「2025堀場雅夫賞」 募集開始 ―将来の科学技術発展を担う研究者・技術者を奨励―
対象分野は 「次世代医療に貢献する分析・計測技術」
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株式会社堀場製作所(本社:京都市南区吉祥院宮の東町2 代表取締役社長 足立正之|以下、当社)は、「2025堀場雅夫賞」の募集を3月3日から開始します。2025年度対象分野は「次世代医療に貢献する分析・計測技術」です。
本賞は2003年に研究者奨励を目的に創設されました。毎年異なる対象分野から、新しい技術の開拓に寄与する分析・計測技術を募集し、国内外の若手研究者・技術者を表彰しています。科学の発展に不可欠ながら、技術の主役としての脚光を浴びにくい分析・計測技術の研究に焦点を当て、画期的でユニークな研究をされている研究者・技術者の功績を世に知らしめたいとの創業者のおもいを受け継いでいます。本賞を通じてこうした研究者・技術者の挑戦を支え、将来のイノベーション創出の一助になればと願っています。当社の社是である「おもしろおかしく」を研究の場で実践されている研究者・技術者の積極的な応募を期待しています。
<今回の募集対象>
次世代医療に貢献する分析・計測技術
1. 次世代医療に貢献する細胞や生命分子の新たな分析・計測技術
1)細胞治療で求められる新たな分析技術
2)免疫機能に関する新たな計測技術
3)疾患の検出に関する分析・計測技術
※本対象分野には生理検査を含めず、検体検査を対象とします。
2. バイオ医薬品の開発・生産のプロセスに貢献する細胞や生命分子関連の新たな分析・計測技術
1)バイオ医薬品の開発に求められる評価技術
2)製造工程で求められる品質管理技術および製造管理技術
<応募要綱>
【応募資格】 国内外の大学または公的試験研究機関に所属する方
【募集分野】 「次世代医療に貢献する分析・計測技術」
【応募期間】 2025年3月3日~5月12日
【審査方法】 審査委員会が応募書類に基づき実績と将来性を審議し決定します。
【発 表】 7月末予定
【賞の内容】 受賞者には、賞状及び副賞を授与
副賞は1件あたり金200万円(100万円/年×2年)を授与します。
※応募資格の継続が条件となります。
【授賞式および受賞記念セミナー】
2025年10月17日(金)に京都大学 吉田キャンパス内にて実施を予定しています。
※受賞者による講演やポスターセッションを通して、研究内容を広く社会にアピールします。
会場や実施方法を変更する場合は、本賞ホームページにてご案内します。
【応募方法】
応募書類など詳細は、本賞ホームページに掲載: https://www.mh-award.org/
【お問い合わせ先】
〒601-8510 京都市南区吉祥院宮の東町2 株式会社堀場製作所内 堀場雅夫賞事務局
TEL:075-325-5110 / E-mail:info@mh-award.org
<審査委員会>(50音順・敬称略)
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審査委員長 |
末松 誠 公益財団法人実中研 所長・専務理事 / 慶應義塾大学 名誉教授 |
審査委員 |
濱村 美砂子 アレクシオンファーマ合同会社 社長 |
審査委員 |
矢冨 裕 国際医療福祉大学大学院 大学院長、教授 |
海外審査委員 |
Alan Ryder(アラン・ライダー) Professor, School of Natural Sciences, University of Galway |
海外審査委員 |
Catherine Alix-Panabières(キャサリン・アリックス・パナビエール) Professor, Faculty of Medicine, University of Montpellier |
社内審査委員 |
吉岡 和憲 株式会社堀場製作所 バイオヘルスケア本部 メディカルソリューション部 部長 |
社内審査委員 |
横川 昭徳 株式会社堀場製作所 バイオヘルスケア本部 ライフサイエンスソリューション部 部長 |
アワードディレクター |
堀場厚 株式会社堀場製作所 代表取締役会長兼グループCEO |
実行委員長 |
足立 正之 株式会社堀場製作所 代表取締役社長 |
副実行委員長 |
中村 博司 株式会社堀場製作所 執行役員 CTO |
<募集分野「次世代医療に貢献する分析・計測技術」について>
いまだ記憶に新しい新型コロナウイルス感染症COVID-19の世界的対策において、メッセンジャーRNAワクチンの実用化とその拡大などにより感染症予防が飛躍的に進歩しました。また、 PCR検査や抗原検査の急速な普及により感染有無の判定が容易にできるようになりました。その一方でワクチンの供給能力不足や治療薬開発の難しさが顕在化し、検査や計測の重要性があらためて認識されました。
