地方発、世界へ。郡上から発信する次世代釣り文化「中高生鮎友釣りワールドカップ」開催報告
10年の歴史に幕。世界から鮎友釣りを愛する中高生が郡上に集い、未来へとつなぐ最後の鮎友釣り頂上決戦

2025年8月3日、岐阜県郡上市にて、「ダスキンレントオールPresents中高生鮎友釣りワールドカップ」が開催されました。
記念すべき第10回大会となった本年は、日本全国、台湾、中国から過去最多となる中高生選手が参加し、岐阜・郡上の清流を舞台に熱戦が繰り広げられました。
本大会は、友釣りを通じた自然体験と地域文化の継承、さらには中高生世代の健全な育成を目的とし、10年間にわたり継続開催されてきました。
節目となる今回は、競技性に加え、教育・安全・観光の要素も組み込まれ、地域と全国、そして次世代をつなぐ複合的な価値を持つ催しとして大きな注目を集めました。
以下に、本大会の主要な内容と成果、そして今後の展開についてご報告いたします。
10周年にふさわしい規模と熱量。競技性・文化性・教育性が融合した複合型大会
本大会は、単なるスポーツイベントにとどまらず、友釣りという伝統漁法を通じた自然体験・地域文化の継承・水辺の安全教育など、さまざまな要素が融合した総合的な取り組みとして開催されました。
以下に、本年の主なハイライトを紹介します。

■ 過去最多の参加者とともに、中国からの初参加も実現
本年は全国から過去最多の中高生選手が集結。台湾からの参加は一昨年より継続されており、加えて中国から初めての参加者を迎えるなど、国際的な広がりもさらに加速しました。



■ グラム単位で勝負が決まる白熱の決勝戦
郡上市内の清流を舞台に行われた決勝戦では、技術と集中力が拮抗し、検量シーンではグラム数で明暗が分かれる激戦となりました。10年間で培われた競技としての完成度の高さを体現する内容でした。





■ 同時開催の「鮎EXPO」も大盛況
大会当日は記録的な酷暑にもかかわらず、約3,000名の来場者が会場を訪れ、熱戦を見守りました。会場では観戦だけでなく、物販、展示、ワークショップなど、家族連れでも楽しめる企画が多数展開され、友釣りを軸とした複合的な地域イベントとしても高く評価されました。



■ 10年の歩みを振り返る「大会アーカイブ展示」も実施
特設ブースでは、大会創設から現在に至るまでの歩みを記録した資料や歴代選手の写真、報道実績などを一堂に展示。来場者は郡上から始まった小さな挑戦が、全国規模の大会へと成長していった軌跡をあらためて実感できる機会となりました。
■ 大会中継の進化により、競技観戦の楽しさを再定義
友釣りの魅力をより広く届けるべく、大会のライブ中継を大幅にブラッシュアップ。視聴者からは「こんなに友釣りが面白いとは思わなかった」「たまたまチャンネルを合わせてみていたら、結局最後まで見てしまった」などの声が寄せられ、映像による伝達力の可能性が大きく広がりました。
大会史上最大規模の反響。地域と社会に広く届いた10年の集大成
本大会は、これまでの10年の蓄積を土台に、競技者、観客、報道関係者をはじめ多様な立場の人々に強い印象を残し、かつてない規模と質の反響を呼びました。

■ 来場者数は約3,000名に到達。酷暑を超える関心の高さ
記録的な猛暑の中、郡上市の大会会場には延べ約3,000名の来場者が訪れました。
競技観戦に加え、展示・ブース体験・物販エリアなど、家族連れを含む多様な層が滞在し、地域イベントとしても大きな存在感を示しました。



■ 教育・安全・地域振興のモデル事例として高評価
競技性の高さに加え、地元中学生によるボランティア参加、ライフベスト着用による安全啓発、郷土文化紹介など、地域との協働に基づく教育・観光・防災の複合モデルとしての価値も、行政・教育機関・地域関係者から高く評価されました。

■ 「ひとつの完成形」としての大会モデルを確立
中高生世代に特化し、教育・安全・地域性・国際性を内包した本大会は、単なる鮎友釣り大会としてではなく、未来を担う若者育成の「ひとつの完成形」として、明確な運営モデルと実績を形に残すことができました。
その意義と成果は、全国の水辺地域における次世代育成や地域資源活用のヒントとして、今後も参照されることになるでしょう。
■ SNSやメディアでの露出が過去最高
大会当日は、複数の地上波メディアによる取材をはじめ、WEBニュース、新聞、地域広報誌、SNS投稿などを通じて、これまでにない広範な露出を獲得。
今後の展開
本年で第10回を迎えた「中高生鮎友釣りワールドカップ」は、一つの区切りとして大会の歴史に幕を下ろします。しかし、その歩みと成果は終着点ではなく、次のステージへとつながる出発点でもあります。
■ 新たな友釣りイベントの創出に向けた基盤に
本大会を通じて築かれた全国ネットワーク、指導者層の厚み、国際的なつながり、そして運営ノウハウは、次世代のイベント創出に向けた強固な基盤となりました。
今後は、大会の枠にとらわれない形で、より柔軟かつ多様な参加スタイルのイベントや交流の場が発足することが期待されています。
担当者コメント

郡上鮎の会 代表 桒原 健
本大会は10年の節目を迎え、一つの区切りとなりました。10年間にわたり続けてこられたのは、選手、保護者、地域の皆さま、協賛企業、そして関係者のご理解とご協力があってこそです。心より感謝申し上げます。
そして何より、大会運営のほぼすべてを担ってくれた中高生たち。
会場設営、受付、大会進行、広報、スポンサー営業、外部での活動に至るまで、すべてを自分たちの力で構成し、最後までやり遂げてくれました。
その姿こそが、この大会の本懐であり、最も価値ある成果であったと、私は確信しています。鮎友釣りを競技として楽しむことと同時に、地域を動かす側に立ち、文化や人の営みとつながっていく。この大会が育んできたものは、技術や成績を超えた「生きた学び」でした。
本大会はこれで幕を下ろしますが、これで終わりではありません。この10年が蒔いた種は、きっと次の世代でも新しい形となって育っていくと信じています。
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