水を止めるバリアで、水を集める。── 流れてきた水で自立する 可搬式バリア「LENOIR Water Barrier」国内提供を本格化。100mの展開が約4分(EVH認証値)、消火用水の確保にも

欧州洪水防護協会(EVH)の認証を取得したスイス製の迅速展開バリア。広げて置くと、流れてきた水が中に入り、その水圧で自ら立ち上がります。防護高35cmの型式は100mあたり約4分(EVH認証値)で展開でき、100m分を約1.3m³で保管できます。突発的な浸水への初動のほか、消火用水の貯留にも使用されています。
水を止める道具で、水を集める。 ── 「働くを、安全にする。」をミッションに、技術力と専門知識を生かした安全対策の提案・導入支援を行うティー・アイ・トレーディング株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:立花隆志)は、スイスの LENOIR Protection Systems 社が製造する可搬式止水バリア「LENOIRWater Barrier」について、日本の代理店として国内提供を本格化します。
LENOIR Water Barrier は、折り畳んだバリアを地面に広げて置くと、流れてきた水が中に入り、その水圧が壁を押し上げて自立する構造です。給水の段取りや部材の組み立てを必要とせず、欧州洪水防護協会(EVH)の認証値では、防護高35cmの型式(WSG 35/10)で設置時間0.04分/m=延長100mあたり約4分、保管体積は100m分で約1.3m³です。バリアは2人で運搬できます。
同じ構造は、水を「止める」だけでなく「溜める」用途にも使われます。河川や沢に設置して消火用水を確保する ── 欧州では、浸水対策と並んでこうした場面でも使用されています。実機は国内に配備しており、重要施設・工場・自治体向けにデモンストレーションを受け付けています。
【背景】備えは進んでも、「間に合うか」は別の問題
国土交通省『水害レポート2025』によると、時間雨量50mm以上の短時間強雨の年間発生回数(アメダス1,300地点あたり)は、1976〜85年平均の226回から2016〜25年平均の340回へと約1.5倍に増加しています。短時間強雨による内水氾濫は、予兆から浸水までの時間が短く、「資材はあるが、間に合わなかった」という事態が起こりやすい類型です。
土のうは積み上げに人手と時間を要し、固定式の止水板は設置場所が決まっています。一方で、工場・物流拠点・地下設備などでは、警報から数十分のうちに、限られた人数で、必要な場所を囲うことが求められます。同じ課題は水害以外にもあります。水利の乏しい現場で消火用水を確保するときも、「短時間で、水を溜める場所をつくる」ことが要件になります。
【製品】水圧が、壁を立てる

LENOIR Water Barrier は、単一チャンバーの折り畳み式バリアです。手順は2段階です。
1. ロールアウトして広げ、置く(部材の組み立て・アンカー打設なし)
2. 水が入り、自立する ── 流れてきた水がバリアの中に入り、その圧力が内側から押し上げて、そのまま自立する(自己充填。利用者が給水する必要はない。モデルにより最大約1m)
止めようとする水そのものが、壁を立てる力になります。バリアを連結すれば任意の長さに延長でき、道路・河床など多様な地面で使用できます。使用後は排水して折り畳み、繰り返し使用します。底部の接合は縫製ではなく溶着で構成されています。
主な型式と認証値(EVH認証書)
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認証番号 |
型式 |
防護高さ |
設置時間 |
保管・輸送体積 |
漏水量(試験水位) |
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EVH041 |
WSG 15/10 |
15cm |
0.04 min/m |
0.013 m³/m |
6,900 l/min/m(13.5cm) |
|
EVH040 |
WSGC 20/10 |
20cm |
0.04 min/m |
0.04 m³/m |
8,900 l/min/m(18cm) |
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EVH042 |
WSG 35/10 |
35cm |
0.04 min/m |
0.013 m³/m |
3,800 l/min/m(31.5cm) |
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EVH043 |
WSG 50/10 |
50cm |
0.122 min/m |
0.009 m³/m |
2,500 l/min/m(45cm) |
