iPhone 15の円安による値上げまで秒読みか。過去の事例に基づく調査で明らかに
アップル製品の価格比較を公開しているNukeniは、円安によるiPhone 15値上げの可能性を調査しました。
本プレスリリースについて
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調査概要
・調査機関:自社調べ
・調査対象モデル:iPhone 15、ならびにiPhone 13のエントリーモデル (128GB版SIMフリー)。
・調査方法:オンラインの各国アップルストアで取得した価格を基に調査。
・調査日:2024年6月25日
iPhone 13は円安が26円進んだ時点で値上げ実施
iPhone価格が為替の変動によって値上げされた例として、発売から約10ヶ月後に値上げが行われたiPhone 13の例を取り上げます。
2021年9月15日のiPhone 13発表日時点の為替レートは1ドル110円でしたが、値上げが行われた翌年の7月1日時点では1ドル136円でした。つまり、26円安になった時点で値上げが行われました。
最新機種であるiPhone 15発表時の為替レート1ドル147円に対し、調査日である6月25日時点の最安値は1ドル160円を記録、発表時から13円ほど円安に進んでいます。
ここまでの内容を見ると、さらに13円ほど円安が進まなければ値上げは実施されないとも考えられますが、他にも考慮すべき点があります。それは、発売時の端末価格にどの時点の為替レートが適用されていたのか、という点です。
現在の為替レートで値上げがあり得る理由
iPhone 13の日本税別価格8万9,818円を、米国税別価格829ドル¹で割ると108円となります。これは、iPhone 13発表当時のレート1ドル109円とほぼ一致するため、日本のiPhone 13価格は、米国価格に当時の為替レートをそのまま適用した価格と言えます。
一方、iPhone 15の日本税別価格11万3,455円を、米国税別価格829ドル¹で割ると137円となります。iPhone 15発表当時1ドル147円だったため、日本のiPhone 15価格は、日本の購入者の代わりにAppleが円安分10円を負担する形で発売されました。
調査日時点の日本円の最安値160円から、この実質レートの137円を引くと、iPhone 15の現在のApple負担額は23円となり、iPhone 13値上げ時のAppleの負担額26円に3円差まで迫っている状況が確認できます。
ちなみに、iPhone 15で優遇レートが適用された理由としては、日本は、国民一人あたりがApp Storeで費やす金額が世界で一番多い国として知られており、Appleが日本を重要な市場の1つと考えているためとみられます。
iPhone 15シリーズの売れ行きが好調なら値上げか
iPhoneの各国販売価格を決める大きな要因として為替がありますが、販売価格を決める他の要因として、iPhoneの販売状況が考慮されるケースがあることが、Apple CEO ティム・クック氏の過去の発言からわかっています。
これは、例えドル高が進んで各国のAppleの収益を圧迫したとしても、販売を促進したい地域においてはAppleが為替コストをいくらか負担し、販売台数を維持してきたということです。
1ドル160円超えを記録し始めている現在、Appleが購入者の代わりに負担しているコストはiPhone 13値上げ時に近い水準に達しており、いつ値上げがあっても不思議ではない状況です。
日本におけるiPhone 15シリーズの値上げは、日本国内のiPhone 15シリーズの販売状況が最後の鍵を握っていると推測されますが、販売状況は比較的好調とされていることから、値上げを阻む理由とはなりづらいでしょう。
補足説明
1. アメリカのiPhone価格を799ドルとする情報がインターネット上で散見されますが、この価格はSIMロック付きiPhoneの価格であるため、本調査では公平な比較を行うためにSIMフリー版の価格である829ドルを米国価格として使用しています。
Nukeniについて
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