「建設現場の無人化」を目指すZen Intelligence、シリーズAラウンドで総額15億円の資金調達を実施

「現場管理の無人化」の早期実現に向け、AIエージェントとVLM(Vision-Language Model)の開発を加速

Zen Intelligence株式会社

Zen Intelligence株式会社(旧社名:株式会社SoftRoid)(東京都中央区、代表取締役:野﨑 大幹 以下「Zen Intelligence」)は、VC5社並びに金融機関2社から総額15億円となるシリーズAラウンドの資金調達を実施しました。「建設現場の無人化」を実現するためのPhysical AIへ重点的に投資します。

資金調達の背景と用途

背景

建設業では慢性的な人手不足に直面しており、大型プロジェクトが着工できないといった状況が既に発生しています。就業者の高齢化、若年入職者の減少、働き方改革などが重なり、需要があっても供給できない「供給力不足」が社会課題となっています。

当社は、「Physical AIによる供給力の強化」を目的とし、現場データの収集・解析を利用する既存プロダクト「zenshot」に加えて、AIやハードウェアデバイス、将来的にはロボティクスを活用した建設現場の無人化に挑戦します。

「現場管理の無人化」の早期実現

建設業界では人手不足と高齢化が深刻化しており、2030年までに建設技術者が約4.5万人、技能工が約17.9万人不足すると予測されています。2024年には時間外労働の上限制が適用され、現場監督の業務負荷は一層高まり、働き方や現場の効率性・安全性にも影響が及んでいます。

従来の現場管理業務は、現場監督が現地に赴き、経験や知見をもとに目視・判断・指示を行う労働集約型の体制でした。この体制に対し、当社が提供する「zenshot」で現場をデジタルツイン化することで、監督が遠隔から状況を確認し、管理業務を行うことが可能となりました。次の段階として、「zenshot AI」を通じAIエージェントや建設特化型VLM(Vision-Language Model)を現場にデプロイすることで、従来は監督が担ってきた判断や指示をAIが自律的に実行できるようにし、「現場管理の無人化」の早期実現を目指します。こうした取り組みを通じて、人手不足という業界課題へ供給力を増やし、建設業をAIネイティブな産業へと変革してまいります。

調達資金の主な用途

  1. AIエージェントとVLMへの開発強化

    zenshotに蓄積された現場データを活用し、現場管理業務の自動化を実現する「AIエージェント」および「VLM(Vision-Language Model)」の開発を強化します。これにより、従来は現場監督が実際に現場へ赴いて行っていた管理業務を、AIエージェントがデジタル空間上で自律的に実行することで、AIネイティブな現場管理を実現します。

  2. ハードウェアおよびデバイスの開発強化

    AIによる業務自動化の範囲をさらに拡大するため、現場空間や業務に関するデータを取得できるハードウェアおよびデバイスの開発を強化します。取得された多様なフィジカルデータを活用し、AIと物理世界をより強固に繋げることで、幅広い業務の自動化を可能にします。

  3. 人材採用と組織体制の強化

    AI・メカトロニクス分野のトップエンジニアや事業開発・セールス人材の採用を強化します。挑戦的な目標である「建設現場の無人化」に共感し、すでにKaggle Competition Master 2名やロボティクス分野のエキスパートが参画しています。今回の資金調達を契機に、採用と体制強化を一層加速します。

シリーズA 資金調達の概要

  • 調達金額:15億円

  • 調達方法:第三者割当増資・金融機関からの借入

  • 第三者割当増資:

    • 新規:Z Venture Capital、Angel Bridge、Rice Capital

    • 既存:ファーストライト・キャピタル、インキュベイトファンド

  • 金融機関からの借入:

    • 日本政策金融公庫、りそな銀行

投資家からのコメント

Z Venture Capital Principal 内丸 拓

“AI活用の恩恵が行き届きにくかったエッセンシャルワーカー向けの基盤モデル”の革新。

これこそ私が投資テーマとして掲げてきた領域であり、Zen Intelligenceは、まさにこのテーマの中核に挑戦するスタートアップです。

開発とビジネスのバランスを高いレベルで両立している稀有なチームであり、それを裏付けするように、すでに大小問わず、数多くのハウスメーカーが彼らのソリューションを利用しています。

グループシナジーの観点からも、3Dにおける基盤モデルに強みを持つNAVER LABSとの関係構築に向けた機会創出をはじめ、ZVC一丸となってZen Intelligenceの成長をサポートしていきます!

