続いています。

25卒において、月給の増加額が1位となった商社と、5位にランクインしたコンサルティング系の月給を、価格帯ごとの求人数割合で比較します。どちらの業種でも「200,000～229,999円」がボリュームゾーンとなりました。

どちらも初任給の水準が高い業種であり、それぞれで「300,000～309,999円」の企業が1.5%前後ずつあります。バイネームで見てみると、三菱商事株式会社、伊藤忠商事株式会社、住友商事株式会社等が「305,000円」で募集していました。

〇職種別動向

最後に、新卒ナビサイトの求人を職種別に調査します。

まずは、23卒から25卒にかけて増えた求人件数をランキングで見ていきます。1位には、「営業/事務/企画/管理」が+2,777件でランクイン。続いて「専門職」が+509件、「電気/電子/機械/自動車」が+56件、「クリエイティブ（Web以外）」が+41件、「販売/接客/サービス」が+35件と続きました。2位となった専門職では、建築事務所での設計職種が多く募集されています。

続いて、初任給を23卒から25卒での増加額で比較すると、「ホテル/旅館/ブライダル」が+21,881円で1位となりました。次いで「美容/エステ/ネイル」が+12,186円、「飲食/フード」が+10,244円、「教育/語学/スポーツ」が+9,110円、「営業/事務/企画/管理」が+8,344円と続いています。

25卒において、月給の増加額が1位となったホテル・観光系と、5位にランクインした営業・事務系の月給を、価格帯ごとの求人数割合で比較します。ホテル・観光系では求人件数自体が少ないものの、「180,000～189,999円」が一番多く、次いで「190,000～199,999円」と「220,000～229,999円」が同率となっています。営業・事務系では、「190,000～219,999円」がボリュームゾーンとなりました。

ホテル・観光系では業種によるバラつきが見られ、ボリュームゾーンではホテルのフロントスタッフ等の募集が行われています。エムケイホールディングスと株式会社アウテックが募集するトラベルコーディネーター職では、月給300,000円で同職種内での最高額となりました。

〇まとめ

今回は当社が保有する求人データを活用し、新卒ナビサイトを都道府県ごとに分析調査しました。

求人件数の大幅な変化はないものの、月給は少しずつ上昇している様子がうかがえます。また業種や職種別に見てみると、特に商社やコンサルティング系では30万円以上で募集する企業も多くありました。新卒採用では売り手市場が続く中、各社が魅力付けのために初任給を引き上げているようです。

求人ビッグデータを活用することで、より詳細に、よりリアルタイムに分析することが可能です。ぜひ今後の営業活動や採用活動にご活用ください。

〇調査概要

当社が収集した「マイナビ2023」「リクナビ2023」「マイナビ2024」「リクナビ2024」「リクナビ2025」「マイナビ2025」に掲載の求人媒体より求人情報を抽出し、集計した。

<集計対象期間>

2022年3月7日、2023年3月6日、2024年3月4日

<平均月給の計算方法について>

求人情報の給与項目内にある給与情報を数値に変換し、下限の金額を合算して平均値を算出した。

<業種・職種について>

複数の求人媒体の情報をまたいで集計するため、媒体記載の業種・職種カテゴリーを使用せず、独自のキーワードマッピング処理に基づいた業種・職種カテゴリーを使用して求人情報を分類・集計した。

【求人ビッグデータについて】

2014年から求人サイトのクローリング取得を開始し、現在では日本全国150以上のサイトから40億件以上の求人ビッグデータを保有しています。人材業界でのマーケティング調査や営業リストのほか、採用担当者の採用市場分析などにもご利用いただいております。また、景気動向の参考データとして官公庁や報道機関でのご活用も増えています。日本の採用市場の動向を明らかにする次世代民間データとして、幅広い業界のお客様にご活用いただいております。