フランスのバイオテック企業TreeFrog Therapeuticsが神戸に進出、iPS細胞治療の大量生産に向けた新技術の導入推進を目指す
(日本・神戸/2022年4月8日)人工多能性幹細胞(iPS細胞)を用いた、より安全で効率的かつ手頃な価格の細胞治療の実現を目指すフランスのバイオテクノロジー企業Treefrog Therapeuticsは本日、日本法人TreeFrog Therapeutics Japan株式会社を設立し、クリエイティブラボ神戸(CLIK)にラボと東京にオフィスを開設したことを発表します。
2018年にフランス・ボルドーで設立されたTreeFrog Therapeuticsは、「C-Stem™」と呼ばれるiPS細胞由来の細胞治療法の開発と大量生産実現のための画期的な技術を導入しています。C-Stem™ 技術ではiPS細胞を生体模倣型のマイクロカプセルに播種することで、iPS細胞を外部ストレスから保護するだけでなく、まるで生体内のような細胞培養条件で培養する事ができます。カプセルで保護され、微小環境内で培養されるiPS細胞は、大規模バイオリアクターで最適な成長を遂げ、そのまま移植可能な3次元の微小組織に分化させることが可能です。
この革新的な技術により、TreeFrog Therapeuticsは2021年、iPS細胞由来の細胞治療分野で最も有望なバイオテクノロジー企業のひとつに浮上しました。そして同社は2021年6月、世界初となる快挙を発表しました。10Lのバイオリアクターを使用し、わずか1週間で150億個のiPS細胞の単一バッチ製造に成功、前例のない最高クラスの細胞品質と細胞増殖率を同時に達成したのです。
(上記の結果に関するプレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000073345.html)
TreeFrog TherapeuticsのC-Stem™技術は、細胞治療における生産スケールや品質上の制約に対処するだけでなく、ユニークな細胞製品を作り出す機会を生み出します。例えば、当社はパーキンソン病の臨床前モデルにおいて、当社が提供する3次元の神経微小組織が移植片の生着を促進し、運動機能の回復を加速させることを実証しています。TreeFrog Therapeuticsは、2024年にパーキンソン病に対して治験を実施することを目標に、現在は提携関係を広げながら、心臓・代謝性疾患およびがん免疫領域で細胞治療のパイプライン開発を進めています。
TreeFrog Therapeuticsは、日本の再生医療業界にも積極的に参加しています。過去3年間、当社は日本再生医療学会およびLINK-J会員となり、また公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団(CiRA_F)の賛助会員として支援を行っています。2020年、TreeFrog Therapeuticsは、公益財団法人神戸医療産業都市推進機構(FBRI)およびハーバード幹細胞研究所とのiPS細胞の品質に関する共同研究を開始し、ニューヨークで名誉あるガリアン賞のメディカルスタートアップアワードを受賞しました。
(上記の受賞に関するプレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000073345.html)
今後更に、C-Stem™技術の日本における導入を推進し、神戸医療産業都市推進機構との連携を強化するため、TreeFrog Therapeuticsは東京オフィスに加え、神戸にラボを開設しました。
「クリエイティブラボ神戸にフランスのバイオテクノロジー企業として初めて参加することになり、大変光栄です。当社設立以来、日本の再生医療コミュニティと密接な関係を築くことは、TreeFrog Therapeuticsにとって優先課題でした。ラボ設立にあたり、神戸市および兵庫県より多大なご支援を頂いたことに感謝申し上げます。この技術拠点は2022年末までに全面稼働する予定で、日本の学術界・産業界のパートナーに対して、より安全で効率的かつ手頃な価格のiPS細胞由来の細胞治療を開発し、大量生産する上でのC-Stem™技術の利点を示すことができます」と、TreeFrog Therapeutics Japan代表取締役、ファビアン・ドゥバケールは述べています。
- TreeFrog Therapeuticsについて
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