被災地・宮城県女川の、子どもたちの放課後施設が10年の歴史に区切り。3/18に在校生・卒業生とスタッフが旧校舎に感謝を伝える感謝式を開催

震災10年に際し実施した卒業生アンケートには「第二の家」「勉強だけじゃない楽しみがある場所」

認定特定非営利活動法人カタリバ(本部:東京都杉並区、代表理事:今村久美、以下 カタリバ)は、東日本大震災で被災した子どもの学習支援を行う、宮城県女川町の子どもたちの放課後施設「女川向学館」の移転に伴い、在校生・卒業生とスタッフが校舎(旧女川第一小学校)に感謝を伝える感謝会を開催することになり、今回その様子を報道関係者に特別公開することになりましたのでお知らせします。


■仮設住宅の道路に寝そべって宿題に取り組む子どもたちに、学びの場所と機会を届けたい

東日本大震災による地震と津波が襲った、宮城県女川町。住居倒壊率は、被災地で最も高い82.6%にのぼり、行方不明者・死者も町民の約1割を数えます。現地調査のため初めて女川町に向かった私たちが目にしたのは、仮設住宅の前の道路に寝そべりながら宿題に取り組む小学生の姿でした。発災直後は、大人たちも泥のかき出しや瓦礫の撤去など目の前のことに必死で、子どもたちの相手、ましてや教育のことに考えをめぐらせる余裕などないというのが実情です。居場所を失われた子どもたちのための「安全・安心の場」をつくりたい。「震災があったから夢を諦めた」ということが絶対に起こらないように。そのような想いから、2011年7月に立ち上がったのが、子どもたちのための放課後施設「コラボ・スクール 女川向学館」です。


■震災当時小学生だった彼女が、今度は地域の子どもたちのサポートを担う側に

10年間という月日が流れ、震災当時小学生だった子は成人を迎えました。その中で、中高6年間を、女川向学館で過ごした子が、今度は子どもたちのサポートをする側に回るという出来事もありました。
「向学館は中学生の頃からずっと自分にとって大切な居場所だった」と言う彼女は、女川生まれ女川育ち。震災当時は、小学6年生でした。

ー女川向学館ではどのような時間を過ごしましたか?

同級生で向学館に通っている友達が多く、もちろん勉強が出来るということも有り難かったですが、それ以上に自分の話を聞いてくれる大人が常にいてくれたことが今思えばすごく有り難かったです。


今の中学生や高校生を見ていると、当時の自分を見ているようで気持ちが分かることが多いです。素直になれない年頃だなと。最近まで高校生だった私がいうのもあれですが、そんなふうに感じます。中高生の気持ちが分かるからこそ、なんでも受け止めよう、そんな気持ちで日々子どもたちと接しています。

ー下の世代の子どもたちに今思うことは?

もっとこの町や、町の大人と関わっていってほしいなと思っています。あの震災があって、女川は町が流されて、もちろん私の家も商店街も。あれから月日が経ち、今は想像していた以上の新しい町が出来ました。新しい町は勝手に出来ていった訳ではなくて、たくさんの人たちの頑張りがあって出来たんだっていうことをもっと知ってほしいんです。私も高校生の時に町の大人と話す機会があって、この町がどうやって復興への道のりを歩んでいるのか、どんな想いを持って大人たちが頑張って来たのかを知ることが出来ました。その時単純にこの町の大人を「かっこいいな」って思ったんです。だから今の中学生たちにも知ってほしい。今ここにある当たり前は決して当たり前なんかじゃない。たくさんの大人達の想いと努力で出来たんだってことを。
 

女川向学館の校舎である旧女川第一小学校の時計は、あの日のまま止まっています

 

しかし、当時サポートを受ける側だった子が、今度は子どもたちを支え、地域の未来について考え、語る姿を見ていると、10年間という時間の経過と、女川町の復興というフェーズも、ひとつ次のステージに進んでいるということも感じさせられます。



■子どもたちにとって「第二の家」「心の拠り所」「かっこいい大人がいる場所」

震災10年の節目に、カタリバがコラボ・スクールの卒業生294名に対して行ったアンケートでは、全体の95%以上が「コラボ・スクールがあってよかった」と回答しています。

