実践的職業教育を担う新しい大学制度に関するシンポジウム
~行政・大学・専門学校・メディアら7名が登壇~
去る5月19日(木)に、政策分析ネットワーク主催の『実践的職業教育を担う新しい大学制度に関するシンポジウム』が東京で開催されました。食のプロを育成する日本最大の“食”の教育機関、「辻調グループ」(大阪市、校長:辻芳樹)からは、辻調理師専門学校 教育研究本部本部長の山田研が登壇いたしました。
日本の産業競争力強化のために、産業界を担う人材の高度化は避けられない現状にあり、2019年4月に新しい大学制度の開学を目指して、文部科学省の中央教育審議会では「実践的職業教育を行う高等教育機関の制度化に関する特別部会」から答申が出される予定となっております。本シンポジウムでは、 「産業を担う高度人材の在り方・新大学制度」についてのパネルディスカッションが行われました。当日は、約150名が参加され、大盛況の内に終了致しました。
第1部:基調講演
第1部の基調講演では、文部科学省高等教育局・主任大学改革官の塩原誠志氏による、「中央教育審議会・実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会の中間報告」についての講演、及び、人間環境大学副学長の芦田宏直氏による「高等教育としての職業教育」について講演が行われました。
【行政】 塩原誠志 文部科学省高等教育局・主任大学改革官
【行政】 伊藤禎則 経産省産業人材政策担当参事官
【専門学校】 池田 弘 NSGグループ代表、公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長
【専門学校】 山田 研 辻調理師専門学校 教育研究本部本部長
【大学】 金子元久 筑波大学特任教授
(中央教育審議会・実践的職業教育を行う高等教育機関の制度化に関する特別部会委員)
【メディア】 津田大介 ジャーナリスト/メディア・アクティビスト
【メディア】 小林 浩 リクルート進学総研所長、リクルート「カレッジマネジメント」編集長
★モデレータ 芦田宏直 人間環境大学副学長
第2部は、実践的な職業教育をテーマにパネルディスカッションが行われました。実践的な職業教育のためのカリキュラムに関して、辻調理師専門学校 教育研究本部本部長の山田研は、『専門学校に関しては、例えば調理師学校の場合、調理師免許を取る科目は規定として決まっているため体系的であることが言える』と言及し、それに対し、リクルート進学総研所長の小林浩氏は、『今までの大学は、社会に役立つ有能な人材を育成してきたが、2017年3月までに各大学それぞれ、何を習得するかをベースにカリキュラムを作り直すよう課されている』とコメント。
筑波大学特任教授の金子元久氏は、『大学と職業の間には大きなギャップがあり、まずはキャリアに結びつくような教育をするなど大学の教育を変えることが重要であると思っている』と発言し、新しい大学制度を敢えて作る必要はないという見解をお話されました。そういった見解に対して、文部科学省高等教育局・主任大学改革官の塩原誠志氏は、『これまでは、18歳後の高等教育機関として、大学という受け皿しかなかったが、現代のような多様化した時代では、機能別分化をしていく必要があり、大学とは別の選択肢が必要になってきている』と述べられました。
一方、NSGグループ代表の池田弘氏は『日本は今、革命をしなくてはいけない時期である。地方から高度人材を育成すべきであり、既存の組織の内部改革や新しい仕組みを作り、日本を変えるためにもチャレンジするべきだ』と言及し、また、ジャーナリストの津田大介氏は、『大学や専門学校が学ぶ機会を作ることが重要であり、トライ・アンド・エラーという実体験を学生にさせることが有効だと考える』と発言。経産省産業人材政策担当参事官の伊藤禎則氏は、『現在のメンバーシップ型雇用システムもいいが、仕事に対してリスペクトの低さが非常に顕著になってきており、それが続く限り新しい組織を作ったとしても機能しない』とコメントされました。
日時 :2016年5月19日(木) 19:00~ 21:00
会場 :富国生命ビル14階・第4セミナールームA(東京都千代田区内幸町2-2-2)
主催 :政策分析ネットワーク
企画 :株式会社ベクトル
辻調グループでは、輩出する人材を“調理技術者”と位置付けています。ここでいう技術者は、知識に裏付けられた技能を持つ者であり、我々は学生に、技術者としての自立とリーダーとしての自覚を得て、業界を牽引してほしいと考えています。そのためには、高度な教育カリキュラムをもって職業人を育成する必要性を感じ、2016年より3年制学科を新設しました。一方で、国外では調理を専門に教育研究する大学が存在し、「食文化」や「食科学」 というような新たな学問領域を形成しています。これからの高等教育機関には国際通用性も必須であり、調理専門職の教育にもこれらの「食」に関する研究機能を持つ教育機関(大学)の必要性を感じています。今後、新大学制度に移行する際の要件整理や分野別議論がさらに活発化していくことを願っています。