ポストコロナの現在、世界各国でバイオ医薬品とワクチンの両方に使用可能なデュアルユースの生産拠点が整備されています。平時は次世代医療の要となる細胞・遺伝子治療薬や抗体医薬品などのバイオ医薬品を生産し、感染症パンデミックの発生時には迅速なワクチン生産が可能となる体制が整えられようとしています。研究開発への投資も積極的に進められており、国が総力を挙げて、バイオ医薬品やワクチンの開発から生産までを支援しています。
この社会環境のもと、分析・計測技術に対しては、遺伝子改変された細胞の安全性や有効性を評価する方法や、薬剤投与の要否を判断するために免疫機能を確認する方法などの基礎研究が求められています。加えて、大型機器や専門の訓練を必要としない簡便な検査、迅速・正確な診断を実現する分析・計測技術も重要となります。また、バイオ医薬品の開発段階から品質を作りこむ評価技術の開発や、細胞を培養して得られた生成物や培地成分などをモニタリングする品質・製造管理技術を確立するための応用研究および生産プロセス開発も必要とされています。これらの研究開発には、「細胞」「生命分子」「培養環境」を新たな手法で分析・計測することが不可欠です。
このような背景から、2025年堀場雅夫賞の主題を『次世代医療に貢献する分析・計測技術』とし、中でも次世代医療に貢献する細胞や生命分子の新たな分析・計測技術(基礎研究)と、バイオ医薬品の開発・生産プロセスに貢献する細胞や生命分子関連の新たな分析・計測技術(応用研究および生産プロセス開発)を募集します。なお、純粋な治療法、純粋な新薬の開発など、分析・計測技術を主体としない研究業績は対象となりません。人々の健康と安全・安心に寄与する分析・計測技術の発展に意欲的に取り組む国内外の研究者からの応募を歓迎します。
<ご参考>
【賞の背景】
創業者の堀場雅夫が学生ベンチャーの草分けとして興した当社の歴史は、国産初のガラス電極式pHメーターの開発から始まり、今日までその分析対象を液体、気体、固体分野へと拡大しながら、総合分析機器メーカーとしてグローバルに事業を拡大してきました。その発展を支えてきたものの一つに、創業当初からの大学や研究機関との連携があり、地道に基礎的な研究開発に取り組んできた研究者・技術者の努力が大きな原動力となっています。21世紀を迎え、分析・計測の重要性が社会的にも増してくるなか、分析・計測技術の分野で、新たな起業や事業化の源となりうるアカデミックな研究・開発を支援するため、創業者の名前を冠した「堀場雅夫賞」を2003年に創設しました。
【賞の趣旨】
本賞は、画期的な分析・計測技術の創生が期待される研究開発に従事する国内外の若手の研究者・技術者を支援し、科学技術における分析・計測技術の価値をより一層高めることを目的とします。毎年対象分野を定めることで、その成果や今後の発展性を世界的にアピールすべき研究・開発に焦点を当てていきます。基礎から応用まで、対象分野においてユニークな研究開発に「おもしろおかしく」従事され、将来の分析・計測技術発展の担い手となる方々の積極的な応募を期待しています。
【故 堀場 雅夫 (創業者)について】
1945年10月、京都帝国大学(現京都大学)理学部在学中に、当社前身の堀場無線研究所を京都に創業。今でいう学生ベンチャーの草分けとして出発しました。学生時代の専攻は原子核物理で、大学教授であった父・信吉氏と同じく、卒業後は大学に残って研究者になる道を志していました。しかし、終戦と同時に米軍がサイクロトロン破壊など原子核関係の実験や研究を禁止し、大学での研究が続けられなくなったため、自由に実験や研究ができる私設研究所をつくろうと決心したのが創業のきっかけです。
堀場無線研究所で電解コンデンサーを開発し事業化に踏み切りましたが、折悪く朝鮮戦争による資材高騰を受け工場建設は頓挫しました。代わりに、コンデンサー生産のために産学連携で開発したpHメーターを商品として売り出したところ評判となり事業化を決断、1953年1月に株式会社へ改組し株式会社堀場製作所を設立しました。会社設立当時から大学との産学連携で次々と新しいpHメーターを開発し、その後、液体、気体、固体へ分析・計測の対象を拡大し、現在に至る事業の基盤を確立しました。1978年、53歳で会長に就任した際、人生哲学でもある「おもしろおかしく」を社是に制定しました。会長に就任後は、日本のベンチャー・中小企業の支援や京都の活性化のほか、教育改革にも力を尽くしました。
2006年3月には、世界各国の研究や業績を支援する製品をもって地球規模の計測機器ビジネスを創始した実績が評価され、分析化学分野の発展に功績顕著な革新的で情熱的な起業家を顕彰する、米国「Chemical Heritage Award」の受賞と「Pittcon Hall of Fame」(分析化学界の殿堂入り)を、欧米人以外で初めて果たしました。2015年7月に永眠(満90歳)。
<堀場雅夫賞応募論文件数>
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