りん酸アルミセメントを開発

第11回国際セラミックス会議(9/7~9/10 札幌)に出展

多木化学株式会社

 多木化学株式会社(本社:兵庫県加古川市、代表取締役社長 多木勝彦)はこのたび、常温で硬化するりん酸アルミセメントを開発しました。りん酸アルミセメントは、「りん酸アルミニウム」と「アルミニウム塩」の酸性成分を特定比率で混合することによって得られる2成分混合型の常温硬化性バインダーです(図1)。本技術は、『常温硬化』という最大の特長に加え、条件によって任意の硬さや形状に成型できるなどの特長があり、産業界で大きく貢献できるものと考えております。

図1.2成分混合型常温硬化性バインダー

<製品紹介>

・りん酸アルミウム 

 りん酸アルミニウムは、一般的にAl(H2PO4)3の化学式で示される水溶性のアルミニウム塩です。加熱脱水による縮合および高温加熱による結晶の転移等により強い硬化結合性を発現することから、バインダーとして広く利用されています。しかしながら、本化合物は空気中の水分を吸湿し、潮解する性質を有していることから、バインダーとして用いる際には500℃以上の仮焼成が必要であることも知られています。多木化学では、Al2O3濃度やりん酸濃度の異なる製品や粉末品、液体品など、複数製品をラインナップしています。

https://www.takichem.co.jp/products/chem/functional/rinalu.html

・アルミニウム塩

 多木化学のアルミニウム塩としては、Aln(OH)m(Lac.acid) 3n-mの塩基性乳酸アルミ(製品名:タキセラム®)、Aln(OH)mCl3n-mの塩基性塩化アルミニウム(製品名:タキバイン®)があり、こちらについても粉末品、液体品等のバリエーションがあります。

https://www.takichem.co.jp/products/chem/functional/pdf/selam.pdf

https://www.takichem.co.jp/products/chem/functional/pdf/bain.pdf

<技術紹介>

 このたび、上記化合物を特定の比率で混合することにより、任意の硬さや形状に成型できることを見出しました。例えば、りん酸アルミニウム(製品名:100L)と塩基性塩化アルミニウム(製品名:タキバイン®#1500)を常温混合、型枠成型のみで、透明で高強度な成型体を得ることができます(図2)。また、成型物はりん酸アルミニウム由来の吸湿性が発現しないことを確認しています。

図2.りん酸アルミセメントを用いた透明で高強度な成型体

 本技術は、バインダー用途において広く利用できます。一例として、アルミナを基材とするセラミックス成型物を作製する場合、バインダーとしてりん酸アルミニウム(製品名:100P)と塩基性乳酸アルミニウム(製品名:タキセラム® M-160P)からなるりん酸アルミセメントと、アルミナ、水を特定の比率で常温混合、型枠成型することで、セラミックス成型体を得ることができます(図3)。一方、バインダーに100Pのみを用いた場合や、タキセラム® M-160Pのみを用いた場合は、常温で成型体が得られません。また、これら1成分のみをバインダーとして用いて成型体を作製する場合は、水分を除去するために100℃以上の乾燥が必要となる他、100Pを用いた場合は、上述の通り500℃以上の仮焼成が必要となります。

図3.りん酸アルミセメントをバインダーに用いたセラミックス成型体

 常温で硬化させる本技術分野では、バインダーとしてアルミナセメントが多く利用されています。またアルミナセメントは、経時的にCa成分の水和反応が進行し、硬化することも知られています。りん酸アルミセメントをバインダーに用いた場合においても、経時的に強度が増し、その強度はアルミナセメントよりも高強度を発現します(図4左)。また、耐熱セラミックスとしての利用を想定し、100~1400℃で焼成後に強度比較を行ったところ、全温度範囲においてりん酸アルミセメントは高い強度を示すことが確認されています(図4右)。

図4.常温静置後の3点曲げ強度と各温度焼成後の3点曲げ強度

<期待効果>

 りん酸アルミニウムを常温硬化させる本技術は、これまで不可欠であった仮焼成工程の削減により、エネルギー使用量の低減ならびにCO2排出の削減に貢献します。また、硬化時間や硬度を調整できることで、工程の省略化や省設備化などに繋がるものと考えています。さらに、従来品であるアルミナセメントとは異なるpH領域で常温硬化できる当社独自技術により、新たな酸性常温硬化型バインダーとして提案できるものと考えています(表1)。

表1.アルミナセメントとりん酸アルミセメントとの比較

<技術発表>

 本技術は、学術的にも大変興味深い反応系であることから、以下の学会にて発表を行い、多くの反響を頂きました。

 ・日本セラミックス協会 2026年年会

 ・耐火物化学協会 第38回年次学術講演会

 ・日本化学会 北海道支部2026年夏季研究発表会

 さらに多くの方へりん酸アルミセメントの技術紹介を行いたいと考えており、第11回国際セラミックス会議[11th International Congress on Ceramics(ICC’11) ]での企業展示に出展いたします。弊社無機バインダーをはじめ、新開発のシリカアルミナゾルなども合わせて展示、サンプル提供なども受け付けます。無機バインダーメーカーとして、今後も、幅広い分野で活用できる材料開発を進めてまいります。

開催期間:2026年9月7日(月)~9月10日(木)

会場:札幌コンベンションセンター

展示内容:りん酸アルミセメントの技術紹介、各種無機バインダー展示

以上

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会社概要

多木化学株式会社

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URL
https://www.takichem.co.jp/
業種
製造業
本社所在地
兵庫県加古川市別府町緑町2番地
電話番号
079-437-6002
代表者名
多木 勝彦
上場
東証プライム
資本金
21億4732万円
設立
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