ケリング「ウーマン・イン・モーション」がKYOTOGRAPHIE京都国際写真祭にて日本を代表する写真家 石内 都と若手作家 頭山ゆう紀の展覧会を支援
左から: Ishiuchi Miyako, Mother’s #39 © Ishiuchi Miyako Courtesy of The Third Gallery Aya,
Yuhki Touyama, From the series of Line13 © Yuhki Touyama
芸術や文化の分野で活躍する女性の才能に光を当てることを目的とするケリングの「ウーマン・イン・モーション」は、KYOTOGRAPHIEにて開催される本展への支援を通じて、日本の芸術分野における女性写真家の認知度を向上させる取り組みを続けます。また、あらゆる芸術分野において男女不平等が深く根ざしていることから、写真界のみならず、文化・芸術全般における女性アーティストの貢献と認知について、議論を促します。芸術はその多様性という点で本質的な豊かさを携え、変化を生み出すための力をもっています。
第11回KYOTOGRAPHIEにて開催される本展は、日本を代表する写真家 石内 都が次世代の作家 頭山ゆう紀を選定し、対話的な2人展で世代を超えた作家同士のまなざしが交差します。石内 都は母を一人の女性としてとらえ、母の遺影を撮影した〈Mother’s〉シリーズの作品を、頭山ゆう紀は友人の死をきっかけに撮影を始めたシリーズ〈境界線13〉と、祖母を介護し看取るまでの日々を写した最新作を、展示します。
「私と一緒に展示する次世代の女性写真家を選んで欲しいと依頼されたとき、迷わず頭山ゆう紀を選びました。2人展というのは初めてですが、展覧会はその度に発見があり、同じ作品でも空間が違ったり、自分の気持ちが変わっていると見え方が変わるため、今回は非常に良いきっかけになると思っています。写真はまだ比較的新しい表現方法の一つで、写真の歴史を作っている真っ只中にいると考えていますし、若い方も一緒で、写真の歴史を作っている人だと思います。彼女の新作を見て、〈Mother’s〉と通底する喪失感と悲しみからの視線は決して同じではありませんが、まなざしのその先にあるイメージはどこか共有できる思いがあります。私と頭山ゆう紀の視線の交差する現場から見えてくるものは何なのか楽しみにしています」 石内 都
「石内さんに選んでいただき大変光栄です。人の目に留まる所で作品を発表しなくてはならないと前から言って頂いていましたし、祖母と母が亡くなり、もう制作に集中するしかないと動き始めていたので、とても良いタイミングだと思っています。石内さんの写真は、死に対して共通するものを感じています。 〈Mother’s〉シリーズは何度も見ていますが、自分の祖母と母が亡くなった後に、私の作品と一緒に同じ空間で観るということは、また新たな発見になるのではと思います」 頭山ゆう紀
2015年、ケリングは映画界の女性に光を当てることを目的に、カンヌ国際映画祭にて「ウーマン・イン・モーション」を立ち上げました。芸術分野における平等のための闘いは映画界に限らず、「ウーマン・イン・モーション」は写真を始めとする他の芸術分野にもその取り組みを広げました。
2019年3月、ケリングはアルル国際写真祭とのパートナーシップを発表し、同写真祭での「ウーマン・イン・モー
ション」プログラムをスタートしました。このパートナーシップは、女性写真家の認知度向上に貢献し、同分野における男女平等を達成することを目的としています。ケリングは、2016年から支援しているマダム・フィガロ・アルル・フォトグラフィー・アワードを通じて才能ある若い女性を支援し続ける一方で、アルル国際写真祭にて「ウーマン・イン・モーション」ラボと「ウーマン・イン・モーション」フォトグラフィー・アワードを立ち上げました。同賞は象徴的な女性写真家のキャリアを称えるもので、受賞作家の作品を写真祭のコレクションとして購入するための賞金2万5000ユーロが含まれています。2019年はスーザン・マイゼラス、2020年はサビーヌ・ヴァイス、2021年はリズ・ジョンソン・アルトゥール、2022年はバベット・マンゴルトが受賞しています。そして2023年7月、アルル古代劇場で開かれる初のソワレにて、ホザンジェラ・ヘノーが受賞する予定です。
日本では、2021年のKYOTOGRAPHIEにて、ヨーロッパ写真美術館(MEP)がキュレーションを担当した「MEP Studio(ヨーロッパ写真美術館)による5人の女性アーティスト展-フランスにおける写真と映像の新たな見地」、2022年には10名の日本人女性写真家の展覧会「10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭」を支援しました。
アーティストについて
石内 都
