美術史的観点から選定された作品100点以上、総額7億円以上が一堂に会する「買える」展覧会AWT FOCUS「平衡世界 日本のアート、戦後から今日まで」子ども・学生は入場無料、割引前売りチケット発売中
11月2日(木)–5日(日)開催 2023年度アートウィーク東京の新企画
本展は、会場で展示されている作品を購入できる新企画です。100点以上の展示作品は全て購入可能で、その総額は7億円以上。本展では、戦後から現代までの日本において、一見相反する概念の間にバランス(平衡)を求める建設的な緊張感がユニークな表現の誕生を促してきたことを明らかにし、12セクションを通してジャンルレスかつ非時系列で紹介します。子どもや学生は入場無料のほか、お得な前売りチケットを11月1日(水)までオンラインで販売中です。
「アートウィーク東京」では、「買える」展覧会 AWT FOCUS「平衡世界 日本のアート、戦後から今日まで」を、1917年に実業家の大倉喜八郎が設立した現存する日本最古の私立美術館「大倉集古館」で開催します。本展は、美術史的観点から選定された作品を通じて、日本の近現代美術を読み解くキーワードを再考すると同時に、展示される作品はすべて参加ギャラリーを介して購入できるという企画です。
初回となる本年は、滋賀県立美術館ディレクター(館長)の保坂健二朗をアーティスティックディレクターに迎え、戦後、日本の美術史の流れを作った「具体美術協会(具体)」を結成した「吉原治良」などの重要人物から、今後の活躍が期待される「川内理香子」などの新進作家まで100点を超える作品を12セクションに分けて展示します。展覧会を通して美術史を学びながら、美術館の展示作品を“購入できる”という目線で眺めることで美術品をより身近に感じられる展覧会です。
【展覧会の見どころ】
1 ギャラリストも惜しむような作品の数々が集結
「これだけの数のミュージアムピース級作品がアベイラブル(購入可能)として出てきたのは驚くべきこと」と保坂氏を唸らせるように、出展ギャラリーが奮って各作家の重要作品をお蔵出ししています。今日美術館の常設展示以外では目にする機会が少なくなっている物故作家の作品や、本展で初公開となる新作を含む、64作家による100点を超える作品が集結します。会場で見て気に入った作品を購入することが可能です。
2 日本の戦後のアートをジャンルレス+非時系列のアプローチで展観
展覧会タイトルにある「平衡」は、物質と非物質、デザインと絵画など、二つあるいはそれ以上の項の間に、緊張感をもったバランスを求める姿勢のことを表していると保坂氏は言います。一見相反する概念の間に「バランス(平衡)」を求めてきたからこそ、戦後から現代に至る日本ではたくさんのユニークな表現が誕生してきたことを、ジャンルレス+非時系列の構成で展観します。
3 伊東忠太設計の大倉集古館の意匠を活かした会場デザイン
展覧会の会場は、南青山に限定オープンするAWT BARを手がける山田紗子建築設計事務所によるデザインです。伊東忠太設計により1927年に竣工した大倉集古館は、1998年に国の登録有形文化財となり、2019年には谷口吉生(谷口建築設計事務所)の設計による約5年半の大規模改修工事を経てリニューアルオープンしました。柱に龍や獅子があしらわれるなど独創的な中国古典様式の展示室に着想を得て、山田紗⼦が本展ならではの空間を設計します。
【入場料】
【セクションタイトル・出展作家一覧(12セクション、64作家)】
【AWT FOCUS「平衡世界 日本のアート、戦後から今日まで」開催概要】
アーティスティックディレクター 保坂健二朗(ほさか・けんじろう)
滋賀県立美術館ディレクター(館⻑)。1976年生まれ。慶應義塾大学大学院修士課程修了後、2000–20年まで東京国立近代美術館(MOMAT)に学芸員として勤務、2021年より現職。MOMATで企画・担当した主な展覧会に「建築がうまれるときペーター・メルクリと⻘木淳」「エモーショナル・ドローイング」(以上、2008年)、「建築はどこにあるの? 7つのインスタレーション」(2010年)、「イケムラレイコうつりゆくもの」(2011年)、「フランシス・ベーコン展」(2013年)、「現代美術のハードコアはじつは世界の宝であるヤゲオ財団コレクションより」(2014年)、「声ノマ全身詩人、吉増剛造展」(2016年)、「日本の家1945年以降の建築と暮らし」(2017年)、「隈研吾展新しい公共性をつくるためのネコの5原則」(2021年)など。「DoubleVision: Contemporary Art from Japan」(2012年、モスクワ市近代美術館ほか)、「Logical Emotion: Contemporary Art from Japan」(2014年、ハウス・コンストルクティヴほか)、「The Japanese House: Architecture and Life after 1945」イタリア国立21世紀美術館(2016年、ローマ)など国外での企画にも携わる。公益財団法人大林財団「都市のヴィジョン」推薦選考委員、文化庁文化審議会文化経済部会アート振興ワーキンググループ専門委員なども務める。
開催概要
「アートウィーク東京」 とは
東京における現代アートの創造性と多様性を国内外に発信する年に一度のイベントである「アートウィーク東京」は、文化庁の協力のもと、世界有数のアートフェアである「アートバーゼル」と提携し、一般社団法人コンテンポラリーアートプラットフォームが主催。東京都、アートウィーク東京モビールプロジェクト実行委員会と連携し、都内の主要アートスペースをつなぐ交通手段の提供など幅広い鑑賞者層に対してアートアクティビティの体験機会を創出する「アートウィーク東京モビールプロジェクト」を通じて、東京の現代アートを支える環境基盤の形成に努めている。パンデミック下における2021年に初開催となったアートウィーク東京は、訪日外国人観光客の受け入れが始まった2022年に規模を拡大する形で開催し、美術館やギャラリーなど51のアートスペースが参加。2022年度は、4日間にわたる会期を通じてのべ3万2,000人を超える参加者を記録。アートウィーク東京モビールプロジェクトの一環として運行した無料のシャトルバス「AWT BUS」は、会期中の午前10時から午後6時の間に約15分おきに特設のバス停を巡回した。また、気鋭の建築家・萬代基介の設計による「AWT BAR」をナイトアウトプログラムとして南青山にオープン。4名のアーティストとのコラボレーションによるオリジナルカクテルを提供し、日中アート鑑賞を楽しんだ人々が、夜に集う憩いの場として賑わいを見せた。
「アートバーゼル」とは
世界最高の規模と質を誇る近現代美術のアートフェア「アートバーゼル」。毎年、拠点となるスイスのバーゼルをはじめ、香港、マイアミビーチ(アメリカ)、パリで開かれるアートフェアには、世界各地から大勢のアートファンや専門家が集まる。国際的なアートイベントにおける高度な専門知識や経験を有するアートバーゼルは、アートウィーク東京が目指す現代アートの健全で活発なエコシステムの構築や、国際的なネットワークにおける東京の地位を確立するために欠かせない存在と言える。
公式サイト:https://www.artbasel.com/
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