KHネオケムとVeneno Technologies資本・業務提携合意に関するお知らせ
KHネオケム株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:髙橋理夫、以下「KHネオケム」)と、Veneno Technologies(ベネイノテクノロジーズ)株式会社(本社:茨城県つくば市、代表取締役社長:吉川寿徳、以下「Veneno」)は、糖鎖とジスルフィドリッチペプチド(以下、DRP)※1の技術シナジーの検証に関する契約および資本提携に関する契約を締結いたしましたので、お知らせいたします。
KHネオケムが新規事業の一環として取り組む糖鎖は、バイオ医薬品の体内動態を向上させ、副作用を抑える効果など、さまざまな効能が期待されています。一方、Venenoは、独自のDRPを用いてリード化合物(創薬の種となる化合物)の探索を行う中で、ペプチド薬の動態をさらに高める手法の検討に取り組んでいます。そこで、両社は、DRPに糖鎖修飾を行うことで、体内動態の改善が見込めるとの仮説を立て、2024年4月より共同研究を通じてその検証を進めてまいりました。そしてこの度、KHネオケムの糖鎖事業とVenenoのDRP技術のさらなるシナジー創出およびDRP創薬の加速を目的に、資本・業務提携の合意に至りました。
本提携により、糖鎖の機能を実証し、DRPの価値をさらに高めることに加え、Veneno およびそのDRP創薬事業を支援し、次世代の医薬品開発に寄与することを目指します。当社は、これらのことを通じて、人々の豊かな暮らしに貢献するとともに、VISION 2030※2の実現に向け、持続的な成長を目指してまいります。
【各社コメント】
<KHネオケム株式会社 常務執行役員CMO 磯貝幸宏のコメント>
当社はこれまでバイオ医薬品向け糖鎖の安定供給を目指し、その製造技術の開発を進めてきました。今回のVeneno Technologies社との資本・業務提携は、糖鎖による薬理活性や体内動態の改善効果を実証し、バイオ医薬品において糖鎖の重要性をアピールできるものと信じています。
<Veneno Technologies株式会社 代表取締役社長 吉川寿徳のコメント>
糖鎖はタンパク質や細胞表面に存在し、生体内の活性に深く関わる、近年大いに注目されている分子です。KHネオケム社と資本・業務提携を締結することで、糖鎖修飾の機能や役割などを解明し、より優れたペプチド創薬につながることを大いに期待しております。
【両社概要】
会社名 |
KHネオケム株式会社 |
Veneno Technologies株式会社 |
---|---|---|
所在地 |
東京都中央区日本橋室町二丁目3番1号 |
茨城県つくば市千現二丁目1番地6 |
設立 |
2010年12月 (前身の協和油化は1966年11月設立) |
2020年7月 |
代表 |
代表取締役社長 髙橋 理夫 |
代表取締役社長 吉川 寿徳 |
資本金 |
8,855百万円 |
100百万円 |
事業 内容 |
各種石油化学製品の研究・製造・販売 |
ジスルフィドリッチペプチドを ベースとした新規な医薬品・ 農薬・バイオケミカルの研究開発 |
企業 URL |
<KHネオケムの糖鎖事業について>
KHネオケムは、VISION 2030の実現に向けて、「環境」「ヘルスケア」「エレクトロニクス」を戦略ドメインと定め、新規事業の創出を目指しており、研究開発拠点「KH i-Lab」では、オープンイノベーション戦略を積極的に活用してこの動きを加速しています。ヘルスケアドメインにおいては、糖鎖の可能性に注目し、これまで独自の糖鎖及び製造技術を開発してきました。
糖鎖は、生体内においてタンパク質や脂質に結合し、細胞表面や細胞中に存在していますが、糖鎖は生体内で起こる様々な生命現象に関与していることから、核酸、タンパク質に並んで「第三の生命鎖」と呼ばれています。
糖鎖は、結合物質の機能や安定性に影響を与えるほか、細胞接着や分化など多くの生命現象に関与しています。その異常は疾患の原因ともなるため、生命科学分野では糖鎖研究が活発に進められています。しかし構造の多様性から人工合成が難しく、糖鎖の大量かつ安定した供給が重要な課題となっています。当社は独自の糖鎖製造技術を開発し、その安定供給を実現するとともに、糖鎖の価値を共に創出するパートナーの探索を進めるため、マーケティング活動を加速しています。