また、「コラボ・スクールがあってよかった」理由をたずねると、

ーーー

▶受験の年になる直前に震災が起きて、通っていた塾が無くなってしまい不安だったので勉強教えて頂ける場所があって良かった
中学生だったころだけでなく、それ以降の人生でも頼ることのできる先生方(みんなで兄弟のような感覚で)に出会えたご縁を与えてもらえた
当時友達と集まる場所や機会が限られていた中で、コラボスクールに通う事で一緒に過ごす時間が増え、思い出の一つにもなっている
色々なバックグラウンドをもつナナメの関係にある先輩たちに出会えたことで日常では出会えなかった自分の未来の可能性を発見することができた
ーーー
といった声が挙がりました。

さらに、「コラボ・スクールはあなたにとってどんな場所でしたか?」という質問に対しては、
▶もうひとつの家
▶心の拠り所
▶頼りになる大人がいる場所
▶かっこいい大人がいる場所
▶自信を与えてくれる場所

などの声があり、家でもなく、学校でもなく、友だちだけとの居場所とも違う、放課後学校ならではの役割を再確認する結果となりました。


■3/18 旧校舎に感謝を伝えるお別れ会を開催。これまでの10年を振り返る映像も

開所から10年という年月が流れ、子どもたちと20,000時間以上の時を過ごしてきた女川向学館は、震災10年という節目の年に、校舎を移転、旧校舎を解体することになりました。それに伴い、卒業生たちが旧校舎に感謝を伝えるお別れ会を開催します。

感謝式では、女川向学館の卒業生、在校生、これまで女川向学館を支え続けてくださった関係者など30名が参加し、10年間の活動を振り返るとともに、被災地・女川、そして子どもたちの教育の未来についても想いを馳せる時間になればと考えています。

【女川向学館移転に伴う旧第一小学校校舎への感謝式】
●日時:2021年3月18日(木)13:15~14:15

●場所:女川向学館(旧女川第一小学校校舎1階)
●参加者:(敬称略)
女川町長 須田善明
女川町教育長 村上善司
町内関係者の皆様5名程度、女川向学館中学3年生10名程度
寄付者の皆様、女川向学館卒業生代表1名、
今村久美(カタリバ代表理事)、鶴賀康久(カタリバ事務局長)
カタリバスタッフ10名程度
計30名程度
●タイムスケジュール

(1)13:15~ 開会の辞
(2)13:20~ 代表挨拶 カタリバ代表理事 今村 久美
(3)13:25~ 町長のご挨拶 女川町長 須田善明 様
(4)13:30~ 10年の歩みムービー
(5)13:35~   スタッフ代表挨拶 カタリバ事務局長 鶴賀康久
(6)13:40~ 生徒・卒業生による言葉
(7)13:45~ 教育長のご挨拶 女川町教育長 村上善司 様
(8)13:50~ 閉式の辞
(9)13:55~ 記念撮影
※内容は変更になる場合がございます。
●ご取材いただけるシーンの例

・参加者が、これまで10年の歩みの映像を見ながら語らう様子
・女川向学館 卒業生から旧校舎への感謝を伝えている様子
・女川向学館 卒業生、在校生へのインタビュー
・町長、教育長へのインタビュー
・カタリバ 代表今村、事務局長 鶴賀、カタリバ職員へのインタビュー
・女川向学館 校舎内、校庭等施設
 

■認定非営利活動法人カタリバとは

どんな環境に生まれ育った10代も、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し、2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。

■団体概要
設立   :2001年11月1日
代表   :代表理事 今村久美
本部所在地:東京都杉並区高円寺南3-66-3 高円寺コモンズ2F
事業内容 :高校生へのキャリア学習・プロジェクト学習プログラム提供(全国)/被災地の放課後
学校の運営(宮城県女川町・岩手県大槌町・福島県広野町・熊本県益城町)/災害緊急
支援(西日本豪雨、令和元年東日本台風、熊本豪雨)/地域に密着した教育支援
(東京都文京区・島根県雲南市・島根県益田市)/困窮世帯の子どもに対する支援(東京都足立区)
URL   : https://www.katariba.or.jp/

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