【新規事業スタート】 ~蓄電事業(蓄電池発電所(BESS)に関する事業)への挑戦~
当社の親会社である株式会社環境フレンドリーホールディングスより2025年11月10日付「新たな事業(蓄電事業)の開始(合同会社EF-BESS1号への融資実行および同社の連結子会社化)ならびに NH-Amundi 社との協業に向けた覚書締結のお知らせ」(https://www.ef-hd.com/wp-content/uploads/2025/11/20251110_1ef.pdf)にて開示いたしましたとおり、株式会社EFインベストメントは、新たに蓄電池発電所(BESS:Battery Energy Storage System)に係る新規事業として、蓄電事業を開始します。
■蓄電池発電所(BESS)とは?■
日本国内では、太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入が増加する一方で、電力の安定供給を維持するため、余剰電力を一時的に蓄え、需要の高い時間帯に放出するための蓄電池発電所(BESS)の需要が高まっています。政府も脱炭素化および電力の安定供給に向けた施策を推進しており、蓄電池発電所市場は全体として今後の更なる拡大が見込まれています。
日本の電力市場は、卸電力市場、需給調整市場、容量市場の3つに区分されます。蓄電事業は、将来の電力供給の不足に備えて電気を蓄える機能に加えて、時間帯や季節によって生じる需給ギャップを調整する役割を担います。
この3市場のビジネスモデルは以下の通りです。
1. 卸電力市場(JEPX)
蓄電池は、電力価格が安い時間帯に充電し、価格が高い時間帯に放電することで、価格差による収益を得ることができます。蓄電事業者は、卸電力市場(JEPX)に対して売買注文を行い、市場で取引が成立することで電力の売買を行います。電力価格は需給バランスに応じて変動するため、適切なタイミングで充放電を行うことが重要となります。
・深夜や再生可能エネルギー発電量が多い時間帯:電力価格が比較的低く充電に適する
・昼間の需要ピーク時など:電力価格が比較的高く放電に適する
2. 需給調整市場
電力は、発電量と消費量のバランスが常に一致している必要があり、このバランスが崩れると電力品質の低下や停電のリスクが生じます。需給調整市場は、このバランスを維持するために必要な「調整力」を提供する仕組みであり、蓄電池は短時間での出力調整が可能であるため、重要な役割を担います。
蓄電事業者は、需給調整市場に対して入札を行い、調整力の提供が必要とされた場合に、所定の契約に基づき系統運用者(一般送配電事業者)へ調整力を提供します。蓄電池が調整可能な状態で待機することに対して「待機に対する対価」が支払われる場合があり、実際に充放電による調整が行われた場合には、その電力量に応じた対価が支払われる仕組みです。需給調整市場の区分のうち、蓄電池は短時間での出力が求められる領域で活用されており、とくに「一次調整力(オフライン)」など、系統の周波数維持に貢献するサービスが代表例です。
・電力系統の安定化に寄与する
・調整力の提供に対して対価を受け取る仕組み
3. 容量市場
容量市場は、将来の電力需給逼迫に備えて、電力を供給できる「設備容量」を確保しておくための制度です。電力を実際に発電・放電するかどうかに関わらず、一定の供給能力を維持することに対して対価が支払われる仕組みです。
市場では、将来の供給力を確保するために、必要となる4年前を対象年度としてオークション(入札)が実施され、一般送配電事業者が応札・落札を行います。設備容量の確保に関する契約が成立した場合には、設備を維持することに係る対価が支払われ、需給が逼迫した際には、系統運用者からの要請に応じて電力を供給する義務が発生します。
・電力供給能力そのものに価値を見出す制度
・将来年度の設備容量を事前に調達する市場
■事業内容■
当社は、SPCである合同会社EF-BESS1号(以下、「EF-BESS1号」という。)に対して資金を融資し、EF-BESS1号において、長野県上田市古里において稼働予定の系統用蓄電池発電所(出力2MW/容量8MWh)に関する接続権等の一切の権利を譲り受けて蓄電事業を開始します。今回の事業では、当社とEF-BESS1号はアセット・マネジメント契約を締結し、当社にて蓄電池所に係るSPC業務マネジメントおよびプロジェクト管理を実施する予定です。
