「愛される建物」が失われると、人々の記憶も失われる。登録有形文化財「パリー食堂」が東京理科大学と共同研究を開始
「心象風景」を未来へつなぐ建物再生プロジェクト始動
埼玉県秩父市で創業100年を迎える老舗食堂「パリー食堂」(3代目:川邉義友 82歳・祖父、 4代目:川邉晃希 30歳・孫)は、「東京理科大学 工学部 建築学科 栢木研究室」と連携し、国の登録有形文化財である店舗建築の保存・再生に向けた共同研究を開始しました。

本研究では、耐震補強や建築図面の作成といった技術的な調査に加え、歴史的建築物が地域住民の記憶や愛着とどのように結び付いているのかを検証し、心象風景を未来へ残す建物のあり方を探究します。学生の卒業研究や歴史的建築の調査研究のフィールドとして活用するとともに、パリー食堂は実証の場として協力し、建物の保存・活用モデルの構築を目指します。
近年、全国では老朽化や再開発を理由に、長年地域に親しまれてきた建物が次々と姿を消しています。しかし、失われるのは建物そのものだけではありません。そこに通った人々の思い出や、街の景色として当たり前に存在してきた風景まで失われてしまいます。
パリー食堂は今回の共同研究を通じて、一店舗を守る取り組みではなく、日本各地で進む歴史的建築物の保存と活用のあり方を考える実践事例として、心象風景を未来へ受け継ぐ新たなモデルづくりに挑戦します。
東京理科大学との共同研究を開始。歴史的建築物を「残す」だけでなく「未来へ活かす」
今回の共同研究では、東京理科大学 工学部 建築学科 栢木研究室と連携し、国登録有形文化財であるパリー食堂の建築的価値を調査・記録するとともに、歴史的建築物を未来へ継承するための保存・再生手法について研究を進めます。

研究は、学生の卒業論文・卒業設計のテーマとして実施され、研究室が持つ建築史・保存再生分野の知見を活かしながら、現地調査や図面作成、資料調査などを段階的に進めていきます。パリー食堂は調査対象となる建物として全面的に協力し、必要な実務コストを負担することで、大学側は研究成果を蓄積し、店舗側は文化財保存に向けた知見を得られる、産学双方にメリットのある取り組みへと発展させていく所存です。
現在は建物の実測調査をもとに、配置図・平面図・立面図などの作成を進めるほか、建物各部の現況記録や歴史資料の整理を実施しています。今後は、建物の変遷や秩父の近代商業建築としての特徴を整理しながら、文化財としての保存と、営業を続ける「生きた建築」としての活用を両立する方法について研究を深めていく予定です。
東京理科大学 工学部 建築学科 栢木研究室
近代建築史、都市史、歴史的環境の保存・再生を専門とする研究室。近現代の都市・建築を対象とした文献調査やフィールドワークを通じて、歴史的建築物の価値を明らかにし、その知見を今後の地域づくりや都市デザインへ活かす研究を行っています。
創業100年、国登録有形文化財の建物を次の100年へつなぐために
1927年(昭和2年)創業の老舗食堂「パリー食堂」は、昭和初期の面影を色濃く残す建物であることから、国の登録有形文化財に登録されており、秩父の歴史や文化を今に伝える貴重な建築として、多くの地域住民や観光客に親しまれてきました。
店内には、昭和レトロな雰囲気が今も残り、創業以来受け継がれてきた料理とともに、訪れる人々の記憶に残る時間を届けてきました。地域の人々が集い、語り合い、世代を超えて思い出を重ねてきたこの場所は、地域の歴史や暮らしを映す「地域の記憶装置」とも言える存在です。
しかし現在、パリー食堂は深刻な老朽化という課題に直面しています。
耐震診断では、大規模地震の際に倒壊の恐れがあると指摘されており、実際に外壁のひび割れや崩落、建物全体の傾きも確認されています。雨風や地震のたびに建物の状態は少しずつ悪化しており、安全に営業を続けていくためには、耐震補強を含む大規模な修繕が必要な状況です。
専門家による試算では、修繕に必要な費用は約4,000万円。文化財としての価値を守りながら工事を行うためには、一般的な建物の改修以上に慎重な設計や専門的な技術が求められます。
こうした状況を受け、現在はクラウドファンディングや銀行融資などを通じた資金調達を進めています。クラウドファンディングでは約2,200万円の支援が集まり、その実績やSNSでの発信内容なども評価されたことで、2,000万円の銀行融資を受けることが決定しました。