群馬県桐生市生まれ。神奈川県横須賀市で育つ。1979年に〈Apartment〉で第4回木村伊兵衛写真賞を受賞。2005年、母親の遺品を撮影した〈Mother’s〉で第51回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表作家に選出される。2007年より現在まで続けられる被爆者の遺品を撮影した〈ひろしま〉も国際的に評価されている。2013年紫綬褒章受章。2014年には「写真界のノーベル賞」と呼ばれるハッセルブラッド国際写真賞を受賞。近年の主な展覧会・出版物に、個展「Postwar Shadows」(J・ポール・ゲッティ美術館 ロサンゼルス 2015)、写真集『フリーダ 愛と痛み』(岩波書店 2016)、個展「肌理と写真」(横浜美術館 2017)、個展「石内 都」(Each Modern 台湾 2022)、個展「Ishiuchi Miyako」(Stills エディンバラ 2022)、「六本木クロッシング」(森美術館 東京 2022)などがある。作品は、東京国立近代美術館、東京都写真美術館、横浜美術館、ニューヨーク近代美術館、J・ポール・ゲティ美術館、テート・モダンなどに収蔵されている。
頭山ゆう紀
1983年千葉県生まれ。東京ビジュアルアーツ写真学科卒業。生と死、時間や気配など目に見えないものを写真に捉える。自室の暗室でプリント作業をし、時間をかけて写真と向き合うことで時間の束や空気の粒子を立体的に表現する。主な出版物に『境界線13』(赤々舎 2008)、『さすらい』(abp 2008)、『THE HINOKI Yuhki Touyama 2016−2017』(THE HINOKI 2017)、『超国家主義−煩悶する青年とナショナリズム』(中島岳志 著、頭山ゆう紀 写真/筑摩書房 2018)がある。
KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2023
「A dialogue between Ishiuchi Miyako and Yuhki Touyama | 透視する窓辺」展
With the support of Kering’s Women In Motion
会期:2023年4月15日(土)~5月14日(日)
会場:誉田屋源兵衛 竹院の間 https://kondayagenbei.jp/
展覧会について: https://www.kyotographie.jp/
KYOTOGRAPHIEパブリックプログラム
アーティストトーク 対談「石内都と頭山ゆう紀の視点」
ゲスト:石内都、頭山ゆう紀、モデレーター:姫野希美(赤々舎代表)
日時:2023年4月15日(土)14時30分~16時00分
会場:誉田屋源兵衛 奥座敷
※KYOTOGRAPHIE公式サイトより要事前予約
ウーマン・イン・モーションについて
ケリングは、女性に対するコミットメントや取り組みを、グループの優先事項の中心の一つに据えています。
クリエイティビティこそが変革を生み出す最も強い力の一つであるものの、依然として男女間の不平等が顕著である芸術や文化の世界に「ウーマン・イン・モーション」プログラムは取り組んでいます。
2015年、ケリングはカンヌ国際映画祭において、映画界の表舞台そしてその裏側で活躍する女性たちに光を当てることを目的とし、「ウーマン・イン・モーション」を発足しました。以来、このプログラムは写真、アート、音楽、ダンス、文学の分野にも活動を拡げています。「ウーマン・イン・モーション」アワードでは賞を通じて、各分野で活躍する、インスピレーションを与えた人物や才能ある若手女性たちを表彰しています。また、トークイベントでは、著名人がそれぞれの職業における女性の立場について意見を交換する機会を提供しています。
過去9年間、「ウーマン・イン・モーション」は芸術分野における女性の地位と評価について、考え方を変え、考察するためのプラットフォームとして選ばれてきました。
KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭について
世界屈指の文化芸術都市・京都を舞台に開催される、日本でも数少ない国際的な写真祭「KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭」。国内外の重要作家の写真作品や貴重な写真コレクションを、趣きのある歴史的建造物やモダンな近現代建築の空間に設えて展示する本写真祭も、回を重ねるごとに好評を博し第10回までに延べ約135万人の来場者を記録しました。第11回目となる本年は、4月15日(土)~5月14日(日)に開催予定で、「BORDER=境界線」をテーマに15を超える展覧会が開催される他、今年は新たに「KYOTOPHONIE」ボーダーレス ミュージック フェスティバルが同時期の開催を予定しています。
ケリングについて
ケリングは、ファッション、レザーグッズ、ジュエリー製品を扱うメゾンおよびケリング アイウエアを擁する
グローバル・ラグジュアリー・グループです。傘下のブランドは、グッチ、サンローラン、ボッテガ・ヴェネタ、
バレンシアガ、アレキサンダー・マックイーン、ブリオーニ、ブシュロン、ポメラート、ドド、キーリン。戦略の中心にクリエイティビティ(創造性)を掲げるケリングは、サステナブルで責任のある方法により未来の
ラグジュアリーを築きながら、各ブランドがそれぞれの創造性を自由に表現することを可能にしています。
このような信念が「イマジネーションをその先へ」(“Empowering Imagination”)というケリングのシグネチャーに込められています。
#KERING #WomenInMotion #KYOTOGRAPHIE2023
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