【山形県南陽市】医学生団体「Vcan」が中高生への出張授業でHPVワクチンの有用性を啓発
「まずは知ることから」医学生が山形県南陽市の中高生にHPVワクチンの正しい知識と有用性を解説
山形県南陽市では、子宮頸がんなどの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染を予防するHPVワクチンの接種を推進している。その一環として、全国でHPVワクチン接種の啓発活動を展開する医学生団体「若者にHPVワクチンについて広く発信する会Vcan(大坪琉奈代表)」による、市内の3中学校と県立南陽高校での出張授業が7月4日(木)と5日(金)の2日間、各校で行われた。
HPVは、女性の子宮頸がんや外陰がんのほか、男性もかかる肛門がんや陰茎がん、中咽頭がんの原因とされている。
南陽市では、公費による定期接種である女性対象のワクチン接種を呼びかけるほか、自費による任意接種である男性対象のワクチン接種についても、独自に接種費用の助成を実施(※)。子宮頸がんは、性交渉によるHPV感染が発症の要因とされており、男性のワクチン接種により、女性の子宮頸がん予防にも一定の効果が期待されることから、広く接種を呼びかけてる。
「Vcan」は、関西の医学生を中心とする学生団体で、同世代の若者に、HPVとHPVワクチンの正しい知識を身に着けてもらい、自分自身でワクチン接種の判断ができるよう、医師の監修を受けた上で啓発活動を実施。「全国中高ツアー」として、全国の中学校や高校を訪問する活動を繰り広げ、生徒たちに直接、子宮頸がんやHPVワクチンについて教える出張授業を行っている。
南陽市では、今年1月にもVcanによる出張授業を行っており、今回が2回目。
HPVワクチンキャッチアップ接種の期限が今年度末であり、来年度以降、現在高校1年の年齢以上の方は公費による接種の対象外となるが、今年度中に3回の接種を完了するには、9月までに1回目を接種する必要があるため、そのことを伝え、自分ごととして考えてもらうために、この時期の出張授業となった。
代表の大坪さんら3人の医学生が4校を訪れ、『知らないまま後悔しないで 子宮頸がんとHPVワクチン』と題して、 HPVワクチンへの理解を深める授業を行った。
出張授業では、若い世代の発症が多い子宮頸がんや、男性にも感染するといったHPVの特徴について解説。その上で、若いうちにワクチンを接種することで子宮頸がんの発症率が9割抑えられることやワクチン接種率の高い諸外国では子宮頸がんの撲滅も予測されていること、日本では接種率が低いことなどを紹介した。また、授業で学んだことを家族や友人に伝えるためのワークショップも行いながら、「知らないまま後悔しないために、まずはワクチンについて知ることが大切」と呼びかけた。
Vcanホームページ https://www.vcan-hpv.org
(※)南陽市の男性へのHPVワクチン接種費用助成について
対象となるのは、女性の定期接種年齢とキャッチアップ接種年齢と同じ小学校6年から27歳までの男性。幅広い世代へ接種を促すことで、感染リスクの減少を図る。男性への任意接種が認められている4価ワクチン3回分の接種費用48,600円を全額助成する。
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