ヴァーチャル渋谷に垣間見えた確かな光明 XRライヴはエンターテイメントのワクチンに…
5G時代の新たな希望を胸に「Jupiter A VIRTUAL JOURNEY」第三弾が開催
第3弾となる今回の「Jupiter A VIRTUAL JOURNEY」では、前回のヴァーチャル木星旅行で到達した第2衛星のEuropa(エウロパ)から、第3衛星Ganymede(ガニメデ)へ向かい、最終目的地は、緊急事態宣言下の渋谷となります。
前回に引き続き、オンラインライヴの新たな可能性を示すべく、オーディエンスとのコミュニケーションの在り方を考え、歓声がそのまま演出となる、インタラクティブな仕掛けを取り入れました。
弊社は、これからも音楽を主軸とした「エンターテインメント」とXRライヴを主軸としたAR,VR技術の「テクノロジー」の力で、未来のエキサイトメントを創造して参ります。
当日の模様をイベントレポートとして、まとめしましたので、ぜひご一読ください。
タイトルよろしくJupiter(木星)へと旅する中で、前回はガリレオ・ガリレイが発見したとされる第2衛星Europa(エウロパ)に到着。そして、今回は木星の第3衛星Ganymede(ガニメデ)へ。これまで同様、いまだ誰も見たことのない人類未踏の地をXR空間に作り上げ、その世界をVJがリアルタイムで再構築。リアルと見紛うビジュアルに現実にはあり得ない演出が施されるその世界は、まさにリアルとヴァーチャル、3Dと2Dがハイブリッドした至高の空間。
今を鑑み、未来を望む、まさに「Jupiter A VIRTUAL JOURNEY」を物語る、まるで映画のようなプロローグに始まり、霞がかかるEuropaにまず登場したのは日本ドラムンベース界の至宝DJ AKi。クールな立ち上がりから舞台がGanymedeへと移るとサウンドも希望を携えアップリフティングに。序盤から絶えずハイプトレイン(Twitch上の視聴者による支援機能)が続く異様な盛り上がりを見せる。そんなDJ AKiに続くはUKから巨匠KID DRAMAがリモート参戦。彼が提唱したAutonomicに通じるディープなサウンドジャーニーは木星への旅路により一層深みを与え、新たな刺激を投下する。そして、UKと日本、さらには世界中のオーディエンスが喜びを共有し、コメントを通じて交流していく。それもオンラインの大きな醍醐味だ。
三度目ともなるとDJプレイと映像のシンクロ率も圧巻で、さらにはGanymedeという誰も見たことのない世界を構築する、その想像力も相変わらずの逞しさ。そして、今回もオーディエンスとのコミュニケーションが充実。クラウドファンディングを使ってのモノリスによるイベント出演、オーディエンスのコメントがイベントの一部となる演出も実施されたが、特筆すべきはその見せ方。どちらもバリエーションが格段に増し、例えばコメントが曲線を描いたり、渦を巻いて出てきたり、それでいて全てデサインの一部としてしっかりと昇華され、あくまで「Jupiter A VIRTUAL JOURNEY」の世界観とフィットしたものに。
リアルフェスがそのシチュエーションに合わせて演出を変えていくように、ヴァーチャルもその世界観、ビジュアルに合わせて演出を変えていくのは当然だが、それはヴァーチャルであれば無限大。「Jupiter A VIRTUAL JOURNEY」は、そのメリットを存分に活かした素晴らしいものだった。さらに、コメント=オーディエンスの声(歓声)が集積し、イベントの一部として積み上げられていく。それはオーディエンスがリアルフェス、さらにはその歴史を築いていくのと同じように、オンラインイベントの新たな可能性を示唆していた。
そんな中、今回ラストを飾ったのはヴァーチャルヒューマンアーティストYELLOCK。7月にリリースを予定しているアルバムからの楽曲を中心に展開する中で、舞台は「JupiterⅠ」で激しく瓦解した渋谷スクランブル交差点へと移り、怒涛のフィナーレへ。一度音が止まり、コロナ禍に報じられた東京都知事のコメントがループされ、暗く沈む渋谷がさらに陰々滅々、欝欝とする中、そこに光をもたらしたのはオーディエンスが贈る声とも言えるスタンプ。無数に寄せられるスタンプが渋谷を照らす光となり、DJ AKi & YELLOCKの“ISOLATED HUMANISM”(未発売のVIP.ver)とともに明るい未来へと向かう有終の美となった。
