包丁職人×DX「品質を落とさず、量産する。」3割以上の増産に成功した三星刃物の取り組み【岐阜県関市】
老舗刃物メーカーの挑戦

創業明治6年、刃物の町・岐阜県関市で150年以上の歴史を持つ三星刃物株式会社(代表取締役社長:渡邉隆久)は、自社ブランド包丁「和NAGOMI」シリーズの需要拡大に伴い、製造工程のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しています。
職人の手作業に頼る伝統的な包丁製造において、品質を一切妥協することなく、生産管理システム(株式会社Smart Craft提供)を導入。その結果、従来の月産約1,500本から2,100本(約3割増)への大幅な増産に成功いたしました。
品質は落とさないことが大前提。どうする?

三星刃物のフラグシップ包丁「和NAGOMI」シリーズは、美しく段差のない持ち手と「長く使えること」に拘り、丁寧に製造しています。
長くお使いいただける包丁を作るため、接着剤や塗装は不使用。そのため、職人が目で確かめながらの工程が多くを占めます。

より多くのお客様へお届けしたいものの、「和NAGOMI」は量産が難しい商品。
ふるさと納税ではご好評につき、最長6か月のお時間をいただいています。昨今の日本製の包丁のブームで海外からの需要も高まっており、生産数を上げたいところ。
それでも、品質は絶対に落とさない。
「本当に良いものを。ずっと付き合えるものを。」
これを理念とする「和NAGOMI」の仕様を変更することはあり得ませんでした。
では、どうするか。
「品質を落とさず、量産する」
これを実現するために、まずは現状の把握をするところから始めました。
社員の発案でDX化推進がスタート
Excelでの改善

発起人は、製造部の社員。「和NAGOMI」シリーズは手作業での工程が多いことや、伝統的な方法が踏襲されており、工程管理や在庫管理、進捗確認ができていない部分が多くありました。
そんな中、少しでも製造部全体の状況を「見える化」しようと、まずは製造部の社員がExcelやスプレッドシートでできる範囲で改善に取り組みました。
その結果、仕掛品(製造途中の製品)の状況が一目で確認できるようになりました。
個人の作業状況を把握するため、日報管理も始めましたが、データ収集が非効率でした。収集したデータ自体は有益だったものの、個人が手書きで書く作業、それを管理者がExcelに入力する作業に時間がかかってしまったのです。
そこで、本格的なシステムを導入することを決めました。
「Smart Craft」の導入

Excel管理での改善で手ごたえが掴めたため、今度は本格的なシステムの導入を検討。
複数社を比較し、スタートアップ企業「株式会社Smart Craft」のシステムを導入することに決めました。
月産本数が3割以上増加!

以前は月間生産約1500~1600本だったところ、システムの導入後は2100本まで増産できるようになりました。
大きかったのは、各個人がそれぞれの工程にどれだけ時間がかかっているか把握できるようになったことです。

全員のデータをもとに、得意な作業・苦手な作業を割り出し、仕事を振り分けるようにしました。一人一人の月間レポートを配布することで、個人の成長も数値として見えるようになりました。
これによって製造部全体の作業効率が向上し、個人のモチベーションの向上にも繋がっています。
今後の取り組み

システムの導入によって、「品質を落とさず、量産する」が実現できました。
また、非属人化したことで、管理者が不在の際でも業務の流れが止まらなくなったこと、出張先でも現場の状況を把握できるようになったことも大きな変化です。
今後は更なる改善をするべく、既に少しずつ動き出しています。
〈今後の目標〉
・仕掛状況の確認をよりスムーズにする
・棚卸の頻度を上げ、より厳密な原価計算ができるようにする
より良い製品をより多くの方にお届けできるよう、今後も改善に取り組んでまいります。
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