映画『気づかなくてごめんね』クラウドファンディングで150万円達成。生成AI+人の手による翻訳サービス「こんにちハロー」活用して制作した英語版を公開。
聴こえの大切さを伝えていくとともに、誰もが聞こえやすい社会作りを目指すNPO法人日本ユニバーサル・サウンドデザイン協会(所在地:東京都港区、代表理事:中石真一路、以下、当協会)は、ヒアリングフレイルをテーマにした短編映画『気づかなくてごめんね~デイサービス編』の英語版制作のためのクラウドファンディングで、目標金額150万円を達成して、英語版の制作を完了いたしました。映画の英語版は、本日12月23日よりYouTubeにて公開しています。
▼映画の英語版はYouTubeにて本日公開▼
◆認知症と誤認され孤立する人を減らしたい。難聴啓発の短編映画を世界へ
2024年3月に公開された短編映画『気づかなくてごめんね〜デイサービス編』は、高齢者の難聴と介護に携わる周囲の人々の難聴の理解の大切さと、支援機器の活用の重要性と理解を目的として製作されました。この映画は、難聴であることを認知症と周囲に誤解され孤独を感じていた主人公が、聴力の衰えから孤独を感じ「ヒアリングフレイル」状態に陥ってしまう状態を周囲の人々が聴こえの大切さに気付き、難聴への理解や聴覚支援機器を積極的に活用する環境構築により日常生活や笑顔を取り戻していく姿を描いています。
日本が抱える超高齢社会において「難聴による意思決定支援の課題」その具体的な解決方法を発信することは、世界にも大きな影響を与えると考えています。映画公開後、海外からも難聴による認知症への誤認や対話支援機器に関する問い合わせが相次ぎました。しかし、英語翻訳版の制作は、字幕版・吹き替え版共に時間と資金がかかるため着手が困難でした。
そんな中、最新動画生成AIと人によるサポートを組み合わせて、従来方式に比べ圧倒的なスピードとコストで日本語の動画を他言語に翻訳するサービス『こんにちハロー』と出会いました。
英語版の制作を実現し海外へ映画を届けるため、武田知大監督、プロデューサーを務める当協会代表中石真一路が発起人となり、クラウドファンディングプロジェクトを立ち上げました。クラウドファンディングはReadyforプラットフォームを通じて2024年7月23日から8月31日に実施され、多くの方々からの温かいご支援のおかげで、150万円の目標を達成することができました。
◆映画全編を動画生成AIで翻訳する世界初の試み
生成AIの進化により、字幕翻訳や一部の動画にAIを活用する事例が増えていますが、映画全編を動画生成AIのみで翻訳する試みは世界初となります。これまでこうした取り組みが行われてこなかった理由として、AIのみでは翻訳や動画生成の精度が十分ではないことがあげられます。
今回のプロジェクトで技術協力している「こんにちハロー」は、AIによる生成プロセスに加え、翻訳や映像・音声の精度を高めるため、人の手による補完作業を徹底的に行うことが特徴です。スピーカーが1人で、正面を向いているプレゼンテーションなどは、動画生成AIを活用しやすいですが、それとは対照的に、映画では、複数人が同時に話すことや、正面を向いていないシーン、BGMや環境音が交るケースなども多く、AIだけでは対応しきれません。そうした箇所を映像・音声・翻訳において翻訳者・技術者が細やかな調整を行います。結果、出演者の声の再現、唇の動きを忠実に再現しながら、英語に翻訳された映像を制作することが可能です。従来の吹き替えや字幕翻訳では伝えきれなかった視覚的・聴覚的な感動をそのまま伝えることができ、本プロジェクトでも、この高度な技術協力により、英語版の制作が実現し、映画本来のメッセージを海外の視聴者に届けることが可能となりました。
◆今後の展開
映画『気づかなくてごめんね』英語版は、YouTubeや各種上映会を通じて公開予定です。今後、海外での啓発活動に役立ててまいります。詳細は当協会のウェブサイト(http://u-s-d.jp/)をご覧ください。本プロジェクトにご支援いただいた皆様に心より感謝申し上げます。
当協会は、今後も声と音のバリアフリーを目指し、聴こえ支援スピーカーおよび関連商品の提供を通じて、誰もが聴こえやすい社会づくりを推進してまいります。
◆株式会社こんにちハローについて
生成AI+人による他言語動画翻訳サービス「こんにちハロー」を提供する企業です。
最先端AIの翻訳に加え、人の手で細部のニュアンスまでカバーします。AIは同音異義語の認識や微妙なニュアンスを表現した翻訳を行うことができません。こんにちハローは、そのAIの技術的課題を人がカバーすることでネイティブスピーカーが聞いても全く違和感がない高精度な翻訳を実現します。
https://www.konnichihello.com/
◆映画に登場した対話支援機器 comuoon (コミューン)シリーズ
Comuoon mobileは、聴こえにくい方々との意思疎通支援のために開発された対話支援機器です。日本における補聴器の装用率が低いことや認知機能が低下された方は補聴器の装用が難しいなどの問題から、話す側から聴こえの改善に歩み寄るという逆転の発想から生まれました。
映画の中では、このComuoonが聴こえにくい主人公とのコミュニケーションの壁を乗り越える重要なツールとして登場します。音の聞こえにくさが原因で生じる孤立感や不安を軽減し、より豊かな対話を可能にし意思決定支援をサポートする特許技術なのです。
日本ではすでに、介護ロボットとしても認められ難聴の利用者との意思疎通支援や職員の負担軽減効果が認められ多数の施設で活用されています。
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