幹細胞培養上清液による治療薬開発を目指す創薬ベンチャーの株式会社U-Factorが、慶應義塾大学医学部と共同で眼科疾患の基礎研究の第2弾を開始
~緑内障に関する共同研究契約を締結~
乳歯由来歯髄幹細胞培養上清液「U-Factor®液」で、ALSやアルツハイマー型認知症などの難治性疾患の治療薬製剤化を目指している創薬ベンチャー、株式会社U-Factor(本社:東京都千代田区、代表取締役:井島英博、以下:当社)が、慶應義塾大学医学部眼科学教室(東京都新宿区、専任講師:平山雅敏、特任助教:清水翔太、佐藤真理)と緑内障の原因の一つである網膜神経節細胞の損傷に対する保護効果を対象にした共同研究契約を締結しました。
1.背景
当社は、2022年2月から独自開発した培養上清液「U-Factor®液」を用いて、2022年2月よりドライアイに関する基礎研究を開始しました。その成果として、2023年8月にドライアイ治療薬に関する特許出願を行いました。現在、製剤化に向けてPMDAとの相談をはじめ、製剤化に向けて進めています。この共同研究の中で、U-Factor®液の新たな可能性を発見し、緑内障治療薬としての共同研究を始めることに致しました。
2.緑内障とは
緑内障は本邦における視覚障害の原因において常に上位を占める疾患であり、高齢化社会において社会的にも重要な疾患です。大規模疫学調査では40歳以上の日本人における緑内障の有病率は約20人に一人(5%)と報告されました。緑内障は視神経と呼ばれる脳に光刺激を伝達する役割を担う神経に障害がおこり、症状として視野の障害が生じます (Suzuki Y, et al. Ophthalmology 2006)。緑内障における神経障害は基本的に進行性、非可逆的であり一度生じた視野の障害の改善は困難です。現在、緑内障に対する治療法は眼圧を低下させる薬剤、手術を行いその進行を抑制することが主でしたが、本研究では幹細胞上清液の直接的な神経細胞保護効果としての可能性に着目しました。
3.当社独自の培養上清液「U-Factor®液」とは
当社は、幹細胞を培養する過程で得られる上澄み液を当社独自の技術を用いて精製を行い、純度の高い培養上清液をU-Factor®液 (商標登録番号:第6396893号)と名付けました。幹細胞より分泌された大量のサイトカイン(生理活性作用をもつタンパク質)を含んでおり、当社取締役であり名古屋大学大学院医学研究科名誉教授の上田実らが、その有効性を発見しました(M Ueda, et al. Neurosci 2015)。当社でさらに改良を重ねて特殊な方法で精製したU-Factor®液には、安全性と有効性に関して非常に大きな可能性があると考えています。
4.本共同研究の概要
本共同研究では、U-Factor®液を使用し、慶應義塾大学医学部眼科学教室に提供し、緑内障に関する様々な基礎実験を行う計画です。ドライアイの共同研究で得た様々な知見や実験結果を基に、上述の通り、有効な治療薬が存在しない緑内障にしてU-Factor®液の有効性を検証します。数年後には、特許出願して行きます。
研究実施主体 | 研究での役割 |
U-Factor | ・研究に必要な費用や幹細胞培養上清液の提供 |
慶應義塾大学医学部眼科学教室 | ・研究テーマの検討や設定 ・研究の実務運用 |
【株式会社U-Factor】
設立 :2020年3月
代表者:代表取締役社長 井島 英博
所在地:東京都千代田区麹町六番町7-11 ESCALIER六番町1階
事業内容:アルツハイマー型認知症の治療薬をつくり、「アルツハイマー病ゼロ社会の実現」をミッションに、上田実名誉教授が開発した乳歯由来の歯髄幹細胞培養上清液の基礎研究、製剤化を目指しています。
【慶應義塾大学医学部】
開設 :1917年
医学部長:金井 隆典
所在地 :東京都新宿区信濃町35番地
URL :https://www.med.keio.ac.jp/index.html
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