IT業界における組織ロスの実態、PM・PLリーダーの73.1%が『1日1時間以上』を確認・手戻りなどの"組織ロス"に消費 ── 314名調査で見えた「組織ロス」の実態とは

グローバル・リンク株式会社が実施した大規模調査結果を受け、確認作業や認識のズレが生産性を低下させる原因であることが浮き彫りに

グローバル・リンク株式会社

【調査結果ハイライト】

- 73.1%:PM・PLリーダー層が1日1時間以上を不要なやり取りに費やす 

- 最大18.3pt:経営者と現場(PM・PL)の間に生じる認識ギャップを示すデータ 

- 52.2%:属人化に「問題がある」との回答

IT企業では、人材不足だけでは説明できない生産性の低下が見受けられます。

グローバル・リンク株式会社は、IT・情報通信業(従業員50〜500名)の経営者やPM・PLを含む314名を対象に、GMOリサーチ&AI株式会社の協力のもと調査を実施しました。その結果、PM・PLリーダーの73.1%が毎日1時間以上を確認や手戻りに費やしている実態が明らかになりました。本調査は、確認対応や認識ズレ、手戻りといった「見えないコスト」が組織の生産性に及ぼす影響を定量的に評価するための第1回調査です。

調査結果において、組織ロスは独立した問題ではなく、様々な要因が連鎖的に関連していることが浮き彫りになりました。全体として54.5%が1日1時間以上を不要なやり取りに費やし、その中でも特にPM・PLリーダー層の負荷が顕著でした。

今回の調査結果(本調査)

結果

PM・PLリーダー層が1日1時間以上を不要なやり取りに費やす

73.1%

経営者(54.8%)とPM・PL(73.1%)の認識ギャップ

18.3pt

属人化に「問題がある」と回答

52.2%

業務改善施策を行っても効果が不十分

37.6%

最重要経営課題は「人材確保・育成」

28.7%

「社内の動きが遅い」と実感

44%

調査結果① 組織ロスは独立した問題ではなく、連鎖構造で発生している

図1:「組織ロス」5指標はいずれも中間値超え、"指示の曖昧さ"が連鎖の起点に(n=314)

指示内容の共有不足(B1)、問い合わせ対応(B2)、同じ説明の繰り返し(B3)、認識ズレ(B4)、手戻り(B5)の5指標すべてで平均スコアが中間値(3.0)を超過。特に「指示共有不足」「同じ説明の繰り返し」は44〜45%が「頻繁に発生」と回答しました。指示が曖昧なまま始まり、確認が増え、同じ説明を繰り返し、認識ズレが発覚し、手戻りが発生する──という連鎖構造が示唆されました。

調査結果② PM・PLリーダー層が全役職中で最も時間を奪われている

図2: PM・PL層の73.1%が「不要なやり取り」に1日1時間以上を費やす――全役職中最多(n=314)

全体では54.5%が1日1時間以上を「不要なやり取り」に費やしていますが、役職別に見るとPM・PLリーダー層が73.1%と全役職中で最も高い結果に。経営者・役員(54.8%)、部長・課長(65.2%)、担当者(58.5%)と比べても突出しており、現場の最前線に立つPM・PLリーダーへの負荷集中が浮き彫りになりました。

調査結果③ 経営者と現場の間に10ポイント以上の認識ギャップ

図3: 経営者とPM・PL層で最大18ポイントの"認識ギャップ"――現場の負荷は経営層に伝わっていない(n=314)

「管理職が問い合わせに追われる」という項目一つをとっても、経営者・役員(35.7%)とPM・PL(47.4%)で10ポイント以上の差。「1日1時間以上の無駄」に至っては経営者54.8%に対しPM・PL73.1%と、18ポイント以上の開きがあります。この認識ギャップ自体が、組織ロスを温存する構造的要因である可能性が示されました。


調査結果④ 業務改善施策の4割が効果不十分、「元に戻る」組織も36%

図4: 業務改善施策の37.6%が「効果を実感できず」、36.0%が「元に戻る」――定着しない改善の実態(n=314)

AI・システム導入や業務フロー見直しなどの改善施策を行っても、37.6%が効果を実感できておらず、36.0%は「改善が元に戻る」と回答。施策を打っても定着しない根本原因は、ツールや施策そのものではなく、「なぜその施策が必要か」「どう動けばよいか」という目的・判断基準の共有不足との関連がうかがえます。

調査結果⑤ 属人化は半数超が「問題あり」と回答

図5: 「人材育成が追いつかない」45%が最多課題、属人化の"問題あり"は52.2%に(n=314)