なお、当社は、EF-BESS1号の出資会社である地球温暖化防止協会と業務執行社員代表理事委託契約を締結しており、当社による実質的に統制下にある投資事業体としてEF-BESS1号のガバナンス管理を実施してまいります。
<プロジェクト概要>
場所:長野県上田市古里 https://x.gd/_efi_bess1
規模:出力 2MW(AC)/ 容量 8MWh(DC)
融資額:4.8億円
試運転開始予定:2026年5月
現在、稼働に向けた準備を進めており、基礎工事および蓄電システムの設置が完了し、現在は電気接続工事を進めている段階です。2026年5月の試運転開始を予定しており、完工後は卸電力市場、需給調整市場、容量市場へ順次参入する計画です。
施工は長野県を拠点とする株式会社野村屋ホールディングス(本社:長野県上田市古里777-3、代表取締役 野村 健太、以下、「野村屋HD」という。)が担当しています。野村屋HDは、1913年創業の老舗企業で、長野県を拠点に太陽光発電所の設計・施工で培った技術力を活かし、地域に根差した高品質な建設体制を有しています。また、野村屋HDの本社と建設予定地との距離は約300mと近接しており、迅速な現場対応ならびに効率的な施工・運営管理が可能な立地です。




■NH-Amundiとの協業■
当社は、蓄電事業が今後も国内で高い需要を維持すると見込んでおり、新たな成長ドライバーとして位置づけています。日本では、再生可能エネルギーの導入拡大や電力需給の変動性の高まりを背景に、蓄電池の役割がますます重要となっています。とくに2012年のFIT制度(固定価格買取制度)の導入時と同様に、国内金融機関が融資に慎重な姿勢を示すなかで、民間資本による新たなファイナンスモデルの確立が求められています。
当社は、これまで再生可能エネルギー発電所の開発・運営を通じて蓄積したノウハウを活かし、運用資産残高約6兆円を有するNH-Amundi Asset Management Co., Ltd.(本社:大韓民国ソウル特別市、CEO Jung-Sup Gill、以下、「NH-Amundi」という。)との協業を通じて民間主導での持続可能なエネルギーインフラモデルの構築を目指してまいります。
<協業の体制>
当社が案件の発掘・開発・運営を担当し、NH-Amundiが投資家(レンダー)として資金面のサポートを検討する体制です。各案件について、NH-Amundiは一定期間の優先交渉権を持ち、投融資の可否を判断します。
<具体的な事業展開>
今回の長野県上田市古里の古里蓄電池所は、当社とNH-Amundiとの協業検討における第1号案件となります。今後も、1案件あたり約5億円規模の蓄電池発電所の開発を継続していく予定であり、将来的に累積投資額が約50億円に到達した段階で、当社とNH-Amundiは専用ファンド(Battery Energy Storage Fund)の設立について共同で検討する可能性があります。
<当社が目指す姿>
当社は、継続的な案件積み上げとスケールメリットの活用により、蓄電池市場における安定的な事業基盤の構築を目指します。補助金や公的制度に依存しない、市場主導型の持続可能な投資モデルを確立し、環境フレンドリーホールディングスグループ全体の企業価値向上に寄与することを目指してまいります。
(参考)株式会社環境フレンドリーホールディングスのIR情報ページ https://www.ef-hd.com/ir/
NH-Amundi Asset Management Co., Ltd. https://www.nh-amundi.com/en
■ お問い合わせ
株式会社環境フレンドリーホールディングス
Webからのお問い合わせ:https://www.ef-hd.com/contact/
TEL :03-6261-0081
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