沿岸浅海域におけるCO₂観測システムを構築する研究開発を開始します
海水CO₂濃度、CO₂吸収量の算出に必要な気象および海洋の要素を環境が異なる4海域で観測
弊社は、(大)長崎大学、(国研)国立環境研究所および、(公財)長崎県産業振興財団と共同で応募した令和6(2024)年度「成長型中小企業等研究開発支援事業」の補助事業者として採択され、8月30日に交付決定されました。本事業では、水中CO₂センサー等を用いて、沿岸浅海域における海水CO₂濃度のほか、ブルーカーボンによるCO₂吸収量の算出に必要な気象および海洋の要素を連続測定し、取得したデータからCO₂吸収量を算出する観測システムを構築します。そして、その結果をブルーカーボンクレジット取得に向けたCO₂吸収量計測技術として確立をめざします。
事業名:正確なブルーカーボンクレジット積算への応用を目指した、沿岸浅海域におけるCO₂観測システムの研究開発(期間: 2026(令和8)年度までの3年間)
事業実施体制
【概要】
2050年までにカーボンニュートラルを達成するためには、温室効果ガスの排出量を削減するとともに、排出せざるを得なかった温室効果ガスの吸収量を増やし、その量をより正確に定量化することが重要です。近年の研究において、沿岸浅海域に広がるマングローブ林や湿地・干潟、海草藻場(うみくさもば)、海藻藻場(うみももば)等の海洋生態系によって吸収・貯留される炭素(ブルーカーボン)が、陸域で吸収・貯留される炭素(グリーンカーボン)と同様に重要であることが示され、世界的に注目されています。
地球の表面積の70%を占める海洋におけるブルーカーボンの活用には大きな期待が寄せられ、日本ではジャパンブルーエコノミー研究組合によってブルーカーボンによるCO₂吸収量をクレジットとして認証する「Jブルークレジット」制度が創設、運用されています。しかしながら、CO₂吸収量は主に文献値を利用した客観的方法論に基づき算出されているため、地域性や構成種などが十分に考慮されず対象生態系との整合性が低い場合は、過大あるいは過小評価となっている可能性があり、その値の確からしさに課題があります。
そこで本事業では、水中CO₂センサー等を用いて沿岸浅海域における海水CO₂濃度のほか、CO₂吸収量の算出に必要な気象および海洋の要素をそれぞれ環境が異なる4海域で観測し、取得したデータからCO₂吸収量を算出する観測システムを構築します。そして、その結果をブルーカーボンクレジット取得に向けたCO₂吸収量計測技術として確立することをめざします。
沿岸浅海域におけるCO₂観測システムの概要
本事業の成果を基に、沿岸浅海域におけるCO₂測定サービスの事業化を進め、カーボンクレジットで得られる収入を沿岸浅海域における海洋環境変化の対策や環境保全などの活動に充てることにより、地域の活性化につながっていくことが期待されます。また、本観測システムの活用によって、沿岸漁業や養殖への被害や魚種の変化などの、異常の早期発見と対処を行うことが可能となります。これらのことから、地域における気候変動問題への関心を高め、沿岸浅海域の保全管理によって持続可能な地域漁村の維持につながることが期待できます。
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