KDDIテクノロジー、スマートグラスを用いた自動同時通訳機能付き遠隔作業支援システムの実証実験を実施
今回この活動の一環として、自動同時通訳技術を組み込んだ遠隔作業支援システムを用いた遠隔協業の実証実験を、中込農園(山梨県南アルプス市)にて実施しました。
本実証実験では、当該研究開発により開発する自動同時通訳プラットフォーム技術が、遠隔から現場の作業を支援するシーンにおいてどのように寄与するかを確認し、その成果を今後の同時通訳システムの改善に活かし、社会実装を目指していきます。
なお、本実証実験においてKDDIテクノロジーはデバイス・アプリケーションの開発から実証フィールドの調査・選定および実証実施を担っています。また共同実証先としてNTT東日本は全体設計、TOPPANはプロジェクト管理を担っています。
※本コンソーシアムは総務省が2020年度より実施している情報通信技術の研究開発課題「多言語翻訳技術の高度化に関する研究開発」の委託先6団体と、社会実証を担当する3団体で構成しています。
<中込農園での実証風景>
1. 実証実験の概要と成果
KDDIテクノロジーは、スマートグラスで利用可能な自動同時通訳技術を組み込んだ遠隔作業支援システムを開発いたしました。これにより、作業者が作業をしながら同時通訳を介したコミュニケーションが可能となります。
今回、中込農園にてブドウ狩りの農作業に従事する外国人がスマートグラスを装着し、遠隔から有識者が同時通訳を介し作業内容を指示するシーンにて、本システムを用い遠隔協業の実証を行いました。実証実験後、アンケート調査やヒアリングを行い、遠隔協業における自動同時通訳技術の有用性を確認しました。
<実施場所>
・中込農園(2023年9月30日、10月11日)
<実施内容>
・外国人作業者、日本人指示者がマニュアルを確認しながら各々で利用する遠隔作業支援システムのセットアップを実施
・日本人指示者が、離れた場所から遠隔作業支援システムを用い同時通訳を介して農園での実業務を外国人作業者に指示し、必要に応じ同時通訳を介しコミュニケーションを取りながら外国人作業者が作業を実施
<検証内容>
①ユーザビリティの確認(表示の見易さ、機器の操作性、機器の習得し易さ)
②ユーティリティの確認(機能の有効性、効果・効率、信頼性)
③満足度の確認
<成果>
①初めて機器を利用する人でも円滑に操作方法を習得できるマニュアルの記載方法を確認。また、スマートグラスのような新しいデバイスにおいても、一度利用することで機器のセットアップ含めて容易に使いこなせることを確認
②複数回利用し機器の特性に慣れることで、より効果的な機器の利用につながることを確認
③遠隔から作業を支援するシーンにおける同時通訳システムの有用性を確認
2. 背景
少子高齢化に伴う日本の労働人口の減少により、特に農業は若者が集まりづらく、高齢化が進んでいるため、労働者不足・後継者不足と多くの問題を抱えており、今後よりいっそう外国人労働者の活用が求められると想定されます。
そのような中、ベテラン従事者や有識者が現場に居なくても、事務所や遠隔から確認や作業指示が可能となり、さらに自動同時通訳により外国人労働者へも作業指示が可能となることで、農業での人材不足解消に繋がると考えています。
3. 今後の展開
今回の実証実験で得られた知見や課題を活かし、実利用に即した自動同時通訳システムの実用化を目指していきます。
(参考)
■株式会社KDDIテクノロジーについて(https://kddi-tech.com/)
KDDIグループで培った高い技術力と豊富なノウハウをベースに、先端テクノロジーの活用をワンストップで提供し、新しい価値を創造し続けています。XRやスマートドローンのシステム開発、モバイルアプリケーション開発、KDDI製品・サービスの品質評価など様々な技術サービスを展開し、近年ではAIソリューション開発にも力を入れています。
「技術で夢を現実に。」という企業ビジョンのもと、企業や消費者、そして社会の問題解決のために、人と技術をつなぐことをミッションに掲げています。
■東日本電信電話株式会社について(https://www.ntt-east.co.jp/)
情報通信事業者として高品質で安定した通信インフラの提供に加え、昨今では身近なICT企業として地域の課題解決や価値創造に取り組んでいます。今後は、NTT東日本グループとして地域のミライを支える価値創造事業を中心とした事業構造への転換を図り、地域社会のみなさまとともに、夢や希望を感じられる持続可能な循環型社会の共創をめざします。
■TOPPAN株式会社について(https://www.toppan.com/ja/)
TOPPANグループは1900年の創業以来、「印刷テクノロジー」をベースに「情報コミュニケーション事業分野」、「生活・産業事業分野」および「エレクトロニクス事業分野」の3分野にわたり幅広い事業活動を展開しています。
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