中銀カプセルタワービルのカプセルを取り外して再生。美術館への寄贈や泊まれるカプセルに。書籍の出版やクラウドファンディングも。

解体が予定される中銀カプセルタワービル。そのカプセルを取り外し、美術館等への寄贈や、宿泊施設等で「再活用」するプロジェクトを始動します。これは建物をそのままの姿で保存するのではなく、「メタボリズムのコンセプトを引き継ぎ、次に繋げる」という、設計思想の継承としての計画です。カプセルの改修は株式会社黒川紀章建築都市設計事務所(東京都千代田区、代表取締役 永田恭一)の協力により、理想的な姿へと再生します。中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト(東京都中央区、代表 前田達之)が事務局を運営します。建物記録のための書籍の出版や、カプセル改修のためのクラウドファンディングもおこないます。

1972年竣工当時のオリジナルの内装を残したカプセル1972年竣工当時のオリジナルの内装を残したカプセル

<再生カプセルの展開①美術館等への寄贈>
再生したカプセルの一部は希望される美術館や博物館に寄贈します。竣工当時のモデルルームカプセルが、現在黒川紀章氏が設計した埼玉県立近代美術館に展示されています。パリのポンピドゥーセンターをはじめ、国内外の美術館からカプセル譲渡の依頼がありましたが、予備があるわけではなくお断りしてきました。取り外されたカプセルが再生され、国内外の美術館や博物館での展示によりメタボリズムの思想を伝えていく。それが私たち中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトの責務と考えています。

埼玉県立近代美術館に展示されるカプセル(『中銀カプセルタワービル 銀座の白い箱舟』より)埼玉県立近代美術館に展示されるカプセル(『中銀カプセルタワービル 銀座の白い箱舟』より)

<再生カプセルの展開②宿泊カプセルの全国展開>
プロジェクトでは2018年から、1か月間のお試し宿泊ができる「マンスリーカプセル」を運営してきました。約2年半で延べ200人以上の方にご利用いただき、カプセルファンを増やしてきました。この宿泊しなければわからないカプセルの魅力を伝えるために、「泊まれるカプセル」を全国で展開します。現在商業施設や宿泊施設を中心に複数企業と打ち合わせを行っていますが、さらなる協業先も開拓していきます。

「泊まれるカプセル」マンスリーカプセルの住人①「泊まれるカプセル」マンスリーカプセルの住人①

「泊まれるカプセル」マンスリーカプセルの住人②「泊まれるカプセル」マンスリーカプセルの住人②

<書籍『中銀カプセルタワーの記録(仮)』の出版>
現在の建物を記録する書籍『中銀カプセルタワーの記録(仮)』の制作に取り掛かっています。すでにオーナーや住人にご協力いただき、140カプセル中50以上のカプセルの撮影を終了しています。各カプセルの実測調査も必要と考え、複数大学の建築系研究室の協力により、すでに20数カプセルを終えています。2022年2月の発売を目標に草思社から出版予定です。

住居使用カプセル住居使用カプセル

事務所使用カプセル事務所使用カプセル

実測調査風景実測調査風景

 

実測図実測図

<クラウドファンディングを開始>
7月2日(金)からモーションギャラリーのサイトにてクラウドファンディングをスタートします。美術館などの公共施設に寄贈するカプセルの改修費に充当します。リターンには改修後の「カプセル宿泊」利用(当初は首都圏を予定)や来年出版する書籍『中銀カプセルタワービルの記録(仮)』等を用意します。
https://motion-gallery.net/projects/capsulereproduction

2020年にクラウドファンディングで資金を調達して出版した『中銀カプセルスタイル』表紙2020年にクラウドファンディングで資金を調達して出版した『中銀カプセルスタイル』表紙

<保存再生活動の現在までの経過>
1972年に竣工した中銀カプセルタワービルはメタボリズム思想の建物として国内外問わず人気が高く、見学者が絶えません。数十年間にわたり建て替えかカプセルの交換かの議論が繰り返されてきましたが、2021年3月に管理組合で敷地売却が決議され、現在住人の退去と区分所有のカプセル売却が進んでいます。

プロジェクトでは数年前から国内外のファンドやデベロッパーと打ち合わせをおこない、建物を一棟丸ごと購入いただき、カプセルを交換し保存するよう交渉を続けてきました。しかし2020年からのコロナの影響により話し合いはすべて中断してしまいました。約35年間大規模修繕がおこなわれず、安全性の問題が無視できない状況を管理組合やオーナーと話し合いをおこない敷地売却決議に合意しました。

中銀カプセルタワービルがこのまま解体されてしまうと、メタボリズム思想の代表的建物が失われてしまいます。少しでも後世にこの思想を継承できるように、買受企業と協議をおこない、複数カプセル(最大139カプセル)の取得に合意をいただきました。カプセルタワー解体時にはそのカプセルを取り外し、株式会社黒川紀章建築都市設計事務所の協力により再生します。

建物外観建物外観

<中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトについて>
保存再生プロジェクトは2014年に保存派オーナーと住人を中心に結成されました。2015年11月に『中銀カプセルタワービル 銀座の白い箱舟』(青月社)、2020年12月には『中銀カプセルスタイル:20人の物語で見る誰も知らないカプセルタワー』(草思社)を出版しました。カプセルが交換されなかったためにリノベーションがブームになり、和室やアンティークな内装に改修されてきました。カプセルの使用目的も当初想定されたオフィス(ビジネスカプセル)だけではなく、住居や趣味のためのセカンドハウスなど、カプセルの多様性が注目を集め、入居希望者が増加してきました。黒川紀章氏が「個人の空間」として使用されることを想定したカプセルが、「都心の長屋」のようなコミュニティーを形成するようになりました。そんなコミュニティーの再構築に今後も取り組んでいきたいと思います。

公式ウェブサイト:https://www.nakagincapsuletower.com/
Facebook:https://www.facebook.com/NakaginCapsuleTower
instagram:https://www.instagram.com/nakagin_capsule_tower/
Twitter:https://twitter.com/nakagincapsule
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