フリーランスITコンサルタント案件傾向レポート(2025年11月版)を公開しました。
フリーコンサル案件の属性、平均単価、勤務条件など募集案件の実態 ~2025年4月版レポートから約半年が経過し、その間にフリーランスコンサルティング市場はどのように変化したのか~
株式会社オーバーサイパートナーズ(本社:東京都中央区、代表取締役:漆間康介)は、同社が運営するフリーコンサルタント向け案件マッチングプラットフォーム「才コネクト」(https://www.sai-connect.com/)において、フリーランスITコンサルタント向け案件の募集動向を分析した『ITコンサルタントの案件動向レポート(2025年11月版)』を公開しました。
本レポートは、IT領域に特化して募集中案件を集計・分析し、業務プロセス別の案件構成や平均単価、募集要項に含まれるキーワード、支援先業界、単価帯、勤務地・勤務条件などを整理したものです。
2025年6月に公開したITコンサル案件レポートと同様の条件でデータを取得しており、数か月間における変化もあわせて把握できる内容となっています。
▼レポートはこちらから▼
https://www.sai-connect.com/column/2342/
レポート発表の背景と目的
企業のIT・DXプロジェクトにおいて、外部のITコンサルタントやフリーランス人材を活用するケースは継続的に見られています。一方で、フリーランスITコンサルタント側から見ると、「どのプロセスの案件が多いのか」「どの程度の単価感なのか」「どの業界・勤務地が中心なのか」といった情報は、断片的にしか把握しづらいのが実情です。
そこでオーバーサイパートナーズでは、ITコンサル案件に特化した募集動向を定期的に可視化し、現役のフリーランスITコンサルタントや独立を検討している方、ならびに発注企業の参考となる情報を提供すべく、本レポートを作成しました。
本レポートでは、2025年11月1日〜2025年11月15日の期間において、主要4プラットフォーム上で「募集中」となっていたITコンサルタント向け案件247件を対象に分析を行っています。
主な調査結果
平均契約単価は上昇基調、ERP案件が高単価を牽引
全体の平均月額単価は131万円となり、前回調査(2025年6月版)の122万円から上昇しました。特に案件種別では「ERP導入支援」が平均161万円と、他の領域を大きく上回る結果となっており、依然として基幹システム刷新や統合ニーズの高まりが高単価につながっていることがうかがえます。
この他、「IT戦略・DX構想策定」も138万円、「PM補佐/PMO」も137万円と、戦略〜実行支援の広範な領域で高単価傾向が見られました。中でも、要件定義(161万円)やPM(127万円)など、プロジェクト全体の設計・推進に関わるポジションが引き続き高い報酬水準を維持しています。

要件定義フェーズの案件比率が上昇
業務プロセス別の案件数では、要件定義が22%で最多となり、次いでPM補佐/PMOが18%、設計・開発・導入が17%という結果でした。IT戦略・DX戦略策定/構想策定とその他はいずれも13%、PMが7%、テスト4%、移行3%、保守・運用3%と続きます。
2025年6月の前回調査では、PM補佐/PMO(21%)、IT戦略・DX構想(18%)、設計・開発・導入(18%)、要件定義(16%)の順でしたが、今回は要件定義が22%でトップとなりました。プロジェクトの初期段階である「要件を固めるフェーズ」に、フリーランスのITコンサルタントがより積極的に活用されていることがうかがえます。

ハイブリッド勤務が主流化、勤務地は東京一極集中
働き方の形式については、「ハイブリッド勤務」(リモートと出社併用)が77%と最も多く、前回調査の65%から主流化が進んでいます。「フルリモート」は12%、「フル出社」は11%で、リモートワークが完全に消えるわけではなく、多くの案件で柔軟な勤務体系が維持されています。
勤務地については、「東京23区」およびその周辺を含む「首都圏」が合計75%と圧倒的多数を占めており、IT人材の集中や大企業本社プロジェクトの影響が色濃く表れています。一方で「関西圏」(7%)、「東海エリア」(4%)など地方都市での案件も散見され、エリアを問わず一定の需要が確認されました。

トレンド技術キーワードはSAPとAIが上位に
本調査では、案件中に出現するキーワードも分析対象としています。
最も多く登場したのは「AI」(34件)および「SAP」(31件)で、次いで「ERP」「Azure」「クラウド」「AWS」など、業務・インフラ双方で主要なプラットフォーム技術が並びました。
6月の調査結果と比較すると、SAP関連案件数は微増(30件→31件)、AIは急増(10件→34件)しており、生成AIや機械学習などを含むAI技術がITコンサル案件の中でより存在感を増していることがわかります。
一方、SalesforceやJava、Oracleといった従来型スキルも引き続き一定数確認されており、最新技術と既存システムの両軸に精通した人材が求められている実態が浮き彫りとなっています。

今回の調査から見える傾向と今後の注目点
2025年6月から11月にかけて、ITコンサル案件市場では大きな構造変化は見られず、基本的な傾向は概ね継続しています。
フリーランス向け案件ではERP導入やPMOといった高報酬案件が引き続き多く、柔軟な働き方が可能なハイブリッド勤務案件も7割超と、安定した募集傾向が続いています。
一方で、前回との違いとしては「要件定義」フェーズの案件が最も多くなるなど、構想段階から実行フェーズへと進むプロジェクトの動きが鮮明になってきました。
また、SAPやAIといったキーワードの登場数も前回を上回っており、企業のIT投資が引き続き活発であることが伺えます。
本レポートでは、案件種別ごとの平均報酬や、業務内容別・勤務地別・キーワード別などの詳細分析も掲載しており、現在のフリーランスIT案件市場の実態を具体的に捉えることができます。
才コネクトでは今後も、四半期ごとにフリーランス向け市場の動向を追い、スキルや志向に応じた最適な案件選びの一助となるような情報を提供してまいります。
次回のレポートでも、さらなる市場の変化や新たなテーマの兆しを丁寧に読み解いていく予定です。
才コネクトのご紹介
「才コネクト」は、オーバーサイパートナーズが運営するフリーランスコンサルタント向け案件紹介プラットフォームです。戦略・業務改善・IT・DX・ERP・マーケティングなど幅広い領域・業種のプロジェクト案件を取り扱い、フリーコンサルタントと企業を直接つなぐことで最適なマッチングを実現します。才コネクトではフリーコンサルとクライアントのマッチング機能に特化することで無駄を省き、仲介手数料などのコストを抑えて報酬を最大限コンサルタントへ還元する仕組みを採用しています。
オーバーサイパートナーズ独自のネットワークによる直請け案件や、他のプラットフォームでは募集されていない非公開案件も多数掲載しており、現役コンサルタントが「参画したい」と思える魅力的な案件のみを厳選して紹介している点が特徴です。こうした仕組みにより、フリーランスコンサルタントの方々が高単価かつ自分の希望に合った働き方の案件に出会える場を提供しています。
今後もオーバーサイパートナーズおよび才コネクトでは、フリーランスコンサルタントの支援や企業の課題解決に資する情報発信・サービス提供に努めてまいります。本レポート(2025年4月版)の詳細な分析結果については、才コネクトの公式サイトにて公開しておりますので、ぜひご覧ください。
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社オーバーサイパートナーズ(才コネクト運営)
E-mail:info@sai-connect.com
ウェブサイト:https://www.sai-connect.com/
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