Angel Bridge 代表パートナー 河西佑太郎

Zen Intelligenceは日本のPhysical AIを牽引するディープテックスタートアップです。建設現場の情報をこれまでにない解像度で取得した上で、AIを活用して省人化・自動化するアプローチはデジタル空間上のデータ処理をベースとしたPhysical AI領域への大きな布石になると考えており、そのインパクトの大きさに可能性を感じております。直近の成長も素晴らしく、名だたる大企業がプロダクトに惚れ込み、活用を前提とした戦略が構築されています。Angel Bridgeは、野﨑CEOを中心とした技術に精通し、高い目標を目指し続けるチームの大きな挑戦に伴走し、全力で支援してまいります。

Rice Capital 代表パートナー 福山 太郎

Zen Intelligence社は日本のエンタープライズ市場で類を見ないスピードで成長しており、その成長率は国内トップクラスです。急速に進む労働人口減少の中で、AIを活用した業務改革のユースケースを既に実証している点に強い可能性を感じています。また、顧客と徹底的に対話しながらプロダクトを磨く姿勢は、Y Combinatorの最も成功しているスタートアップと重なるものがあります。AIネイティブスタートアップの代表例として、Zen Intelligence社のさらなる成長を支援してまいります。

ファーストライト・キャピタル マネージングパートナー 頼 嘉満

Zen Intelligenceに追加出資の機会をいただき、大変嬉しく思います。プレシリーズA調達後、主力プロダクトの「zenshot」大手住宅メーカーを中心に、業務フローに深く組み込まれ、順調な事業拡大を続けています。現場の物理空間から取得する独自データと、ベテランの豊富な知見を融合させ、物理作業領域にインテリジェンスをもたらす「Physical AI」企業として、建設現場のAIエージェント化や人とロボティクスの協働実現という大きな可能性を有しています。卓越した技術力と確かな実行力を備えた優秀なチームが、「Physical AI」によって労働力不足に直面する基幹産業の変革を牽引する未来を確信しています。今後も引き続き全力で支援してまいります。

インキュベイトファンド General Partner 本間 真彦

Zen Intelligenceに今回ラウンドも追加出資させて頂きました。CEOの野﨑さん、CTOの吉田さんを中心にチームは創業時から常に前傾姿勢で、これまでリーンで機動力のある体制を創ってきました。また、今のZen Intelligenceには”Physical AI”の実現が可能な国内トップレベルのエンジニアが揃っています。

採⽤情報

Zen Intelligenceでは、ともに基幹産業を変革する仲間を積極的に募集しています。また、社内の雰囲気を感じていただけるオープンオフィスなどのイベントも定期的に開催しています。

詳細は下記採用ページをご覧ください。

Zen Intelligence採用サイト: https://recruit.zen-intelligence.ai/

zenshot について

建設現場における施工管理業務の効率化・自動化を実現する、3D VisionとVision-Language Model(特化型AI基盤モデル)を核とした建設AIプロダクトです。現場の360動画データから、AIが現場状況を自動的に構造化します。現場状況の可視化による業務効率化に加え、工程・安全・品質の時間変化をAIが捉え、インサイトを抽出。それらをもとに判断し行動するAIエージェントが、施工管理業務の省人化・自動化を実現します。

zenshotについては下記サイトよりお問い合わせください。

zenshotサービスサイト: https://zenshot.ai/

Zen Intelligence株式会社について

Zen Intelligenceは、物理現場の3次元空間とその時間変化の中で知覚・推論・行動するSpatial Intelligence(空間知能)を開発するPhysical AIスタートアップです。創業以来一貫して現場データを起点としたAI・ロボット技術の開発・提供に取り組んできました。現在、建設業向けに3D Visionと基盤モデルを核とした建設AIプロダクト「zenshot」を展開しています。Physical AIを通じて、産業の在り方そのものをAIネイティブな形へと再構築する「Re-Industrialization」を目指しています。

<会社概要>

会社名: Zen Intelligence株式会社 (旧社名: 株式会社SoftRoid)

所在地: 東京都中央区八丁堀2丁目14番1号 住友不動産八重洲通ビル6F

代表者: 代表取締役 野﨑 大幹

設立: 2020年7月21日

URL: https://zen-intelligence.ai/

<表彰歴 等>

経済産業省/NEDO GENIAC第3期 採択: 建築現場の施工管理を自動化するAI基盤モデルの開発 (2025)

東洋経済 すごいベンチャー 100 選出 (2024)

Forbes JAPAN 2024年注目の日本発スタートアップ100選 選出(2024)

日経アーキテクチュア 建築をアップデートするベンチャー100 選出(2022)

IPA 未踏アドバンスト事業 採択: 建築現場を巡回しデータ収集・分析するロボットサービスの実現(2021)

国土交通省 関東地方整備局 建設現場における無人化・省人化技術の開発・導入・活用に関するプロジェクト 採択(2020)

すべての画像


ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

Zen Intelligence株式会社

7フォロワー

RSS
URL
https://zen-intelligence.ai/
業種
情報通信
本社所在地
東京都中央区八丁堀2丁目14番1号 住友不動産八重洲通ビル6F
電話番号
-
代表者名
野﨑大幹
上場
未上場
資本金
-
設立
2020年07月