従業員から人気・不評な打刻方法とは?企業の勤怠管理実態と満足度を調査
勤怠管理システムの導入効果と従業員ニーズのギャップが明らかに
エフアンドエムネット株式会社(本社所在地:大阪府吹田市、代表取締役社長:上枝康弘)は、管理部門向けのビジネスメディア「労務SEARCH(労務サーチ)」にて、20代以上の男女300名を対象に、勤怠管理に関するアンケート調査をおこないました。
アンケート詳細はこちら:https://romsearch.officestation.jp/report/46979
労働基準法や労働安全衛生法に基づき、企業は従業員の労働時間の正確な記録や残業時間の管理、有給休暇の付与などを適切におこなわなければいけません。では、これらの法律を遵守するために、各企業はどのような方法で勤怠管理をおこなっているのでしょうか。
今回は20代以上の男女300名を対象に、勤怠管理に関するアンケート調査を実施してみました。これからも「労務SEARCH」では、管理部門の悩みを解決できるようなアンケート調査を実施し、バックオフィス業務に役に立つ、価値のある情報を発信してまいります。
<当調査の引用・転載に関して>
-
当調査のデータを引用・転載する場合には、必ず「出典:労務SEARCH」の表記をお願いいたします。
-
出典として下記ページへのリンクをお願いいたします。
https://romsearch.officestation.jp/report/46979
【主な調査結果】
・勤怠管理方法の第1位は「勤怠管理システム」
・勤怠管理システムなどで特に満足している機能は「リアルタイムの勤務状況確認」
・現在の勤怠管理方法に「不満は特に感じていない」方が最多
・勤怠管理で最も重視することは「使いやすさ」
・勤怠管理システムの利用者のうち5割以上が「PCから打刻」
・打刻方法を選べるなら「スマートフォンから打刻」が第1位
・勤怠管理システムなどで業務効率が向上したと感じる理由の第1位は「手間の削減」
●勤怠管理方法の第1位は「勤怠管理システム」
まず、あなたの会社では、現在どのような方法で勤怠管理をおこなっていますか?という質問をしてみました。その結果、第1位が「勤怠管理システム」で45.7%、第2位が「タイムカード」で30.3%と、回答者300名のうち7割以上の方が勤める企業では、このどちらかの方法で勤怠管理をおこなっていることが明らかとなりました。
なお、これらの回答を選んだ回答者の業種を見てみると、いずれもサービス業の方が最多で、次に製造業の方が多い結果となっています。
続けて「勤怠管理アプリ」が7.0%、「紙に記入」が6.7%、「タイムカード」および「勤怠管理はしていない」が4.7%、「自社開発の独自システム」が0.6%、「その他」が0.3%という結果になりました。
●特に満足している機能は「リアルタイムの勤務状況確認」
勤怠管理システムまたは勤怠管理アプリを利用している(したことがある)方に対しては、特に満足している機能について聞いてみたところ、第1位が「リアルタイムの勤務状況確認」で40.2%、第2位が「残業時間の管理」で22.4%、第3位が「有給休暇・休暇管理」で14.0%となりました。
約4割の方が「リアルタイムの勤務状況確認」を選択したことから、すぐに自身の勤務状況を確認できるかどうかは勤怠管理システム(または勤怠管理アプリ)を選ぶ上で必須の確認事項となりそうです。
●現在の勤怠管理方法に「不満は特に感じていない」方が最多
次に、現在の勤怠管理方法で感じている最も大きな不満を一つ選んでくださいという質問をしてみましたが、最も回答数が多かったのは「不満は特に感じていない」という意見でした。
不満を感じている方からは、その理由として「打刻ミスを修正しにくい」が18.7%、「残業時間や休暇の申請が煩雑」が9.7%、「社外からアクセスできない」が7.3%、「自分の勤務時間が正確に反映されていない」および「休暇の残日数をすぐに確認できない」がそれぞれ4.7%、「自分の勤怠情報をリアルタイムで確認できない」が4.3%、「自由な勤務形態(リモートワークなど)に対応していない」が4.0%という結果になりました。
●勤怠管理で最も重視することは「使いやすさ」
勤怠管理において最も重視することを一つ選んでくださいという質問に関しては、第1位が「使いやすさ」で37.4%、第2位が「正確な打刻記録」で29.4%、第3位が「休暇や残業の申請のしやすさ」で7.0%という結果になりました。
その他の回答数の差はあまりなく、「勤怠情報の透明性(自分の勤怠記録の確認がしやすい)」が6.0%、「勤怠情報のリアルタイム反映」が4.7%、「多様な勤務形態への対応(リモートワーク、時短勤務など)」が4.3%、「打刻ミスの修正のしやすさ」が3.3%、「モバイル対応」が2.0%、「データのセキュリティ」、「フレックスタイム制への対応」がそれぞれ1.3%、「システムの信頼性(システムダウンが少ない)」および「コンプライアンス対応(法令順守)」が1.0%という結果でした。
●勤怠管理システムの利用者のうち5割以上が「PCから打刻」
今回のアンケート調査では、約半数近くの方が勤怠管理システムを利用していることが判明しましたが、では、勤怠管理システムを使ってどのような方法で勤怠打刻をしているのでしょうか。
