SGDs推進国チリで進む、官民の連携による新たな取り組み　チリ農業省主導のサステナビリティ・プログラム『コンシャス・オリジン・チリ』

チリは2020年の環境パフォーマンス指数(EPI)がラテンアメリカ・カリブ諸国で１位、世界で44位にランクインしたSDGs推進国です。過去数十年にわたり、安全で健康的な食品のサプライヤーとして、エネルギーやワイン産業をはじめ、様々な分野でサステナビリティに取り組んできました。

2021年10月31日から開催されたCOP26（気候変動枠組条約締約国会議）で地球温暖化対策に世界全体で取り組んでいくための国際的な議論が行われ、今後ますます各国が温室効果ガス排出削減に努力していく必要性が再確認されました。地球温暖化の問題は、SDGsの目標の一つでもある生産と消費の問題とも深く関わっています。

では、チリで推し進めているSDGsの取り組みのひとつをご紹介します。
 

2020年、農業省主導のもと官民双方より、チリ食肉輸出協会（ChileCarne）や酪農コンソーシアム（Consorcio Lechero）をはじめとした様々な機関や団体が参画するサステナビリティ・プログラム『コンシャス・オリジン・チリ』（www.chileorigenconsciente.cl）を創設。このプログラムは次の4つの基本方針に基づき、農畜産・食品産業のサステナビリティを促進する取り組みです。

１）生産分野ごとにサステナビリティ基準を設定
２）サステナビリティ実施の評価
３）官民の緊密な連携
４）結果の公表

このプログラムは、生産についての基準を定め、生産チェーンのあらゆる段階での環境負荷の軽減、食品生産企業の倫理的行動、労働者や地域社会への責任などの項目について、達成度を測ることができるものです。これにより、生産者は各項目についてポイント制の自己評価および管理を行い、定められた基準の100％を履行すれば認証を受けることができます。各産業の生産者協会は加盟企業（生産者）のキャパシティ・ビルディングのニーズを特定し、取り組みを促進することができます。国は各産業の総合管理指標や、企業のSDGsへの取り組みに関する情報を可視化することができます。

昨今の食品業界で重要視されているのは、原産地に加え食品がどのように生産されているかという点です。SGDsという言葉が浸透する中、消費者にとっても「誰がどのように作った、何を買うのか」が重要になっており、このプログラムによって消費者は持続可能な生産方法であることを確認し、責任ある選択（エシカル消費）を行うことが可能になります。

このプログラムの優れた成果は、各企業がオフィスにいても現場にいても、コンピューターもしくはスマートフォンを通して自らの基準にアクセスし、自己評価することのできるオンライン・プラットフォームの開発がなされたことです。このプラットフォームにより、チリの各生産者が最初から、サステナビリティの観点から自分の立ち位置を知り、どこに向けて進んでいくべきかについて指針を得られる点です。
農業大臣のマリア・エミリア・ウンドゥラガは「このプログラムは食品の持続可能な生産を保証するため、官民の強い連携に基づいており、消費者の要求に沿ってサステナビリティへの道のりを構築することを可能にするものです。これにより農産輸出食品の強みとしてアピールすることができるようになります」と、述べています。

 今後ますます、あらゆる業界で企業や国のSGDsへの取り組み方が重視されていきます。ProChileでは今後も安全で健康なチリのサステナブル食品のお届けに貢献してまいります。