世界最大のエネルギー企業・サウジアラムコと連携協定を締結
~次世代型の「全樹脂電池」の世界展開に向け、共同開発を協議~
APB は、2026 年度からの大規模量産化に向けて、全樹脂電池の技術確立を終え、すでに福井県の工場内に高速製造ラインのパイロット建設も進めています。今回の協定により、世界企業であるサウジアラムコと共同開発の形で、樹脂素材の更なる技術革新や、生産体制のスケールアップを加速させ、“究極の電池”と呼ばれる「全樹脂電池」の全世界展開を進めていきます。
■ 「2050 年カーボンゼロ」への切り札となる、全樹脂電池
世界各国が取り組んでいる “脱炭素社会の実現”に向けて、大きな鍵を握っているのが次世代型の「リチウムイオン電池」の開発・普及です。
もともと、リチウムイオン電池は、重量や体積あたりのエネルギー密度が高いという優れた特性があります。そのため、スマートフォンやノートPC など小型・軽量化が求められる製品や、EV 車や再生可能エネルギーの蓄電池などの電気容量が求められるものに幅広く使用されています。調査機関の予測では、世界のリチウム電池需要は、2030年までに 5倍以上に急増すると言われています。
しかし、その一方で、エネルギー密度の高さゆえにショートすると発熱し、発火する危険性がある“安全性の問題”と、レアアースを用いて高度な安全対策を施すことで製造コストが上がってしまう“価格の問題”、製造工程における膨大なCO2排出量を伴う“環境問題”が大きな課題となってきました。
この 3つの問題を、日本独自の技術により解決したのがAPB の「全樹脂電池」です。
■ 世界初の「全樹脂電池」 2026 年の大規模量産化に向けて製造ライン建設
APB の代表でありチーフ・アーキテクトである堀江英明は、もともと日産自動車の出身で、世界で初めてリチウムイオン電池を搭載した EV車「日産リーフ」のバッテリーシステムを開発したエンジニアです。日産リーフは、グローバルで累計 59万台以上の販売実績がありますが、これまでリチウムイオン電池が発火した事例はひとつもなく、“世界一安全なバッテリーシステム”と呼ばれています。
世界の蓄電池業界のトップ・エンジニアとして、数百の特許を保有する堀江の開発力を活かし、2018年に生まれたのがAPB の「全樹脂電池」です。
全樹脂電池とは、従来のリチウムイオン電池の集電体に使われていた金属部品を、すべて樹脂に置き換えたもの。発火リスクが圧倒的に低く安全で、従来製品に比べてさらにコンパクトになる上に 2倍以上の体積エネルギー密度があります。さらに素材の一部をリサイクルできるといった環境対策への優位性もあります。また、従来のリチウムイオン電池の製造工程を大幅に簡略化・高速化できることから、製造コストの大きな削減に成功しました。
さらに、APB はこれまでに約 88億円の資金調達を実施しており、2026年度の大規模量産化に向けて、高速製造ラインのテストを進めています。福井県・越前市にある本社工場内に、「低コスト・高速・大量」に全樹脂電池を生産できる全自動型の製造ラインのパイロット版を建設し、稼働試験を繰り返している段階です。
これから、さらに資金調達を進めた上で高速製造ラインを完成させ、世界中に製造ラインごと供給していくビジネスモデルを目指しています。
今回、連携協定を結ぶサウジアラムコは、世界最大の総合エネルギー企業です(時価総額は約 7兆リヤル。日本円にして約 248兆円で、アメリカのApple 社に次ぐ世界第 2位の企業となっています)。
サウジアラビアの国営石油会社として世界一の原油生産能力を誇りながらも、将来的な脱炭素社会(カーボンゼロ)の実現を目指して太陽光発電を中心とした「再生可能エネルギー」の導入を進めており、その電力を貯蔵するための「蓄電池」の分野に積極的に投資をしています。
サウジアラムコは、再生可能エネルギーを普及させる上で鍵となる次世代型の蓄電池を探し求める中で、世界的にも“究極の電池”として評価の高いAPB の「全樹脂電池」の技術に注目し、共同開発に向けた連携協定を結ぶに至りました。
APB としては、全樹脂電池の大規模量産化(高速製造ラインの完成)を進めるだけでなく、サウジアラムコと共に、さらに性能を高めた「次世代型の全樹脂電池」の共同開発の検討も進めていく予定です。
【APB 株式会社 会社概要】
代表者:代表取締役 堀江 英明
所在地:〒915-0043 福井県越前市庄田町31-1-5
設 立:2018年10月
資本金:1億円
事業内容:リチウムイオン電池の研究、開発、製造及び販売
U R L:https://apb.co.jp/
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