【茨城・結城】町工場の職人が田んぼの先生に!「ものづくり×米作り」体験授業に40名が土と火の学びに笑顔ー参加者満足度は90%超え
過疎化が進む地域で、地元の小学生・高校生が泥んこ体験!独自開発「もみ殻かまど」での“0円炊飯”にも笑顔。次世代教育と地域活性化へ新たな一手を示す。
「なんで町工場の人たちが田植えしてるの?」―5月11日、結城市の田んぼで子どもが発した素朴な疑問。これは、金属製品製造の株式会社ヤマナカ(本社:同市、代表取締役社長:山中 崇)が同日開催した「ものづくり×米作り」体験での一コマです。この異色の食育授業には地元小学生親子や一般参加者等合わせて約10名と、茨城県立鬼怒川商業高等学校の生徒約30名の合計約40名が参加し、アンケートでは満足度90%を超える結果となりました。同社が精密板金加工技術を活かし、過疎化という地域の現実に向き合いながら、次世代育成を目指すこの取り組みは、教育関係者や地域住民等から期待の声が寄せられています。
社長の原体験―娘の未来と消えゆく母校への危機感

株式会社ヤマナカは、1971年の創業以来精密板金加工を主軸に事業展開してまいりました。山中社長が故郷・結城市南部の地域課題に強い危機感を抱くようになったのは、2年前、当時3歳だった娘(現在5歳)の将来を思ったことがきっかけでした。
「娘が通うことになるであろう私の母校(小学校)の状況を調べていたところ、その母校を含む地域の小学校5校が再編される計画を知りました。実際に母校を訪れると、ほとんどの教室が使われず静まりかえっており、その現実に唖然としました」と山中社長は語ります。
「ものづくり」の力で未来を拓く決意とAssyllis構想

「このままでは、娘や地域の子どもたちが豊かな環境で学ぶ機会さえ失ってしまうのではないか。だったら、自社が培ってきた『ものづくり』の技術と、これまでとは違う新しい発想で、この状況に一石を投じよう。未来を担う子どもたちのために、そして地域全体のために、自分たちにできることから始めよう」と決意しました。
この、父親としての個人的な想いと地域への強い使命感が、教育支援活動、さらに新しいライフスタイルブランド「Assyllis(アッシーリス)」の構想へと繋がっていきました。
実践的な学びと「食育」への強い願い

「次世代を担う若者たちに、教科書だけでは得られない実践的な学びの場を提供したい」という願いには、そうした切実な背景があります。特に、子どもたちが自然に触れながら食の重要性を学ぶ「食育」の機会提供を重視しています。
泥んこになって学ぶ「食」と「地域」― 参加者の声

イベント当日は晴天に恵まれ、参加者はスタッフの手ほどきを受けて田植えに挑戦。
初めての泥の感触に戸惑いつつも、スタッフの説明を受けながら、一つひとつ苗を丁寧に植えていきました。小学生は保護者の方々もサポートしながら、親子の共同作業で田植えを進める姿が見られました。参加した高校生は、「普段できない経験ができて、お米の苗を植えることでつくる大変さがわかった」と語り、一般参加者や保護者からは、「子どもへの食育」「スーパーで買う以外の体験もさせたい」といった目的での参加理由が寄せられ、食に対する意識の高さが伺えました。
金属加工技術が生んだ「にわ先かまど」ー伝統の知恵と現代技術の融合

田植えの後には、同社が金属加工技術を応用して開発した炊飯具「にわ先かまど」を使用し、もみ殻を燃料とした炊飯体験も実施。これは、結城市等に古くから伝わる炊飯方法を、現代のライフスタイルに合わせて改良したもので、火加減調整等の使いやすさを追求しています。
炊きたての味に感動の声 ― 「0円炊飯」の魅力と防災への可能性

炊きたてのご飯に、「おいしい」「甘い」「お焦げが香ばしい」といった驚きと感動の声があがり、参加者は自然の恵みと手作りの温かみを感じている様子でした。この「にわ先かまど」は、稲作の副産物であるもみ殻を有効活用でき、ガスや電気を使わないため被災時にも役立つ「0円炊飯」を可能にする点が特徴です。
2023年誕生「Assyllis」― 3つの事業領域で「半歩先の豊かさ」を

株式会社ヤマナカは、「ひとと地域と社会を笑顔にするために」という理念のもと、「半歩先の豊かさ」を提供するライフスタイルブランド「Assyllis(アッシーリス)」を2023年に立ち上げました。Assyllisブランドは、①自社や結城周辺の農作物を提供する「Agriculture」、②金属加工技術を活かした調理器具・農業資材を提供する「Product」、③「Field to Mouth(採って、食べる)」をテーマにした「Experience」の3つの領域で事業展開しています。
「Field to Mouth」を体現した今回の体験と「にわ先かまど」新商品への期待

今回の農業体験は、まさにこのAssyllisブランドが掲げる「Field to Mouth」コンセプトを体現するイベントであり、土に触れ(Agriculture)、自社開発の道具を使い(Product)、収穫から調理・食事までを一貫して体験する(Experience)機会となりました。
イベントで使用した炊飯具「にわ先かまど」は、参加者等からもその機能性や背景にあるストーリーに多くの共感が寄せられました。この反響と、Assyllisの「Product」事業領域の取り組みとして、「にわ先かまど」をさらに家庭で使いやすいよう改良した新商品を、年内に発表する予定です。
この改良版「にわ先かまど」は、屋外での調理はもちろん、災害時にも役立つツールとして、Assyllisブランドが目指す豊かなライフスタイルをより多くの方に届ける予定です。
今後の展望 ― 継続的なプログラムと独自の地域連携

今回の農業体験は、Assyllisブランドが大切にする価値観を具体的に体験していただく機会となりました。同社は今後も、秋の稲刈り体験や「にわ先かまど」での炊飯体験へと繋がる一連のプログラムを継続するほか、移動可能な農園ツール「モバイルグリーンガーデン」を活用した「出張農業体験」など、独自の技術を活かした教育支援・地域連携活動を推進していく方針です。
これらの活動を通じて、地域社会への貢献とAssyllisブランドの可能性を追求し、本取り組みが広く認知されることを期待しております。
サービス内容が固まり次第、プレスリリースを通して発表させていただく予定です。
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