溶液中の生体高分子の構造と動きを明らかにする新技術を開発
~抗体医薬などバイオ医薬品の開発加速に貢献~
【新技術の特徴】
・溶液中の生体高分子の構造や動的特性を電子密度像として直接観察可能
・試料(サンプル)の固定化や凍結が不要なため、分子が機能する状態での解析が可能
・抗原抗体複合体の直接エピトープマッピング、ウイルス粒子のタンパク質/核酸比定量等も可能
リガク・ホールディングスのグループ会社である、X線分析装置の世界的ソリューションパートナーの株式会社リガク(本社:東京都昭島市 代表取締役社長:川上 潤、以下「リガク」)は、溶液中の生体高分子※1の構造と動きを明らかにする新技術、Electron Density Topography (電子密度トポグラフィー、以下「EDT」)を開発しました。
EDTは、実際の体内環境に近い溶液中で生体高分子の状態と動きの特性を直接観察することを可能にします。本技術は生体高分子の機能に対する理解の深化や、抗体医薬などのバイオ医薬品、ドラッグデリバリーシステム※2の開発加速に貢献します
EDTでは溶液中の生体高分子の概形だけでなく、精細な内部構造情報も得ることが可能です。また、試料に関する事前情報を必要とせず、顕微鏡をのぞくかのように直接電子密度像※3を観察できます。
創薬において「より初期の開発段階で、期待する構造や特性を持つ薬剤であるかを検証したい」という高いニーズが存在しています。EDTはこの課題に応える技術であり、今後は基礎研究だけでなく、抗体医薬などバイオ医薬品の研究開発での活用が期待されます。
なおEDT技術を搭載した装置は、2024年中に開設するリガクのライフサイエンスラボ(アメリカ/ボストンエリア)で始動予定です。
リガクは今後もライフサイエンス分野の事業拡大を積極的に進め、より強固なプレゼンスを確立することで、お客様のイノベーションを共に実現してまいります。
※1:抗体やタンパク質複合体、ウイルス粒子を含む高分子化合物
※2:薬を体内の適切な部位に狙い通りに届ける技術
※3:分子中の電子分布を可視化した像、分子の化学的性質に関わる形状
【リガクグループについて】
リガクグループは、X線分析をコアに熱分析等も含む最先端の分析技術で社会をけん引する技術者集団です。産業・研究用分析のソリューションパートナーとして1951年の創業以来、90か国以上でお客様と共に成長を続けています。日本国内で極めて高いシェアを誇り、海外売上は約70%に達しています。応用分野は、半導体や電子材料、電池、環境・エネルギーからライフサイエンスまで日々拡大中です。世界で2,000名超の従業員が「視るチカラで、世界を変える」イノベーションの実現に取り組んでいます。詳しくはrigaku-holdings.comをご覧ください。
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