GSTC、持続可能な観光に関する新刊行物シリーズ「GSTC Briefs」を創刊
第1号では、旅行者の持続可能な選択を妨げる「信頼のギャップ」を考察
グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会(GSTC)は、2026年1月に始動した「GSTC Futures Lab for Sustainable Tourism」を通じて、新たな季刊の刊行物シリーズ「GSTC Briefs」を創刊しました。
本シリーズでは、各分野の専門家が、持続可能な観光に関する重要なテーマを取り上げ、分析や見解を紹介します。こうした形式を通じて、持続可能な観光の発展とマネジメントに関わる議論を観光関係者にわかりやすく伝え、知識と意思決定、実践とのつながりを強化することを目指しています。

■第1号のテーマは、旅行者の意向と行動を隔てる「信頼のギャップ」
「GSTC Briefs」の第1号として、「The Trust Gap: Why Tourists Want Sustainable Tourism but Cannot Find It(信頼のギャップ:旅行者は持続可能な観光を望みながら、なぜ見つけられないのか)」を公開しました。執筆者は、GSTC Futures Labのシニア・リサーチ・スペシャリストであるテリン・キム博士です。
本レポートでは、各種調査や研究をもとに、旅行者が持続可能な観光を望みながらも、その意向が必ずしも実際の選択につながっていない背景を分析しています。
Booking.comの「Travel & Sustainability Report 2026」によると、世界の旅行者の85%が「より持続可能な旅行は重要、または非常に重要」と回答した一方、サステナビリティ認証を取得した宿泊施設に泊まる予定があると回答した旅行者は36%でした。
持続可能な旅行を選ぶ際の主な障壁としては、「選択肢を見つけるのに時間と手間がかかる」が42%、「価格が高い」が38%、「より持続可能」と表示された選択肢を信頼できない」が37%となっています。
本レポートでは、この隔たりは旅行者の関心不足によるものではなく、価格、情報へのアクセス、サステナビリティに関する表示への信頼など、市場における障壁を反映したものであると考察しています。そのうえで、旅行者が持続可能な選択肢を容易に見つけ、理解し、比較できるようにするためには、信頼性が高く、わかりやすい認証が重要な役割を果たすと指摘しています。
■執筆者コメント
GSTC Futures Lab シニア・リサーチ・スペシャリスト
テリン・キム
『GSTC Briefs』の創刊号を執筆できたことを光栄に思います。本シリーズは、多様な分野の研究者と実務者が集まり、今日の持続可能な観光を形づくる重要な課題について、ともに考える場として企画されました。GSTCを中心に、豊かで継続的な議論へと発展していくことを願っています。

■GSTC Futures Lab for Sustainable Tourismについて
GSTC Futures Lab for Sustainable Tourismは、研究成果を、地域、観光事業者、行政機関、その他の関係者が活用できる実践的かつ展開可能なアプローチへとつなげることを目的に、2026年1月に始動しました。研究出版物や分析、各種リソースを通じて、持続可能な観光の発展とマネジメントに関する知見を発信し、根拠に基づく意思決定や取り組みを支援します。
■グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会(GSTC)について
グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会(Global Sustainable Tourism Council)は、持続可能な旅行・観光に関する国際標準「GSTCスタンダード」を策定・管理する国際非営利団体です。国連環境計画(UNEP)や国連世界観光機関(UNWTO、現UN Tourism)等の支援のもと2007年に設立され、現在では各国政府、観光局、ホテル、旅行会社、認証機関、NGOなど、世界中の多様な組織・団体が、会員として参画しています。
GSTCは観光事業者を直接認証する機関ではなく、サステナブルツーリズム認証を行う第三者機関の認定をはじめ、国際スタンダードの普及や人材育成・研修などを通じて、各国の関係者と連携しながら持続可能な観光の推進を支援しています。
・GSTCホームページ(日本語):

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