【大阪府初】森が守り、森が稼ぎ、森が未来を育てるまちへ河内長野市、J-クレジット創出に向けた4者協定を締結
―「未活用の森林資源」から「価値を生む森」へ。地域が動き出すサステナブルモデル―
令和7年11月20日、河内長野市(大阪府)は、森林由来のJ-クレジット創出に向け、クリエイション株式会社、住友林業株式会社、NTTドコモビジネス株式会社の4者で連携協定を締結しました。 森林由来のJ-クレジット創出は大阪府で初。
森を守りながら価値を生み、地域と流域の未来を支える新しいモデルが動き出します。

■なぜ今、河内長野市が動くのか
“森の危機”は市民生活に直結している
河内長野市は大阪市内から電車で約30分の距離にありながら、市域の約7割が森林という自然にあふれたまちです。代表的な山に岩湧山(いわわきさん)があり、山頂の眺望やススキの草原を目当てに多くの登山者が訪れます。

そんな市の森は、市民の暮らしと大阪府全体の水循環を支える“生命線”です。
今、その森が危機に瀕しています。
市は府内最大規模となる約5,000haの人工林(スギやヒノキなどの人の管理や手入れの必要な森林)を有し、古くから河内林業地として林業が行われてきました。 しかし近年は林業の担い手不足、木材価格の低迷、急傾斜地が多く管理コストが高いといった理由から、管理されない森林が増加しています。
森林は適切に管理されないと、
・土砂災害リスクの増大
・水源涵養機能の低下
・生態系の悪化
など、市民生活に直結する問題を引き起こします。 森林が本来の力を持続的に発揮するには、間伐などの適切な管理が不可欠です。
“気候非常事態宣言”を掲げる自治体として
世界的に脱炭素社会の実現に向けた動きが加速する中、市は令和3年3月に「河内長野市気候非常事態宣言」を発表。2050年までにゼロカーボン(二酸化炭素排出量実質ゼロ)を達成することを目指し、市独自に個人・事業者向けの再エネ・省エネ設備の導入に対する補助事業を実施するとともに、脱炭素に向けた日常的な取り組みの啓発としてデコ活の推進を行っています。

森林は「未来への投資」
森林は、適切に管理すれば
・土砂災害の防止
・水源の涵養や洪水緩和
・生物多様性の保全
・地域産業の活性化(林業、製材業など)
・CO₂吸収
など、多面的な価値を生みます。
市内には、水質AA類型・生物A類型に指定されている石見川を含む5つの河川が流れ、その源流域はすべて市内にあります。河内長野市に降り注ぐ雨は豊かな森林を通じて河川に流れ込み、1級河川の石川や大和川を通じて、堺市や大阪市などの都市部へ、そして大阪湾へと流れていきます。
府民の豊かな生活や企業活動を支えるとともに、良好な水環境を未来へつなぐためにも、本市の森林の保全・再生は欠かせません。



J-クレジットで「森を守りながら活かす」仕組みづくりを
相続などで山を所有しても、境界が不明確で管理できず、 「山=負の遺産」と捉えられるケースも少なくありません。そこで今回のプロジェクトでは、森林系J-クレジットを活用し山主に収益を還元する仕組みとすることで、 「山=地域の価値を生む資産」へ転換することを目指します。
J-クレジットとは
省エネルギー設備の導入や適切な森林管理などによる温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度のことです。
企業等はクレジットを購入することで、
・自社の脱炭素の促進
・SDGsの実践
・地域貢献
を同時に達成できるなど、社会的価値の高い取り組みです。
カーボン・オフセット
企業等は排出削減の努力を行ったうえで、どうしても排出される温室効果ガスについては、排出量に見合った削減活動に投資することで埋め合わせ(カーボン・オフセット)を行います。 J-クレジットの購入は、その具体的な手段のひとつです。


