JFEスチールと日立が共同で、鉄鋼業向けソリューションを提供開始
~コンサルティングと冷間圧延自動形状制御システムで製造の課題を解決~
J FEスチール株式会社(以下、「JFEスチール」)と株式会社日立製作所(以下、「日立」)は、JFEスチールのコンサルティングと日立の冷間圧延自動形状制御システムを組み合わせたソリューション(以下、「本ソリューション」)を、国内外の鉄鋼業のお客様向けに本日から提供開始しました。本ソリューションは、人工知能(AI)で圧延機による鋼板の形状補正を自動制御する日立のシステムに、JFEスチールのハイレベルな操業ノウハウを活用したコンサルティング(システム導入、最適操業)をお客様のニーズに応じて組み合わせて提供するものです。
波打つ鋼板の形状を補正するためには、従来、熟練オペレーターの手動操作による圧延機の細かな調整が必要でしたが、本ソリューションにより、オペレーターの技術差に起因する歩留まりの悪化や、熟練技能の伝承などの課題解決、さらにはお客様の操業技術や製品品質の向上を支援します。
JFEグループは、DX推進を通じた新技術導入による、生産効率や歩留まりの改善、労働生産性の飛躍的向上に取り組むとともに、製鉄所の操業や運営で培った高付加価値品製造や、設備保全課題や環境負荷低減等に関する技術・操業・研究ノウハウを広く製造業のお客様に提供するソリューションビジネスを推進しています。
日立は、自ら製造業として長年培ってきたプロダクト、OT(制御・運用技術)、IT、および製造業の幅広い分野・領域のお客さまの課題解決を通して獲得した多くの知見・ノウハウ(ドメインナレッジ)を生かし、DXを加速するLumada*1ソリューションを提供しています。鉄鋼分野においては、プラントにおける設備、プロセスライン、制御システムなどをトータルかつグローバルに展開しています。
■背景
世代交代が進む鉄鋼業の製造現場においては、オペレーターの技能伝承が大きな課題です。鋼板の製造工程では、鋼板の両端や中央部分で波打ちが発生し、それを補正するには、機械による形状の測定・フィードバック制御とオペレーターの手動操作による微調整を組み合わせる必要があります。経験の浅いオペレーターは、熟練者と比較して形状精度や品質要求の異なる製品を製造することが難しく、製品歩留まりの悪化や形状不良による破断トラブルが起きやすくなります。こうした課題に対し日立は、技能の高い熟練オペレーターの操作データと鋼板の形状データの関係性をAIに学習させ、導き出した結果を制御システムに反映することで質の高い形状制御を自動的に行う技術を2017年に開発*2し、国内外で冷間圧延自動形状制御システムとして提供しています。JFEスチールでは、2021年に自社の製造ラインに同システムを導入し、製品歩留まりの改善・稼働率の向上・自動化によるオペレーター作業負荷の軽減等、多大なる効果を上げています。加えて、熟練者層の知識やノウハウが自動的に操業に反映されたことで、トラブル抑止による生産性向上や製品品質の安定化につながっています。
こうした実績を生かして、JFEスチールと日立は、両社のお客様の冷間圧延製造における課題解決を図るために、両社の強みを組み合わせた本ソリューションの提供を開始しました。お客様の導入に最適なシステムの構成検討、調整業務を共同で行っていきます。
[図:本ソリューションの提供価値]
[図:本ソリューションの技術の概要]
以 上
*1 Lumada: お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称 https://www.hitachi.co.jp/products/it/lumada/
*2 2017年10月31日 株式会社日立製作所ニュースリリース「鉄鋼プラント向けにAIを活用した冷間圧延機のリアルタイムな制御技術を開発」https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2017/10/1031c.html
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