アブダビ投資庁（ADIO）、イノベーションプログラムでアブダビの能力開発と 経済の多様化に、10億ディルハム（AED）を37社に分配

·     アブダビ投資庁は、イノベーションプログラムのパートナー企業として、新たにフェアウォーター・キャピタル、フロンテラ・キャピタル、COFE Appの3 社を迎え、2022 年をスタート

·     アブダビのICT、アグリテック、ヘルスサービス・バイオ医薬品、金融サービスなどの高成長分野における知的財産の拡大を支援するため、プログラム総額20億AEDのうち、10億AEDを37社の革新的な企業へ授与

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アブダビ アラブ首長国連邦　2022年2月14日：アブダビ投資庁（以下、ADIO）は、2022年の幕開けに、新たにフェアウォーター・キャピタル、フロンテラ・キャピタルとCOFE Appの 3社とイノベーションプログラムのパートナーシップを締結しました。このプログラムによるインセンティブの総額は10億AED（2億7,200万米ドル）となり、2020年にADIOが20億AED（5億4,500万米ドル）におよぶイノベーションプログラムを開始して以来、恩恵を受けた企業は37 社になりました。

イノベーションプログラム企業のうち、13社が情報通信技術、9社がアグリテック、8社がヘルスサービス&バイオ医薬品、7社が金融サービスの業界で事業展開しています。このプログラムによって、アブダビ経済の発展と多様化が促進され、参加企業が地域と世界に貢献する技術的ソリューションを作り出すためのイノベーションのエコシステムが形成されます。

ADIOのビジネス・エンタープライズ、エグゼクティブ・ディレクター代理のモハマド・アル・ダヘリは、以下のようにコメントしています。「ADIOのイノベーションプログラムによって、急成長するハイテク企業が毎月約2社、アブダビに進出しています。この成功は、企業が集まってアイデアを出し、協力して創造するための環境を作る私たちのコミットメントを示すものです。37社におよぶパートナー企業は、すでに地域で影響を及ぼしています。私たちは成長のために必要なリソースとサポートを提供し、企業が成長を加速できるよう専念しています。このプログラムには残り10億AEDの奨励金が用意されていますが、世界に真の影響力を及ぼすことができる、さらに多くの革新的な企業を、未来志向のこの地へお迎えしたいと思います」

フェアウォーター・キャピタル、フロンテラ・キャピタル、COFEとのパートナーシップ
イノベーションプログラムの一環として、ADIOはフェアウォーター・キャピタル、フロンテラ・キャピタル、COFEに対し、高度な技術力を持つ技術者の給与やハイテク設備の投資に対する奨励金など競争力のある財政面での優遇措置に加え、設立手続きやエコシステムへの参加支援といった非財政面での支援も提供しています。

フェアウォーター・キャピタルとフロンテラ・キャピタルは、金融のイノベーションをアブダビ内で、そしてアブダビから推進する金融サービスの会社です。アブダビ首長国は、金融サービスの企業にとって、時差の橋渡しとなる優れた拠点・ゲートウェイを提供するとともに、アブダビ・グローバルマーケットを通じて良好な規制環境を提供しています。

フェアウォーター・キャピタルは、マルチストラテジー投資マネージャーとしてロンドンで設立されました。同社は、ADIOのパートナーシップにより、アブダビ・グローバルマーケットに定量調査ハブとグローバルデータセンター、オペレーションハブを設置し、クレジットや自然エネルギーを含む投資戦略のサポートと拡大を目指します。

フロンテラ・キャピタルは、国際的な投資家のリスクの選好と、フロンティア市場における国内の資金需要とのマッチングに特化したブティック型投資会社です。同社はADIOの支援により、アブダビ・グローバルマーケットを基盤としたインフラとサポートを強化することで、フロンティア市場のリスクのオリジネーション、ストラクチャリング、ディストリビューションに関するアブダビ・グローバルマーケットの機能を拡大します。

COFE Appは、飲料市場向けのコーヒーを中心とした最先端のアプリケーションで、複数のプレミアムサービスや機能を通じて、国際的なコーヒーのフランチャイズや、職人技が光るコーヒーブランドへ即座にアクセス可能な単一のプラットフォームとなっています。COFE Appは、毎日のコーヒーをスマートに楽しむための360度のソリューションをコーヒーの愛好家に提供しています。ADIOとのパートナーシップにより、グローバル本社をアブダビに移転し、コーヒー市場の拡大を続け、飲料とテクノロジーのエコシステムにおいてさらなる足場を築くことになります。

エコシステムの実現
2020年以降、ADIOは37社とのパートナーシップを確立し、これら企業が相互に、またアブダビの法人と協力して、地域に密着した世界に輸出できるソリューションを開発するエコシステムを構築してきました。アブダビ首長国のイノベーションプログラムの企業が生み出した技術は、同地の経済の多様化に貢献しています。

