常石造船、LPG運搬船の圧力式タンク完全内製化を実現
~新燃料船の建造および、需要拡大に向けた大きな挑戦~
常石造船株式会社(本社:広島県福山市沼隈町常石1083番地、代表取締役社長執行役員:奥村幸生)は、LPG運搬船の圧力式タンクの完全内製化を実現、今般完成いたしました。今回の圧力式タンク製造には、タンク端部の鏡板成形という大きな課題があり、この課題解決を常石造船の既存設備を用い克服し製造に至りました。本タンクは常石造船で建造するLPG運搬船の1番船に搭載されます。
今回製造した圧力式タンクを搭載するLPG運搬船は、貨物タンク容量5,000m3、全長約99m、幅17.6m、深さ8m。常石グループの三井E&S造船株式会社(本社:東京都港区台場二丁目3番2号、代表取締役社長:小葉竹泰則)から、基本設計およびガスタンクやガスシステムの詳細設計、組立要領や精度管理手法などのタンク製造ならびにガス艤装において開発協力を得ています。また、本タンクを搭載するLPG運搬船は、推進抵抗を低減する船体形状や最新主機の搭載により、5,000m3LPG船クラスの汎用的な主寸法を踏襲しつつ、CO₂の排出規制であるEEDI(※1)フェーズ3をクリアし、加えてSCR(※2)を搭載することで窒素酸化物排出三次規制(NOx Tier3)に対応することができ、推進、環境性能に優れたエコシップになっています。
常石造船は、2025年までの「先端技術ロードマップ」を掲げていて、ゼロエミッション船の実現に向け、日々研究開発を行っています。今回のLPG運搬船の圧力式タンク内製化を皮切りに、LNG燃料タンクの製作にも本格的に取り組み、LNG、メタノール、アンモニアや水素など将来の新燃料船の建造と需要の拡大に向け、今回の圧力式タンク製造で培った技術を他燃料タンクに転用していく予定です。新たな技術の導入とグループ企業との連携を強化し、環境に優しい企業として造船・海運業界の脱炭素化をリードしていきます。
※1 EEDI:
Energy Efficiency Design Index(エネルギー効率設計指標)。国際海事機構(IMO)による、新造船を対象としたCO₂の排出量削減に関する国際条約。
※2 SCR:
Selective Catalytic Reduction(選択触媒還元)。エンジンで生成されたNOxを、NOx三次規制の要件を満足するレベルにまで低減する排ガス処理装置。
■関連情報
常石造船、LPG運搬船を初受注(2022年3月3日)
https://www.tsuneishi.co.jp/news/release/2022/03/5357
常石造船株式会社
常石造船(広島県福山市)は、造船・海運業を中心に事業展開する常石グループの中核会社で、船舶の建造と修繕を営んでいます。国内の常石工場(本社)とフィリピン、中国の海外工場を拠点に、ばら積み貨物船、コンテナ運搬船、タンカーなどを建造しています。
URL:https://www.tsuneishi.co.jp/
代表取締役社長執行役員: 奥村 幸生
事業内容:船舶の建造、修繕
創業:1917年(大正6年)7月
資本金:1億円
従業員:821人(2022年12月時点)常石造船グループ 約20,000人
事業拠点:常石工場(広島県福山市)
造船事業関連会社:
TSUNEISHI HEAVY INDUSTRIES (CEBU), Inc.(フィリピン・セブ島)
常石集団(舟山)造船有限公司(中国・浙江省)
常石鉄工株式会社(広島県福山市)
常石商事株式会社(広島県福山市)
https://www.tsuneishi-trading.co.jp/
常石エンジニアリング株式会社(広島県福山市)
株式会社三保造船所(静岡県静岡市)
三井E&S造船株式会社(東京都港区)
https://www.tsuneishi.co.jp/mes-s/
由良ドック株式会社(和歌山県日高郡)
新潟造船株式会社(新潟県新潟市)
https://www.tsuneishi.co.jp/nsr/
神田ドック株式会社(広島県呉市)
- 本件に関するお問い合わせ先 -
ツネイシホールディングス株式会社 広報部
TEL : 084-987-4915
メール : pr@tsuneishi.com
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