組立工程の情報伝達を3D資料で効率化する 『Scene』 シードラウンドで1.1億円の資金調達を実施
〜 3D CAD データの二次活用により組立工程の情報伝達を10倍効率化する Scene 株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:ビジャヤン スワティナト)の累計調達額が約1.7億円に。新機能開発を加速させるためにエンジニアチームを拡大 ~
https://www.scene.space/
■製造業の課題
短納期化や多品種化が進む製造業では、品質の維持、コスト削減、短納期化の必要性が非常に高まっています。これらQCDの向上には生産工程の効率的な伝達が不可欠です。
例えば、多品種少量品は組立指示書が作成されず、断面図や分解図だけを製造現場に渡し、ベテラン作業者の勘と経験に基づいて組み立てられるのが多くの現状です。これは、作業者による品質のバラツキや、作業の手戻り、ノウハウのブラックボックス化に繋がっています。
また、多くの場合、作業標準は試作品や初ロットの組立作業を撮影した写真をエクセルに貼り付けて作成しており、こうした資料作成が生産技術部門の30-50%の作業時間を占めていることもあります。
<Sceneを使う前の資料>
こうした生産情報の伝達の問題は、3D CADデータを活用することで大きな改善が可能です。
3D CADデータは簡単に取り扱えるツールが存在せず、設計以外の用途には活用が困難でしたが、Sceneは以下のように3Dデータの活用を可能にしています。
■Sceneの取り組み
Sceneは3D CADデータをそのまま読み込み、立体的な手順書を作成できるツールです。直感的に操作できるため、3Dツールに慣れていない生産・製造部門でも簡単に使えます。
特徴:
- 3D CADデータの上にテキスト、画像、アニメーションなどを簡単に追加できます。
- ブラウザベースのため、アプリのインストール不要でどんな端末でも資料を閲覧でき、共有ドライブは手順書やマニュアルの一元管理も実現します。
- 指示書作成の作成を前倒しできるうえ、従来より約半分の時間で、圧倒的に分かりやすい資料が作成ができます。
- ベテラン作業者のノウハウを標準化・可視化することができ、新人や海外人材でも組立作業に従事することが可能になります。
- 短納期化、教育の効率化、品質のばらつき改善、手戻り削減の効果が得られます。
<Sceneを使った資料(3Dの設計データを活用した情報伝達をどんな部門でも可能にする)>
https://www.scene.space/document/MfrEX84tuY0HWduElZMkvA
<製造ラインで3D組立手順書を見ながら組立する様子(ヤマト科学様)>
■今後の展開
手順書作成にとどまらず、設計情報・製造情報を紐づけ、各部門が共通のデジタル情報にアクセスでき、横断的なやり取りが可能なコミュニケーションプラットフォームを構築していきます。
設計部門から3Dデータが展開され、組立をする前に製造門から組立性の問題を設計部門にフィードバックするなど、フロントローディング・コンカレントエンジニアリングを実現できるようになります。
<3Dデータを中心に部門横断でコミュニケーションを行っていくイメージ>
https://www.scene.space/
Scene株式会社は、一緒に働くメンバーを募集中です!
- フロントエンドエンジニア
- CTO候補
- テックリード候補
- プロダクトデザイナー
■投資家一覧 ※順不同、敬称略
今回ラウンドの投資家:
株式会社サイバーエージェント・キャピタル
グリーベンチャーズ株式会社
京都芸術大学 Art & Biz ファンド
株式会社グロービス(G-STARTUPファンド)
ミナミインキュベート株式会社
90s株式会社
大冨智弘氏
ナリン・アドバニ氏 (Nalin Advani)
既存投資家:
グリーベンチャーズ株式会社
East Ventures
株式会社アプリコット・ベンチャーズ
アヌラグ・アグラワル氏 (Anuraag Agrawal)
■代表ビジャヤンのコメント
私のようなインド人にとって日本といえば「ものづくり大国」です。しかし日本を象徴するものづくり業界のITシステムはレガシー化している傾向にあります。他の業界では、Webベースでコラボレーションする働き方が当たり前になっている一方で、製造業は21世紀のデジタルテクノロジーの可能性を活用しきれていません。弊社はまず、ウェブと3Dの最新技術を活用して、ものづくりの現場のコミュニケーションとコラボレーションを刷新していきます。私は、人類の進歩はより複雑でより便利なものをより多く作ることで成り立っていると考えています。ものづくりに関わる人が、デジタルテクノロジーを最大限に活用できるような世界を作り、人類の進歩に貢献することを、Sceneを通じて実現致します。
■投資家のコメント
株式会社サイバーエージェント・キャピタル
シニア・ヴァイス・プレジデント 北尾 崇 氏
ソフトウェア産業には開発のコラボツールは多く存在し開発環境のイノベーションが日々起こっている一方、数十兆の規模をほこる機械産業、製造業で見れば400兆円ほどまである産業では、全てのプロセスが手作業であり、コミュニケーションは不便なツール、管理業務も煩雑なままと。世界における日本のものつくりのポジションを考えると、ソフトウェア開発以上に、可能性を秘めていると、期待感と使命感を持つScene経営陣に大きく共感しました。初めてお会いして2年ほど経ちますが、幾度の議論であるべき姿が見えてたこともあり支援をさせて頂くことになりました。これからしっかりご支援していきたいと思います。
グリーベンチャーズ株式会社
代表取締役社長 相川 真太郎 氏
ハードウェア産業はソフトウェア産業に比較してデジタル化が進めづらい部分がありますが、ネックの一つは対象となるモノの情報をPC・スマホで簡単に扱えないことがあります。
Sceneは3D CADデータを簡単に扱えるようにすることでハードウェア産業のネックを解消します。PC・スマホでモノの情報を3Dとして表現し、3Dデータを見ながら設計・生産・保守・クライアントといった立場を超えて時間的・地理的な制約のないコミュニケーションを実現することでビジネスのスピードと品質が大幅に向上するものと考えています。
Sceneはハードウェア産業におけるFigmaやCanvaとなりうるツールであり、グリーベンチャーズはSceneの成長を全力で支援いたします。
■Scene株式会社について
「新しいものを創造する人が、デジタル技術を最大限に活用できる世界を作る」というミッションに取り組んでいます。少量多品種化・短納期化が一層求められる製造業では、エンジニアリングチェーンでの情報伝達を高度化することが不可欠です。
Sceneは製造情報の伝達を最新のデジタル技術を駆使して変革し、コンカレントエンジニアリング・フロントローディングを実現します。
2019年に創業し、製造業向けの3D CAD中心の資料作成ツール「Scene」の開発・運営をしています。
会社名:Scene株式会社
代表者:ビジャヤン スワティナト
設立:2019 年 12 月
住所:東京都渋谷区
ホームページ:https://www.scene.space/
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