新型コロナウイルスにより世界が未曾有の災禍に見舞われる中、人類はワクチンという新たな武器を手に入れ、ようやく光明が差してきたように、この「Jupiter A VIRTUAL JOURNEY」が感じさせるのはXRがエンターテインメントにおけるワクチンとなる可能性。ただ、それをより完璧なものにするためにはさらなるテクノロジーの進化、想像力とクリエイティビティ、そしてオーディエンスが必要だ。言い換えれば、それは参加者1人1人が並列化する中で個を確立し、リアルさながらに誰もがイベントの一部になること。例えヴァーチャル、擬似体験であっても、そこで生まれる情報や関係は実在する。そして、そこから生まれる新たな希望が、また次の未来へと繋がっていく。そんな無限の可能性を感じさせる「Jupiter A VIRTUAL JOURNEY」。次回は今秋に開催予定。
【開催概要】
Jupiter Ⅲ A VIRTUAL JOURNEY
2021年5⽉22⽇(⼟)21:00 〜 24:00
DJ:DJ AKi、YELLOCK、KID DRAMA
VJ:H2KGRAPHICS
VFX:AYUMU NAGAMATSU
XR.PRODUCTION:MAWARI
主催・企画: 株式会社YELLOW(Jupiter制作委員会)
制作: 株式会社Mawari
運営協⼒: Twitch Japan
特設サイトURL:https://A-VIRTUAL-JOURNEY.com/
●XRチーム・Jupiter
⻘⼭faiにて59回開催されてきた「Jupiter」。その伝承と進化を根底に、ヴァーチャル空間演出と⾳楽ライヴの融合としてチームアップし、昨年9⽉より「Jupiter A VIRTUAL JOURNEY」として配信イベントを始動。
●出演
◆DJ AKi
2001年にNYより帰国し、渋⾕WOMB でアジア最⼤のドラムンベースパーティ「06S」のレジデントDJとして活動を開始。18年間に渡って100組を超える海外のトップDJ/アーティストと共演&⽇本に紹介し、⽇本のシーンの拡⼤に寄与。これまで「FUJI ROCK FESTIVAL」や「Ultra Korea」、「Ultra Japan」、「WOMB ADVENTURE」などの⼤型フェスティバルにも多数出演。国内外、様々なアーティストのリミックスを⼿掛け、2014年からは3年間に渡ってSTY、YUUKi MCとのユニットASYでドラムンベース、ダンスミュージックを軸に楽曲制作を⾏い、シングル“S.T.A.R.S.”はiTunesダンスミュージックチャートで2位にランクインしている。
DJ AKi: https://twitter.com/djaki
◆YELLOCK
最新のテクノロジーを駆使し、ダンスミュージックを中⼼とした⾳楽によるライヴパフォーマンスの可能性を実験的かつ未来的にアップデートしていくヴァーチャルヒューマンアーティスト。2020年1⽉に⾏なわれた初ライヴでは、超⾼性能モーションキャプチャスーツを着た“リアルな⼈間”と、モニター上に⼈間と同じ動きをタイムレスに⾏なう“ヴァーチャルヒューマン”を同時に出現させ、リアルとヴァーチャル、2⼈のYELLOCKが織りなすヴァーチャルヒューマンライヴを世界初披露。その新たな⾳楽表現の可能性は⼤きな⽿⽬を集めた。
YELLOCK: https://twitter.com/yellock_jp
◆KID DRAMA
15歳からスタジオでのプロデュースワークを始め、Metalheadzから「Tlife EP」でデビュー。その後、イギリスの名⾨クラブ・FabricにてAutonomic nightsというレジデントパーティを主宰。Autonomicというジャンルを確⽴し、dBridgeと並び、テクノ、エレクトロ、ドラム&ベース、ダブステップなど、さまざまなジャンルを跨ぐ⼀⼤ムーブメントを起こす。
KID DRAMA: https://twitter.com/kid_drama
◆H2KGRAPHICS
2000年よりグラフィックチームとして結成され、グラフィックデザイン・VJ・映像・WEB など多岐にわたるアートワークを⽣み出しているデザインUNIT。2011年にデザイン事務所”H2KGRAPHICS”を設⽴。 グラフィックデザインをメインとし、様々な企業のアートワーク、ブランディング提案などに携わり、映像・WEBに及ぶユニークな発想や付加価値をもたせるデザインを得意とする。 さらにモーショングラフィックを⽤いたVJでは、東京(渋⾕WOMB・渋⾕SOUND MUSEUM VISION)から、⼤阪、名古屋、札幌、沖縄などの全国主要クラブにて多くの国内外のアーティストと共演し、 ⾳の世界観と融合するシンプルな映像とミックステクニック、プロジェクションマッピングを⽤いた演出などでフロアを魅了し続けている。 2019年11⽉に初の海外(イギリス・ロンドン EGG LONDON)でのVJプレイを経験。
H2KGRAPHICS: https://twitter.com/H2Kgraphics
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