■4者が連携し、市内の「私有林」からJ-クレジットを創出
今回の協定では、それぞれの強みを持つ4者が連携することで、市内の「私有林」を地域の価値を生む“資産”へと転換する仕組みを実現します。
●河内長野市
J-クレジットの創出・販売支援、持続可能な森林管理の仕組みづくりを推進。
●クリエイション株式会社
市内約800haの私有林を対象に、間伐などの森林整備を実施。
●住友林業株式会社・NTTドコモビジネス株式会社
共同運営する「森林価値創造プラットフォーム(森かち)」を通じ、J-クレジットの登録、申請、販売を支援。
河内長野市への森林林業・脱炭素施策の助言。

この4者が連携することで、 市内の私有林から生まれるJ-クレジットが、地域の森を守り、地域の未来を支える循環が動き出します。 販売収益の一部は市に寄附され、森林整備や森林教育など、次世代への投資に活用されます。
■河内長野市が描く“森が未来をつくるまち”
市が目指すのは、 「森が守られ、森が稼ぎ、森が人を育てるまち」です。
● 地域材の循環
市では地域のブランド木材である「おおさか河内材」の活用促進に取り組んでいます。地域材を使用することは、間伐などの森林整備を後押しすることになり、森を守りながら活かす“循環”につながります。また林業の担い手支援や地域経済の活性化にも寄与します。


● 森林ESDで未来の担い手を育てる
河内長野市は森林ESD(環境教育)に積極的に取り組んでいます。森林や環境問題を“自分ごと”として捉え、 自ら学び、行動できる子どもたちを育てることで、 未来の地域を支える人材を育成しています。


これらの取り組みを通して森林資源の価値向上(リブランディング)を図り、森林管理や森林教育の充実、地域産材の活用促進を進めることで、地域の自然の恵みを可視化し、持続可能な森林づくりにつなげていきます。
■今後の展望
今回の取組みでは、2026年度中のクレジットの創出を目指しています。クレジットの販売収益の一部は市に寄附され、間伐などの森林整備や、未来を担う子どもたちへの森林教育などに活用する予定です。
最大の課題は、クレジットを購入する企業とのマッチングです。
脱炭素経営や地域貢献に関心のある企業の皆様には、ぜひご相談いただきたいと考えています。
河内長野市は、森林を軸とした持続可能な地域づくりに挑戦し続けます。
■PR動画
本市J-クレジットの取り組みに関するPR動画を作成しました。ぜひご覧ください。
■令和8年1月20日(火)、企業とのマッチングイベントに登壇!
この挑戦をさらに広げるため、市は近畿経済産業局が主催する「J-クレジット ネットワーキングDAY」に参加します。 本イベントは、J-クレジットの販売希望者と購入希望者、そして支援機関が一堂に会し、紹介ピッチやマッチング会、交流を通じて新たな連携を生み出す場です。
市は、販売希望者として自らの取り組みをピッチで紹介し、地域の森から生まれるJ-クレジットを広く社会へとつなげていきます。 森を守りながら活かす仕組みを全国に発信し、企業との協働による「地域クレジットの循環」を加速させる大きな一歩となります。
今後も、こうした機会を積極的に活用し、森が未来を育てるまちづくりを進めてまいります。
□クリエイション株式会社
代表者:竹田 兼三(代表取締役)
所在地:大阪府富田林市若松町1丁目20-7
設立:平成27年12月
事業内容:森林の管理及び整備、調査、計画作成、木材生産など

□住友林業株式会社
代表者:光吉 敏郎 (代表取締役社長)
所在地:東京都千代田区大手町一丁目3番2号
設立:昭和23年2月20日
事業内容:資源環境事業、木材建材事業、建築・不動産事業、住宅事業、生活サービス事業など

□NTTドコモビジネス株式会社
代表者:小島 克重 (代表取締役社長)
所在地:東京都千代田区大手町2-3-1 大手町プレイスウエストタワー
設立:平成11年7月1日(営業開始日)
事業内容: ICTサービス・ソリューション事業、国際通信事業、およびそれに関する事業など

□河内長野市役所
市長:西野修平
所在地:大阪府河内長野市原町一丁目1番1号

河内長野市 J-クレジット制度について
https://www.city.kawachinagano.lg.jp/soshiki/17/117925.html
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