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EVH044 |
WSG 70/10 |
70cm |
0.133 min/m |
0.019 m³/m |
6,100 l/min/m(63cm) |
いずれも Europaverband Hochwasserschutz e.V.(EVH/欧州洪水防護協会)発行、区分K4(civil protection)、発行日2025年12月16日、有効期限2028年12月。 ※末尾の「/10」は常用圧力0.10barを表します。
【用途】止める・溜める
突発的な浸水への初動:工場・物流拠点・地下入口・出入口を、警報から短時間で囲う
消火用水の確保:河川・沢・敷地内に設置して水を貯留し、ポンプで吸水する(水利の乏しい現場・山間部)
水管理:河川・湖沼での堰止め、放水路の形成
BEAVER Dam(当社取り扱いの可搬式止水堤)が「計画的に備える設備」であるのに対し、LENOIR Water Barrier は「短時間で立ち上げる」ことに特化しています。高い流速の場所や無人での放置には向かず、設置後は監視を前提とします。用途と現地条件により適する製品が異なるため、条件を伺ったうえでご提案します。
【提供条件】
本製品は受注生産のため、納期の目安は発注から約2〜3か月です。現地条件(囲いたい範囲・想定水位・地面の状態・給水源)の確認、構成設計、概算のお見積りを承ります。価格は延長・防護高・型式により異なるため個別見積とさせていただきます。販売のみのお取り扱いで、レンタルは行っておりません。実機は国内に配備済みのため、納品を待たずに展開手順と自立の状態をご確認いただけます。
【よくあるご質問】
Q. どのくらいの時間で設置できますか。 A. EVH認証値では、防護高35cmの WSG 35/10 で0.04分/m(延長100mあたり約4分)です。防護高50cm・70cmの型式は0.122〜0.133分/m(100mあたり約12〜13分)となります。いずれも給水の段取りや部材の組み立てを必要としません。
Q. なぜ置くだけで立つのですか。 A. 流れてきた水がバリアの中に入り、その圧力が内側から押し上げる構造だからです。止めようとしている水が、そのまま壁を支える力になります。
Q. 保管場所はどのくらい必要ですか。 A. EVH認証値で0.009〜0.04 m³/m です。たとえば WSG 50/10 なら100m分で約0.9m³で、一般的な物置に収まる体積です。
Q. どんな場所では使えませんか。 A. 流速の高い場所では流される可能性があり、設置後の無人放置は想定していません。津波への防護を意図した製品でもありません。現地条件により適否が変わるため、事前確認をお願いしています。
Q. BEAVER Dam とはどう使い分けますか。 A. 計画的に備える設備として、より高い水位(50〜130cm)を面で守るならBEAVER Dam、突発的な事象に短時間で対応する、あるいは水を溜める用途なら LENOIR Water Barrier が適します。併用も可能です。
【代表取締役 立花隆志 コメント】
「水害の備えというと、どれだけ高く積めるかに目が行きがちですが、現場で本当に効くのは『間に合うかどうか』です。LENOIR Water Barrier は2人で運べて、広げて置けば、来た水の力で自ら立ち上がります。警報を受けてから人を集める余裕がない現場でも、間に合わせられる資材です。さらに、この製品は水を止めるだけでなく溜められる ── 消火用水の確保まで一つの資材でカバーできます。防災の資材を『年に一度使うかどうかのもの』から、現場が日常的に頼れる道具に変えていきたいと考えています。」
【製品情報・お問い合わせ】
製品ページ:https://t-i-trading.co.jp/beaver-protection-systems/ お問い合わせ:ティー・アイ・トレーディング株式会社 浸水対策事業担当
【会社概要】
「働くを安全にする」をミッションに、墜落防止・AI労働安全ソリューション等を提供しております。
商号:ティー・アイ・トレーディング株式会社
所在地:東京都品川区南大井5-26-12 JSCビル4階
代表者:代表取締役 立花隆志
URL:https://t-i-trading.co.jp/
【出典】
短時間強雨の発生回数:国土交通省『水害レポート2025』
製品構造・運搬人数・自己充填:LENOIR Protection Systems 社 製品ブローシャ
認証値(設置時間・保管体積・漏水量):Europaverband Hochwasserschutz e.V. 発行 認証書 EVH040〜EVH044(2025年12月16日発行)
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