都築響一氏、ヤマザキマリ氏、マライ・メントライン氏 「トランスカルチャー(越境文化)」を体現する3名が日本女子大学の新学部「国際文化学部」特別招聘教員に
既成の文化領域を超え、「越境」する視座を身につける授業を実施
日本女子大学(東京都文京区、学長:篠原聡子)はこのほど、2023年4月に開設予定(構想中)の「国際文化学部(仮称)」の特別招聘教授として、都築響一氏、ヤマザキマリ氏、特別招聘准教授として、マライ・メントライン氏の就任を発表します。
「国際文化学部(仮称)」は、グローバル化が進む一方、異なる文化間の問題も顕在化している不確かな時代を乗り切るために、「トランスカルチャー(越境文化)」の視座を身につけることを提唱します。今いるところとは違うところに身を置き、多様な文化や言語を実際に体験して学んだうえで、その「違うところ」で得た学びを発信する。こうして、国境やジェンダー格差といった「境界」だけではなく、私たち自身の心の内にある「境界」(=「当たり前」だという思い込み)を越えていく「越境力」こそが、これからは必要です。
様々な分野で八面六臂の活躍をしている都築氏、ヤマザキ氏、メントライン氏は、それぞれが個性豊かなやり方で、「国際文化学部(仮称)」のキーコンセプトである「トランスカルチャー」をまさに体現している存在です。各氏の持つ豊富な「越境」体験を交えながら、通常の大学の講義の枠にはまらないユニークな授業を行うことで、学生を新たな可能性に開眼させ、「越境力」を育んでいきます。
■都築響一氏 コメント
「大学のなかで起こっていることは広大な世界の現実の、ほんのひとかけらにすぎない。中にいながらいつも外を見ていられるようになってほしい。たくさんの『外のひとたち』を招いてお話ししてもらう、体験の時間を提供します。」
■ヤマザキマリ氏 コメント
「『越境』の意識とは、何よりまず自分が地球という惑星の住人であることの自覚にはじまると思っています。私がこれまで経てきた様々な経験や考察が、みなさんの想像力と思考力を豊かにするきっかけとなれば本望です。」
■マライ・メントライン氏コメント
「『教養』と『サブカル』は今や相互浸透しているように見えながら、実はまだ十分に溶け合っていない。これはサブカル・エンタメ領域に知の精髄が発露しやすい日本の文化環境にとって勿体無いので、状況をどう切り拓くか、学生の皆様と共に考え、挑みたいと思います。」
■日本女子大学学長 篠原聡子より
「都築響一氏が紹介する、現代の日本が見せる一面は、広く海外でも認知されており、世界に対して日本を語る上で、最適任者のお一人と言えます。
ヤマザキマリ氏の、創造力とエネルギーをつかさどる、世界の国々における波乱万丈の人生経験は、学生が『越境力』をつけるためにも学びの宝庫となるはずです。
マライ・メントライン氏は、ドイツとの比較という観点から、日本の文化・社会・政治に関するユニークな批評・提言をされており、日本のサブカルチャーにも造詣が深く、そのドイツにおける受容にも注目しておられることも学びの魅力となるでしょう。」
- 都築響一 氏
作家・編集者・写真家。1956年東京都出身。
上智大学文学部在学中から現代美術などの分野でライターとして活動し、『POPEYE』『BRUTUS』誌で雑誌編集者として活躍。
1996年刊行の『ROADSIDE JAPAN 珍日本紀行』(筑摩書房)で、第23回木村伊兵衛写真賞を受賞。
現代美術、建築、写真、デザインなどの幅広い分野で執筆活動、書籍編集を続けている。
主な著書に『TOKYO STYLE』(ちくま文庫)、『ヒップホップの詩人たち』(新潮社)、『圏外編集者』(朝日出版社)など多数。
- ヤマザキマリ 氏
漫画家・随筆家。1967年東京都出身。
1984年に渡伊し、国立フィレンツェ・アカデミア美術学院で、油絵と美術史を専攻。
1997年より漫画家として活動。『テルマエ・ロマエ』で第3回マンガ大賞、第14回手塚治虫文化賞短編賞受賞。
エジプト、シリア、ポルトガル、米国を経て現在はイタリアと日本に拠点を置く。主な著書に『国境のない生き方』(小学館)、『たちどまって考える』(中公新書ラクレ)、『ムスコ物語』(幻冬舎)など多数。
平成27年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞。平成29年イタリア共和国星勲章コメンダトーレ綬章
- マライ・メントライン 氏
翻訳家・通訳・エッセイスト。1983年ドイツ・キール出身。
兵庫県立姫路飾西高校および早稲田大学に留学。ドイツのライン・フリードリヒ・ヴィルヘルム大学ボン卒業後、2008年から日本在住。NHKドイツ語講座などに出演。
「職業はドイツ人」を自称し、東京観光協会のプロモーション動画の撮影・編集や、ドイツテレビ局の番組プロデューサー、ドイツ大使館のブログなど、ドイツに関係のある仕事を多方面にわたり手掛けている。
著書に『ドイツ語エッセイ 笑うときにも真面目なんです』(NHK出版)、『本音で対論! いまどきの『ドイツ』と『日本』』(池上 彰氏、増田ユリヤ氏との共著 PHP研究所)。
■今後の予定
3名の科目名等の情報につきましては、詳細が決まり次第、本学ホームページで公表いたします。
■国際文化学部とは
2023年に新設される「国際文化学部(仮称)」は、世界の多様な言語や文化を学ぶにあたって、「脱教室・脱キャンパス型」の実践的なプログラムで実際に体験し、さらにそれを複数の言語やICTを用いて発信していくところに、学びの新しさとユニークさがあります。こうして「国際力」「実践力」「発信力」を身につけることで、国境やジェンダー格差といった「境界」だけではなく、自分の殻を破っていく「越境力」を育むのです。
【特徴①:多様な国際文化の学び】
「国際文化」とは、「地域文化」「芸術文化」を全て包括するものです。本学部では、多様な言語(英語・ドイツ語・フランス語・中国語・韓国語)を修得し、その言語を使用する地域の文化を学ぶとともに、芸術文化からポップカルチャーに至る多彩な表象文化の理解を深めます。
【特徴②:「脱教室・脱キャンパス型」の新しい学び】
本学部では、「文化」という観点から国内外の社会課題の解決に貢献できる人材を育成します。そのために提供するのが、全員必修の「スタディ・アブロード・プログラム(海外短期研修)」(1年次)と「実践プログラム(海外・国内)」(2~3年次)という、「脱教室・脱キャンパス型」の新しい学びです。海外留学や国内研修で異文化を実際に体験しながら課題に取り組むことで、「国際力」や「実践力」を養います。
【特徴③:発信力の養成】
「実践プログラム(海外・国内)」の取り組みの成果を言語化し、2カ国語(英語・日本語)以上でICTを用いて発信します。こうして「発信力」を身につけることで、社会に開かれたコミュニケーション力と「越境力」を高めます。
- 日本女子大学は、日本初の組織的な女子高等教育機関として創立し、昨年120周年を迎えました。私立女子大学唯一の理学部を有し、文理融合の教育環境をもつ女子総合大学です。幼稚園から大学院までの一貫教育、さらに卒業生以外にも門戸を開くリカレント教育など、誰もが生涯を通じて学び、成長し続ける社会を創るための機会を提供しています。多様で非連続に変化する社会において、新しい明日を共に創る人材を育てています。詳しくは、https://www.jwu.ac.jpをご覧ください。
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