古野電気、日本初!準天頂衛星や欧州、ロシアの測位衛星電波を同時受信可能なマルチGNSS同時測位対応の1チップLSIを開発。
「eRideOPUS 6」「eRideOPUS 7」のLSIチップとモジュール、今夏に量産開始予定
フルノシステムズの親会社である古野電気株式会社(本社:兵庫県西宮市、古野幸男社長)は、このほど米国のGPS測位衛星に加えて、日本の準天頂衛星システム(QZSS、初号機「みちびき」)や欧州、ロシアの全地球航法衛星システムを同時受信できる車載対応のマルチGNSS (Global Navigation Satellite System、注1)受信LSIチップを、国内で初めて開発しました。当社は、測位精度や航跡性能で業界最高クラスのGNSSチップ2機種とモジュール4機種を、今年8月に量産開始する予定です。
画像1:GNSSチップ「eRideOPUS 7」(左)と小型GNSSモジュール「GV-87F」(右)の外観(単位:センチメートル)
◆「eRideOPUS 6」(イーライド・オーパス6)と「eRideOPUS 7」(イーライド・オーパス7)は、米国のGPS測位衛星はもとより、日本の準天頂衛星システム、静止衛星による位置補正システム「SBAS」(エスバス)、欧州連合(EU)が構築中の「Galileo」(ガリレオ)、ロシアの「GLONASS」(グロナス)の衛星電波を同時に受信する、国内初の車載用1チップLSIです(「eRideOPUS 6」は「GLONASS」非対応)。国内では、GPSと準天頂衛星「みちびき」を受信することで測位率を改善できるほか、GPS衛星(運用31機)と「GLONASS」衛星(同24機)を同時受信する世界一の捕捉衛星数を実現した結果、従来の高い測位成功率を維持したままで、特に都市部での位置精度を向上しました。
◆このLSIチップは、アンチ・ジャミング機能(妨害波対策)や耐マルチパス機能(反射波対策)を搭載し、ノイズ除去性能を強化しております。従来機種(「eRideOPUS 5」)の高速測位性能(ホットスタート1秒以下、アシストGPS対応(注2)、セルフ・エフェメリス™機能(注3))や従来比2倍の高レート測位(10Hz測位、1秒間に10回測位)に加えて、車載アプリケーションに要求されるデッドレコニング(自律航法)機能として、ジャイロ+車速パルス、ジャイロ+加速度センサ、CAN(四輪車輪速データ)に対応、トンネルなど電波が届かない場所でも高精度の測位を実現しています。
◆当社では今年5月中旬からサンプル出荷を開始し、8月以降、カーナビゲーションシステムやeCallシステム(注4)をはじめとする国内外の車載アプリケーション向けに、このLSIチップ2機種「eRideOPUS 6」「eRideOPUS 7」に加えて、チップを搭載した小型GNSS受信モジュール「GN-86F / 87F」(86=eRideOPUS 6搭載バージョン、87=eRideOPUS 7搭載バージョン)、自律航法GNSS受信モジュール「GV-86 / 87」(同上)の量産販売を開始いたします。
画像2:捕捉衛星数の違い 左:従来機種、右:eRideOPUS 7 ※今年2月・新宿西口(東京都新宿区)で測定
◆仕様の詳細につきましては、下記製品情報サイトをご参照願います。
http://www.furuno.com/gppr003
【販売担当窓口】 古野電気株式会社 システム機器事業部 ITSビジネスユニット
国内営業部 TEL:0798-33-7510 (〒662-0934 兵庫県西宮市西宮浜2-20)
東京支店 TEL:03-5624-7473 (〒130-0026 東京都墨田区両国3-25-5 JEI両国ビル7階)
注1) マルチGNSS測位: GPS、GLONASS、QZSS、Galileoなど複数の衛星測位システムを使った測位
注2) アシストGPS:衛星の捕捉をアシストするデータをネットワーク経由で取得し測位を高速化する技術
注3) セルフ・エフェメリス™機能:受信した衛星軌道データを内部で計算処理して高速測位を実現する機能
注4) eCallシステム:欧州で本格的な普及が期待される自動車の緊急通報システム
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