イノベーションプログラムの下で大きな存在感を示す企業が増えていることから、アブダビは、この地域の本社中の本社として頭角を現し始めています。ADIOの支援により、アンガミ社（Anghami）と、スターツプレイ社（STARZPLAY）、ライヴ社（Lyve）、ピュア・サーモン社（Pure Salmo）がグローバル本社をアブダビに設置し、ベスピン・グローバル社（Bespin Global）はアブダビのグローバルな技術のエコシステムとなっているハブ71(Hub71)に中東地域の本社を設置しています。これらの企業がアブダビ首長国を選んだ理由は、ビジネスのしやすさ、規制の整備、確立されたインフラ、豊富な人材など、イノベーションを推進する上で理想的な立地だからです。

世界の人口の8割が飛行機で8時間以内の距離にあるアブダビ首長国は、その接続性の良さから、世界を目指す企業の発信地として位置づけられています。2022年2月、アブダビに本社を置くアンガミ社は、ナスダックから最終承認を得て、アラブのテクノロジー企業として初めてニューヨークのナスダックに上場する道が開かれました。同社は、特別目的買収会社との合併により今月末に上場する見込みで、音楽ストリーミングプラットフォームのユーザー拡大と技術への投資が可能になります。

アグリテックの分野では、ADIOが砂漠農業のソリューションを開発するイノベーション企業を支援することで、「砂漠を緑地」に変える上で大きな前進を遂げました。ADIOのアグリテックパートナーの多くは、農業の革新を進めるための研究開発や生産施設の建設で大きく進展しています。

 米国の点滴灌漑会社レスポンシブ・ドリップ・イリゲーション社（以下、RDI）は、アブダビの貿易・物流フリーゾーンのKIZADに生産倉庫を、そしてアルカテム砂漠地帯に研究開発センターを建設しました。同社は、露地や温室、屋内農場で20ヘクタール以上もの試験プロジェクトを展開し、通常の半分以下の灌漑用水で高品質の収穫を実現しています。サプライチェーンの下流では、自家製ハイテク農業ベンチャーのピュアハーベスト・スマートファームズ社が、（アブダビ東端の都市）アルアインに新設した3ヘクタールの農場で順調にトマトを生産しており、1.1ヘクタールの完全自動化ハイブリッド温室と0.7ヘクタールの研究開発施設で、葉野菜とイチゴの商業生産を拡大しています。このベンチャー企業は、トマトカテゴリーにおいては棚スペースを大きく獲得し、消費者の強い支持を得ています。一方、電子食料品プラットフォームのフレッシュ・ツー・ホーム社（FreshToHome）は、アブダビに産業、農業、貿易の法人を設立し、KIZADにある3万平方フィートを超える最新鋭の産業複合施設をe-食料品店と研究開発のために賃貸契約を結んでいます。

また、ICT業界では、ADIOの先端企業への支援によって、アブダビ首長国の人的資本が構築されています。これらの企業は、専門的なスキルセットを導入し、教育と労働力育成を図ることで国内外の人材プールを充実させ、他の企業を引き寄せる相乗効果を生み出しています。これらの企業が開発した技術やソリューションが、イノベーションを重視する他のセクターを可能にすると期待されています。

デジタルIDのパイオニアであるコールサイン（Callsign）社は、中東地域においてUAEの銀行との契約や地域のパイプラインを確保し、強力な事業の牽引力を獲得しています。同社は、地元の人材を惹きつけるインターンシッププログラムに投資し、地元の大学と研究開発のパートナーシップを構築しています。物流ソリューションテクノロジー企業のライヴ社（Lyve）は、アブダビ本土に100%の外資系企業を設立した最初の企業の1社で、500平方メートルを超える本社オフィスの賃貸契約を結んでいます。同社はアブダビから1億件の配送を達成し、世界中の新市場を開拓、カスタマージャーニーのすべてのタッチポイントでデジタルプレゼンスを誇る「スーパープラットフォーム」として台頭してきています。

一方、ハブ71 (Hub 71) に中東地域の本社を置くクラウド企業のベスピン・グローバル（Bespin Global）社は、リーム島にも新オフィスを開設しました。同社はクラウドオペレーションセンターとベスピンアカデミーで500人以上を雇用し、地元大学の学生を対象にした首長国インターンシップを実施する予定です。また、ベスピン・グローバル・中東&アフリカは、アマゾン ウェブ サービス（AWS）コンピテンシー（MSPパートナー）を取得、この地域で初のアマゾン ウェブ サービスのパートナーとなりました。また、AWS DevOps パートナーズ・オブ・ザ・イヤーを2度連続で受賞し、UAEの大手エネルギー企業からサウジアラビアでの流通拡大のエンド・ツー・エンド管理に関する大型案件を獲得しています。


アブダビ投資庁について
アブダビ投資局（ADIO）は、アブダビ首長国への投資誘致と促進を担う政府機関です。ADIOは、革新的な投資家やあらゆる規模の企業に機会を提供し、アブダビのイノベーションエコシステム全体のつながりを促進することで、同地での企業の設立と成長を後押ししています。そして、包括的なサービスとインセンティブにより、企業が市場や地域全体で長期的かつ持続的な成功を収められるよう支援しています。