■KHネオケムの糖鎖 GlyMuch™
https://www.khneochem.co.jp/solution/features/glycans/service/
<Venenoについて>
Venenoは、高い生理活性を持つペプチドであるDRPに着目し、DRP創薬の加速を目的とした、独自の創薬プラットフォーム「Veneno SuiteTM」を開発しました。この新技術により、これまで創薬が困難とされていたイオンチャネル※3やトランスポーター※4、GPCR※5などの膜タンパク質※6に対する新たな創薬およびバイオケミカル事業の展開を推進します。
■Venenoのテクノロジー 独自の創薬プラットフォーム Veneno SuiteTM
https://veneno.jp/ja/%e3%83%86%e3%82%af%e3%83%8e%e3%83%ad%e3%82%b8%e3%83%bc/
※1 ジスルフィドリッチペプチド(DRP)
ジスルフィドリッチペプチド(DRP)は、分子内に複数のジスルフィド結合を有するペプチドの総称で、通常、20 から 80 個のアミノ酸から構成されます。複数のジスルフィド結合により生み出される堅固なフレームワークにより、DRP は分解酵素に対する耐性や高い熱安定性を有しています。また、コンパクトで安定な構造を持つゆえに、免疫原性が低いことが知られています。このような特性により、DRPはペプチド創薬のための有用なリード分子であると考えられています。
※2 「VISION2030」について
https://ssl4.eir-parts.net/doc/4189/ir_material_for_fiscal_ym/56482/00.pdf
※3 イオンチャンネル
細胞膜を通じて特定のイオンを選択的に通過させる膜タンパク質です。神経伝達や筋肉の収縮などに重要です。
※4 トランスポーター
細胞膜を介して特定の物質を細胞内外に運ぶ膜タンパク質です。栄養や老廃物の輸送に関わります。
※5 GPCR(Gタンパク質共役型受容体)
細胞外からの信号を受け取り細胞内に伝える膜タンパク質の一種で、薬剤標的として医薬品開発において非常に重要視されています。
※6 膜タンパク質
細胞膜に存在するタンパク質で、物質輸送や情報伝達、細胞の構造維持に関与します。医薬品の標的としても注目されています。
【KHネオケムについて】
<会社概要>※2023年12月末時点。
社名 |
KHネオケム株式会社 |
---|---|
代表 |
代表取締役社長 髙橋 理夫 |
設立年 |
2010年12月(前身の協和油化は1966年11月設立) |
資本金 |
8,855百万円 |
本社 |
東京都中央区日本橋室町二丁目3番1号 |
従業員数 |
連結831名 |
事業内容 |
各種石油化学製品の研究・製造・販売 |
主要製品群 |
機能性材料(冷凍機油原料・化粧品原料など) 電子材料(半導体およびフラットパネルディスプレイ用高純度溶剤など) 基礎化学品(塗料およびインキ用溶剤・プラスチック用可塑剤原料など) |
グループ会社 |
黒金化成株式会社/株式会社黒金ファインズ/KH Neochem Americas, Inc. /晟化(上海)貿易有限公司 |
<沿革>
1948年 |
協和産業(後の協和発酵工業)が、日本で初めて発酵法により、 糖蜜からアセトン・ブタノールの大量生産を開始 |
---|---|
1949年 |
協和発酵工業設立(現:協和キリン) |
1966年 |
協和油化設立(協和発酵工業の化学品製造子会社) |
2004年 |
協和油化に協和発酵工業の化学品事業を統合し、協和発酵ケミカル発足 |
2011年 |
協和発酵ケミカルが協和発酵キリン(現:協和キリン)グループから独立 |
2012年 |
協和発酵ケミカルからKHネオケムへ社名変更 |
2016年 |
東京証券取引所市場第一部に上場 |
2018年 |
VISION 2030策定 |
2019年 |
オープンイノベーション拠点 KH i-Labを開設 |
2022年 |
東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、プライム市場へ移行 |
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