それを調べるため、前問で「勤怠管理システムを利用している」と回答した方に向けて、どのような方法で勤怠打刻をおこなっていますか?という質問をしてみました。
その結果、第1位が「PCからの打刻」で55.5%、第2位が「ICカードをかざして打刻」で27.0%とこの2つの方法が圧倒的に人気なことがわかりました。PCから打刻する方法とは、個人PCを使用する場合と共有PCを使用する場合があります。PCとネット環境があれば、いつでもどこでもリアルタイムで打刻ができることが大きなメリットです。
●打刻方法を選べるなら「スマートフォンから打刻」が第1位
次に、勤怠打刻方法を選べるとしたら何がいいですか?という質問をしてみたところ、「スマートフォンからの打刻」が21.4%、「ICカードをかざして打刻」が18.4%、「タイムカード」が16.0%という結果になりました。
前問で、勤怠管理システムの利用者のうち5割以上の方がPCから打刻していることが明らかとなりましたが、この質問で「PCからの打刻」を選んだ方は12.0%と、あまり多くの支持を集めていません。
「スマートフォンからの打刻」や「ICカードをかざして打刻」が上位にきていることを考えると、多くの方は打刻方法に”手軽さ”を求めていることが伺えます。
●業務効率が向上したと感じる理由の第1位は「手間の削減」
最後に、勤怠管理システムまたは勤怠管理アプリを利用することで、業務効率が向上したと感じますか?という質問をしてみました。
その結果、「変わらない」が55.9%、「ある程度向上した」が17.3%、「わからない」が12.3%、「あまり向上していない」が6.1%、「非常に向上した」が5.6%、「全く向上していない」が2.8%という結果になったものの、各回答の回答者が勤める会社の従業員数規模を軸に結果を見てみたところ、「ある程度向上した」または「非常に向上した」の回答者は従業員数が300名以上の会社に勤める方が最多でした。
そのことから、従業員数が多い会社ほど勤怠管理システムまたは勤怠管理アプリの利用が業務効率化に繋がりやすいと言えそうです。
なお、この質問で「非常に向上した」または「ある程度向上した」と回答した方に対してその理由を聞いてみたところ、理由は大きく以下5つに分類でき、最も回答数が多かったのは「手間の削減」でした。”手間”とは、打刻に関するものと勤怠管理に関するものが挙げられています。
手間の削減に続いて、多くの回答が寄せられた理由としては「正確なデータ管理」の実現です。また、従業員が自身の勤務状況をリアルタイムで把握することで、業務の進行管理が効率化されたといった意見も見受けられました。
勤怠管理システムまたは勤怠管理アプリの「使いやすさ」も評価されており、申請や承認などのプロセスがスムーズになったことで、全体の業務効率が向上したという意見もあります。その他、柔軟な働き方をサポートする機能も高く評価されています。
【調査結果まとめ】
今回のアンケート調査では、企業の勤怠管理方法や従業員の満足度に関する実態が明らかになりました。調査対象となった300名の回答者のうち、約7割が「勤怠管理システム」や「タイムカード」を利用しており、従業員は特に「使いやすさ」を求めているようです。
勤怠管理システム利用社の打刻方法としては「PCからの打刻」が最も多かったものの、従業員からは「スマートフォンからの打刻」を希望する声が最も強いことが判明しました。また、勤怠管理システムの利用により、リアルタイムの勤務状況確認が特に満足されている機能である一方、コンプライアンス遵守や業務効率の向上については、評価がわかれる結果となりました。
人事・労務担当者は今回の調査結果を参考に、業務の効率化と従業員の満足度向上を両立できる勤怠管理方法を検討しましょう。「労務SEARCH」ではこれからも、こうしたアンケート調査を通じて、人事・労務管理に関する課題を解決する手助けとなる情報を発信してまいります。
<調査の実施概要>
調査対象 |
20代以上の男女300名 |
回答者が勤める |
30名以下(25.3%) 31名〜50名(13.3%) 51名〜100名(12.3%) 101名〜200名(12.7%) 201名〜300名(5.3%) 300名以上(31.0%) |
調査方法 |
インターネット調査 |
調査日 |
2024年7月10日~2024年7月24日 |
掲載記事 |
■労務SEARCHについて
労務SEARCHとは、管理部門の日々の業務課題を解決する記事コンテンツや、管理部門のニーズに合ったBtoBマッチングに役立つ資料を提供するビジネスメディアです。会員数は2万人超え、そのうち半数は管理部門の役職者です。またコンテンツの高い専門性から、士業の方々からも支持されています。
■株式会社エフアンドエムネット 概要
会社名 |
エフアンドエムネット株式会社 |
代表者 |
代表取締役社長 上枝 康弘 |
設立 |
2000年9月 |
資本金 |
5,800万円 |
事業内容 |
・SaaSの提供 ・ホームページ制作 ・業務用システムの企画・開発・運用代行 |
事業所 |
大阪・東京 |
サイト |
すべての画像