日本の産業競争力強化のために、産業界を担う人材の高度化は避けられない現状にあり、2019年4月に新しい大学制度の開学を目指して、文部科学省の中央教育審議会では「実践的職業教育を行う高等教育機関の制度化に関する特別部会」から答申が出される予定となっております。本シンポジウムでは、 「産業を担う高度人材の在り方・新大学制度」についてのパネルディスカッションが行われました。当日は、約150名が参加され、大盛況の内に終了致しました。
第1部:基調講演
第1部の基調講演では、文部科学省高等教育局・主任大学改革官の塩原誠志氏による、「中央教育審議会・実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会の中間報告」についての講演、及び、人間環境大学副学長の芦田宏直氏による「高等教育としての職業教育」について講演が行われました。
第2部:パネルディスカッション
《パネルディスカッション登壇者》【行政】 塩原誠志 文部科学省高等教育局・主任大学改革官
【行政】 伊藤禎則 経産省産業人材政策担当参事官
【専門学校】 池田 弘 NSGグループ代表、公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長
【専門学校】 山田 研 辻調理師専門学校 教育研究本部本部長
【大学】 金子元久 筑波大学特任教授
(中央教育審議会・実践的職業教育を行う高等教育機関の制度化に関する特別部会委員)
【メディア】 津田大介 ジャーナリスト/メディア・アクティビスト
【メディア】 小林 浩 リクルート進学総研所長、リクルート「カレッジマネジメント」編集長
★モデレータ 芦田宏直 人間環境大学副学長
第2部は、実践的な職業教育をテーマにパネルディスカッションが行われました。実践的な職業教育のためのカリキュラムに関して、辻調理師専門学校 教育研究本部本部長の山田研は、『専門学校に関しては、例えば調理師学校の場合、調理師免許を取る科目は規定として決まっているため体系的であることが言える』と言及し、それに対し、リクルート進学総研所長の小林浩氏は、『今までの大学は、社会に役立つ有能な人材を育成してきたが、2017年3月までに各大学それぞれ、何を習得するかをベースにカリキュラムを作り直すよう課されている』とコメント。
筑波大学特任教授の金子元久氏は、『大学と職業の間には大きなギャップがあり、まずはキャリアに結びつくような教育をするなど大学の教育を変えることが重要であると思っている』と発言し、新しい大学制度を敢えて作る必要はないという見解をお話されました。そういった見解に対して、文部科学省高等教育局・主任大学改革官の塩原誠志氏は、『これまでは、18歳後の高等教育機関として、大学という受け皿しかなかったが、現代のような多様化した時代では、機能別分化をしていく必要があり、大学とは別の選択肢が必要になってきている』と述べられました。
一方、NSGグループ代表の池田弘氏は『日本は今、革命をしなくてはいけない時期である。地方から高度人材を育成すべきであり、既存の組織の内部改革や新しい仕組みを作り、日本を変えるためにもチャレンジするべきだ』と言及し、また、ジャーナリストの津田大介氏は、『大学や専門学校が学ぶ機会を作ることが重要であり、トライ・アンド・エラーという実体験を学生にさせることが有効だと考える』と発言。経産省産業人材政策担当参事官の伊藤禎則氏は、『現在のメンバーシップ型雇用システムもいいが、仕事に対してリスペクトの低さが非常に顕著になってきており、それが続く限り新しい組織を作ったとしても機能しない』とコメントされました。
■開催概要
日時 :2016年5月19日(木) 19:00~ 21:00
会場 :富国生命ビル14階・第4セミナールームA(東京都千代田区内幸町2-2-2)
主催 :政策分析ネットワーク
企画 :株式会社ベクトル
辻調グループでは、輩出する人材を“調理技術者”と位置付けています。ここでいう技術者は、知識に裏付けられた技能を持つ者であり、我々は学生に、技術者としての自立とリーダーとしての自覚を得て、業界を牽引してほしいと考えています。そのためには、高度な教育カリキュラムをもって職業人を育成する必要性を感じ、2016年より3年制学科を新設しました。一方で、国外では調理を専門に教育研究する大学が存在し、「食文化」や「食科学」 というような新たな学問領域を形成しています。これからの高等教育機関には国際通用性も必須であり、調理専門職の教育にもこれらの「食」に関する研究機能を持つ教育機関(大学)の必要性を感じています。今後、新大学制度に移行する際の要件整理や分野別議論がさらに活発化していくことを願っています。
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