属人化について「深刻な状態」「やや問題」と回答した割合は合計52.2%。組織運営上の課題でも「人材育成が追いつかない」が45%で最多となっており、育てる時間がないから属人化し、属人化するから育てられないという悪循環が、多くの組織で発生している可能性があります。

調査結果⑥ 最重要経営課題は「人材確保・育成」、44%が「社内の動きが遅い」と実感

【図6】 経営課題は「人材確保・育成」(28.7%)と「売上拡大」(28.0%)が僅差で最重要、44%が「社内の動きの遅さ」を実感(n=314)

経営課題として最も多く挙げられたのは「人材確保・育成」(28.7%)で、僅差で「売上・収益の拡大」(28.0%)が続きました。人が採れない・育たないという構造的問題と、収益拡大への圧力が同時に存在している実態がうかがえます。さらに44%が「社内の動きが遅い」と感じており、課題認識と実行速度の間に乖離が生じている可能性があります。

現場の声

「全てを把握したいお客様と打合せ後の齟齬による手戻りが多い。他チームでも同様の問題が発生している」──PM・PL

「要となっていたリーダーがプロジェクトを離れた瞬間、残りのリソースでは回らなくなった」──担当者

今回の調査で見えた5つの発見

①生産性を下げているのは「人材不足」だけではない──確認・認識ズレ・手戻りが常態化し、今いる人材の時間を大量に消費している

②PM・PL層が最も時間を奪われている── 73.1%が1日1時間以上を不要なやり取りに費やし、全役職中で最大

③経営者と現場で課題認識に10ポイント以上のギャップ──この認識差自体が組織ロスを温存する構造的要因になっている可能性

④業務改善施策の4割が効果不十分──改善が定着しない根本には、指示・目的の共有不足がある可能性

⑤属人化は半数超が問題と認識──人材育成の遅れと表裏一体で、組織の脆弱性を高めている

代表者コメント

「今回の調査で印象的だったのは、人材不足そのものよりも、『今いる人材の時間が失われている』という実態です。

特にPM・PLは、本来価値を生む仕事ではなく、確認や認識合わせ、手戻り対応に多くの時間を費やしています。

私たちは、この『見えない組織ロス』を可視化し、継続的な調査を通じて日本のIT企業の生産性向上に貢献していきます。」

今後の展開

今後、グローバル・リンク株式会社は、今回の調査結果を踏まえ、IT企業の生産性向上に貢献するための継続的な調査と分析を進めてまいります。具体的には、業務改善施策の効果的な実施や人材育成に関するさらなる調査を予定しています。具体的には、以下のテーマについて調査・検証を予定しています。

  • 役職別の課題深刻度差のさらなる検証(上位層と現場の認識ギャップ拡大の要因)

  • 業務改善施策が定着する組織/しない組織の違い

  • 「確認・手戻り削減」への投資意向調査(予算化の意向)

  • PM・PL層の離職意向と業務負荷の相関

Zero-Maze ── 確認・手戻り・再説明を組織から断つ

この調査結果やその詳細については、以下のURLよりご確認いただけます。

調査結果ページ(引用・参照用の恒久URL):https://zero-maze.jp/report/2026-06

より詳細な分析データを含む完全版レポート(PDF)のお申し込みは、以下のサービスサイトから承っております。

サービスサイト:https://zero-maze.com

調査概要

項目

内容

調査名

IT企業の組織運営実態調査(2026年6月版)

調査主体

グローバル・リンク株式会社

調査協力

GMOリサーチ&AI株式会社

調査期間

2026年6月

調査方法

GMOリサーチ&AIオンラインパネル

調査対象

IT企業・情報通信業(従業員50〜500名)経営者・役員、部長・課長、PM・PL、担当者

有効回答数

314名(経営者・役員42名/部長・課長141名/PM・PL78名/担当者53名)

※本調査結果は回答者の主観に基づくものであり、業界全体を代表するものではありません。

会社概要

項目

内容

社名

グローバル・リンク株式会社

代表者

代表取締役社長 渡邊洵哉

所在地

東京都千代田区神田須田町1-10-42エスペランサ神田須田町9F

設立

2005年10月

資本金

2,000万円

事業内容

IT企業向け組織改善支援・実態調査・コンサルティング

公式サイト

https://gl-link.com

お問い合わせ

本件に関するお問い合わせは、E-mail:zero-maze@gl-link.comまでお願いいたします。

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会社概要

グローバル・リンク株式会社

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https://gl-link.com
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区神田須田町1-10-42 エスペランサ神田須田町9階
電話番号
03-6712-2210
代表者名
渡邊 明貢
上場
未上場
資本金
2000万円
設立
2005年10月