日本企業の情報漏えいリスクは“企業構造で予測可能、SingleID創業者による実証研究が国際学術誌に採択・掲載

企業の拠点構造・従業員密度が漏えいリスクを左右することを399社データで実証

株式会社SingleID

2025年12月2日 10時00分

クラウド認証サービス「SingleID（シングルアイディー）」を提供する株式会社SingleID（本社：東京都中央区）は、共同創業者である代表取締役CEO 石川貴章（博士（技術経営）／Ph.D. in Technology Management）および CTO 鈴木啓之が主執筆した研究論文“Assessing Information Leakage Risks in Japanese Enterprises: Strategic Management and Corporate Attributes”（日本語：日本企業における情報漏えいリスクの評価：戦略的マネジメントと企業属性の実証分析）が、国際査読付き学術誌に採択・掲載されたことをお知らせいたします。

本研究は、

法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科教授玄場公規氏（経営戦略・イノベーション戦略の第一人者）
立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科教授小田哲明氏（博士（医学／工学）・弁理士資格を持つ知財戦略の権威）

との共同研究として実施され、高い学術的信頼性と実務的意義が認められています。

■本研究のポイント（3行要約）

① 情報漏えいは“偶然”ではなく、企業の組織構造によって予測可能である

② 399社データ × 統計モデル（R² = 0.85）により、リスクの構造を数理的に解明

③ 企業が自社リスクを可視化し、最適な投資判断を行うための科学的基盤を提供

■研究の新規性

「情報漏えいリスクを“企業の構造特性”から説明した日本初の実証研究」

本研究では、東京商工リサーチのデータベースから抽出した399社の企業情報と、公開情報（オープンソース・インテリジェンス）を基に収集したメールアドレス漏えいデータを統合し、多変量解析を行いました。その結果、以下の “構造的要因” が情報漏えいリスクを統計的に規定していることが明らかになりました。

●　拠点数が多い企業ほど漏えい件数は増加

●　従業員数に対する拠点密度が高い企業ほど漏えい件数は大幅に低下

●　老舗企業ほどレガシーシステム起因のリスクが増幅

●　従業員1人あたり漏えい頻度が高い企業は組織全体が高リスク

特に、

「拠点密度と漏えいリスクの負の関係」を定量的に示した点は従来研究に存在せず、サイバーセキュリティと組織設計を結びつける新たな研究領域を切り拓く成果として評価されています。

■本研究が示す社会的意義

「セキュリティは“技術”の問題ではなく“経営・組織設計”の問題へ」

本研究により、企業は以下を実現できます。

● 自社の情報漏えいリスクを“構造レベル”で可視化

● 対策投資・レガシー刷新・従業員教育の優先順位を科学的に決定

● 経営層・IT部門・現場が“共通言語”としてデータに基づく意思決定を共有

● セキュリティをコストではなく、組織競争力の源泉として再定義

さらに、本研究で明らかになった「組織構造とセキュリティの因果関係」は、SingleIDが開発を進める次世代認証・アクセス基盤の設計思想とも一致しており、研究成果と事業開発が高いレベルで統合されている点も特徴です。

■共同研究者によるエンドースメント

法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科

教授玄場公規氏（博士（学術））

「本研究は、情報漏えいリスクを企業の組織構造や戦略と結びつけて実証的に示した重要な成果です。経営戦略とサイバーセキュリティの橋渡しを行い、日本企業の競争力向上に貢献すると評価しています。」

立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科

教授小田哲明氏（博士（医学／工学））

「技術・データ・組織を統合的に捉え、実証的アプローチにより情報漏えいリスクの構造を可視化した点に、高い学術的価値があります。企業の知財戦略やデータ戦略にも有用な示唆を与える内容です。」　

■論文情報

論文名：Assessing Information Leakage Risks in Japanese Enterprises: Strategic Management and Corporate Attributes

日本語訳：日本企業における情報漏えいリスクの評価：戦略的マネジメントと企業属性の実証分析

著者：Takaaki Ishikawa, Hiroyuki Suzuki, Kiminori Gemba, Tetsuaki Oda

掲載誌：ACCESS: Access to Science, Business, Innovation in the Digital Economy

巻号：2026, 7(1), pp.43–60

DOI：https://doi.org/10.46656/access.2026.7.1(3)

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ミッション：「安全でシンプルな認証をすべての組織へ」

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