【新商品】高圧水部品洗浄機向けの省エネパッケージ「JCC-ECO」を発売
ー洗浄機の制御方法を新開発、消費電力を30%削減! CO2削減やSDGsに向けた取り組みに貢献ー
産業機械メーカーの株式会社スギノマシン(富山県魚津市、代表取締役社長:杉野良暁)は、水を高圧で噴射し、自動車などの金属部品の洗浄を行う高圧水部品洗浄機「JCCシリーズ」のオプションとして、省エネパッケージ「JCC-ECO」を発売します。当社製洗浄機の消費電力を大幅に削減することができ、お客様の生産コスト低減をはじめ、近年、世界各国で強く求められている環境規制への対応、ならびにSDGsの達成に向けた取り組みに貢献します。
本商品は、11月16日~27日に開催された(アーカイブ期間:12月11日17時まで)「JIMTOF2020 Online」(※1)に出品しています。
本商品は、11月16日~27日に開催された(アーカイブ期間:12月11日17時まで)「JIMTOF2020 Online」(※1)に出品しています。
1.装置概要
本商品は、2021年4月以降発売の当社製洗浄機より標準装備として搭載予定です。また、既にお客様へ納入済みの当社製洗浄機には、2020年11月より、改造対応による導入を承っています。
2.開発背景
近年、世界各国で二酸化炭素排出量の削減といった環境規制が厳しくなっています。特に自動車業界に求められる規制は厳しく、完成車メーカーだけでなく部品メーカーにおいても厳しい削減目標が定められ、各メーカーはCO2排出量削減に向けて、あらゆる手段を使って取り組んでいます。
また、当社の高圧水部品洗浄機「JCC」シリーズは、世界各国の自動車メーカー、部品メーカーにご採用いただいております。JCCには高圧水を発生させるためのポンプが搭載されていますが、高圧水を発生させるには非常に大きな電力が必要で、ポンプの稼働に必要な電力は、装置全体の電力消費の約7割を占めています。
これらの背景を受けて、当社は洗浄機のポンプの消費電力を削減することで、省エネへの対応に取り組むお客様、並びに環境に優しいものづくりに貢献できると考え、今回の開発にいたりました。
3.特長
省エネパッケージに含まれるものは、大きく分けて2つあります。
- 高圧洗浄用ポンプを、サーボモーター (※2)駆動に変更
- 低圧洗浄用ポンプを、インバータ (※3)制御に変更
(1)洗浄圧力・流量の最適化
部品を洗浄するために必要な水の圧力は、1つの部品でもその洗浄箇所によって異なり、高圧から低圧まで様々です。従来のポンプの駆動方式では、決められた一定の圧力でしか水を噴射できず、必要以上に高圧な水で洗浄する箇所が生まれ、無駄な消費電力が発生していました。
省エネパッケージの導入により、サーボモーターとインバータで圧力を自在に制御することが可能になり、洗浄箇所によって高圧・低圧を切り替えることで、消費電力を最小に抑えられます。
(2)非洗浄時はポンプを停止して、消費電力を削減
従来のポンプの駆動方式では、頻繁にポンプの運転・停止を切り替えることできず、洗浄していない時間もポンプは常に稼働していて、無駄な消費電力が発生していました。
省エネパッケージで導入するサーボモーター駆動式ポンプは、運転・停止を瞬時に切り替えることができるため、洗浄していない時間はポンプを停止し、無駄な消費電力を削減できます。
(3)低圧洗浄時の圧力損失の削減
従来、低圧洗浄を行う際は、ポンプから噴射した水を流路に設置した流量調整バルブを通して、最適な流量に調整してから噴射していました。流量を絞るということは圧力損失が発生していることを意味し、ここでも無駄な電力消費が発生していました。
省エネパッケージでは、設置するインバータを用いて、噴射時点での水の圧力を調整できます。初めから最適な圧力・流量で水を噴射するため、従来発生していた圧力損失を削減でき、消費電力を抑えます。
(4)塗装剥がれ・鋳剥がれの防止
洗浄する部品によっては、高圧で洗浄すると、部品の一部や塗装が剝がれてしまうものがあります。従来の方式では噴射する圧力が調整できず、ノズルの距離を離したり、剝がれてしまう部分を避けたりして、剝がれが起きないように洗浄する煩雑さがありました。
省エネパッケージでは、サーボモーターを使用することにより、NCプログラムから洗浄の圧力を自在に変更することが可能になります。これにより、剝がれが発生する恐れがある箇所は圧力を下げて、そのまま洗浄できるようになり、洗浄効率と洗浄品質を同時に向上できます。
(5)昇圧時間の短縮
従来、高圧洗浄を行うためには、ポンプの圧力を上げるまでに一定の時間が必要でした。省エネパッケージでは、サーボモーターを採用したことで昇圧に必要な時間が大幅に短縮し、サイクルタイムの短縮を実現します。
4.仕様等
商品名 | 省エネパッケージ「JCC-ECO」 |
販売開始時期 | 2020年 11月~ 改造対応開始 地域:国内を対象 2021年 4月~ 「JCC」シリーズ販売機に標準搭載開始 地域:国内外を対象 |
5.用語・補足
※1 JIMTOF2020 Online
最先端の工作機械や、その関連機器・技術が世界中から集結する展示会です。新型コロナウイルスの感染拡大をうけ、当初予定していた東京ビッグサイトでの開催からオンライン開催に変更されました。
■会期:2020年11月16日(月)~11月27日(金)※アーカイブ期間:12月11日(金)17時まで
■会場:オンライン
■主催:一般社団法人日本工作機械工業会、株式会社東京ビッグサイト
■URL:http://www.jimtof.org/online/jp/index.html
※2 サーボモーター
制御装置を用いて、数値制御で回転数を調整するモーター。プログラムによって動作を指示するため、回転数を自在に変更することができる。また、起動と停止も瞬時に切り替えることができる。
※3 インバータ
モーターに供給する電力の周波数を制御することにより、モーターの回転速度を制御する機器。高圧ポンプでは、モーターの回転速度を調整することにより、水の圧力や流量を調整する。
<会社概要>
■会社名:株式会社スギノマシン ■代表者:代表取締役社長 杉野 良暁
■本社所在地:〒937-8511富山県魚津市本江2410番地
■TEL:(0765)24-5111(代) ■創業:1936年3月1日
■事業:高圧ジェット洗浄装置、超高圧水切断装置、原子力発電保守用機器並びに廃炉機器、湿式・乾式微粒化装置、ドリリングユニット、タッピングユニット、マシニングセンタ、拡管工具・装置、抜管装置、鏡面仕上工具、バイオマスナノファイバー、産業用ロボット等の開発、設計、製造、販売
■URL:http://www.sugino.com/
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