工事は2026年10月頃の着工を予定しており、工事期間は約6か月を見込んでいます。一方で、工事期間中も地域の皆さまとのつながりを絶やさないため、休業ではなく居抜き物件などを活用した営業継続についても前向きに検討しています。
建物が失われると地域の記憶も失われる。「心象風景喪失」という社会課題
パリー食堂の建物を未来へ残す取り組みは、一店舗の保存にとどまるものではありません。
私たちは、この建物を未来へつなぐ挑戦には、全国各地で同じように存続の危機に直面している歴史的建築物や、地域で愛される街の風景を守るための新たなモデルとなる可能性があると考えています。
近年、全国各地では、老朽化や再開発、維持管理費の高騰などを理由に、長年地域に親しまれてきた建物が次々と姿を消しています。地方百貨店や名曲喫茶、歴史ある銭湯、古民家、商店街の食堂や喫茶店など、それらは単なる建築物ではなく、地域の人々にとって昔からそこにある風景であり、暮らしや人生の記憶と結び付いた存在でした。
そんな建物が失われることで起きるのは、景観の変化だけではありません。「子どもの頃に家族と訪れた場所」「学校帰りに立ち寄った店」「祖父母との思い出が残る建物」など、人々の記憶を呼び起こす手がかりそのものが失われてしまいます。
このように、地域で愛されてきた建物が失われることで、人々の心の中にある風景まで失われていく現象を、私たちは心象風景喪失と捉えています。
実際、2011年の東日本大震災では、津波によって街並みや建物が失われたことで、かつての日常を思い出すための風景まで失われたという指摘があります。建物や街並みは、単なる建築資産ではなく、人々が人生を振り返り、地域とのつながりを感じるための大切な存在でもあるのです。
だからこそ私たちは今、老朽化した歴史的建築物を「危ないから壊す」「古いから建て替える」という選択だけで終わらせるのではなく、どうすれば安全性を確保しながら地域の記憶や景観を未来へ受け継ぐことができるのか、その保存・活用のあり方を建築学の視点から検証する必要があると考えています。
今回の東京理科大学との共同研究は、パリー食堂という一つの文化財建築を対象としながらも、日本各地で同様の課題を抱える歴史的建築物の未来を考えるための実践的な研究として取り組んでまいります。
全国から集まる「残してほしい」の声
パリー食堂の挑戦は、秩父だけに留まらず、全国へと広がりを見せています。これまでに全国紙やテレビ番組をはじめとする各種メディアで取り上げられたほか、SNSでも大きな反響を呼び、多くのクリエイターやインフルエンサーからも応援をいただいています。
主なメディア掲載実績
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日本経済新聞(2025年10月31日)
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毎日新聞(2025年11月7日)
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日本テレビ「DayDay.」(2026年4月30日)
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日本テレビ「news every.」(2026年6月2日)
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ABEMA Prime(2026年5月15日)
TikTokでの反響
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TikTokアカウント開設から約2か月半でフォロワー2.6万人
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累計再生数1,000万回突破
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応援コメント1万件は以上
コラボ・応援いただいたクリエイター・芸能人(一部)
パリー食堂 3代目・4代目コメント
3代目 川邉 義友

私は戦後の混乱期から今日まで、この店とともに人生を歩んできました。創業者である母から受け継いだこの建物には、戦後の暮らしや昭和の風景、そして地域の皆さま一人ひとりの思い出が詰まっています。
文化財には、人が暮らしてきた時間や記憶がある。だからこの場所を、未来の子どもたちにも残したい。その想いを四代目、ならびに東京理科大学 研究室の皆さまへ託しました。この建物がこれからも、人が集まり、笑顔になれる場所であり続けてくれることを願っています。
4代目 川邉 晃希

私が残したいのは、建物そのものではありません。祖父母が守り続け、お客様とともに育ててきた「人が集い、語り合い、笑い合える空間」です。
「50年前に来ました」「40年ぶりにクリームソーダを飲みに来ました」そんな言葉を日常的に聞ける場所は、日本でも決して多くありません。今回の東京理科大学との共同研究を通じて、パリー食堂が全国の歴史的建築物の保存や活用を考える一つのモデルとなり、地域に愛される建物がこれからも未来へ受け継がれていくきっかけになればと思っています。
パリー食堂だけでなく、日本各地に残る"地域の心象風景"を次の世代へつないでいく。その第一歩として、この挑戦を進めてまいります。
【本件に関するお問い合わせ】
株式会社パリー
担当:川邉晃希(かわなべこうき)
MAIL:7755ab15@gmail.com
TEL:0494-22-0422
▼Instagram(3.3万人フォロワー)
https://www.instagram.com/paripari_0116?igsh=eXdmajBsNGs3MHdk&utm_source=qr
▼TikTok(3.09万人フォロワー、累計総再生数1000万回)
TikTok:https://www.tiktok.com/@parispil6vc
▼YouTube(登録者数2.12万人、累計総再生数1400万回)
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