第9回「日本FP学会賞 受賞論文」発表!!
~9月13日(土) 慶應義塾大学 日吉キャンパスにて~
個人の資産設計や資産管理といったファイナンシャル・プランニングの理論的基盤となるパーソナルファイナンスの学問的体系の確立を目指している日本FP学会(会長:貝塚啓明)は、9月13日、慶應義塾大学 日吉キャンパス内で、栄えある第9回「日本FP学会賞」(日本FP協会共催)を発表、受賞者を表彰いたしました。
今回、以下の論文が選ばれました。
■優秀論文賞
冨田 有哉氏(とみた ともや/あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)
論文名:巨大災害リスクとCAT ボンドリターンの時系列分析
-保険市場と資本市場におけるCAT ボンドの可能性-
■審査委員賞
荒木 千秋氏(あらき ちあき/株式会社三菱東京UFJ銀行)
論文名:家計の金融資産選択について
「日本FP学会賞」は、日本FP学会が、パーソナルファイナンスに関する分野で独創的で優れた研究を表彰し、若手研究者・実務家への支援を通じて、当該研究の振興に資するとともに、将来に向けたパーソナルファイナンス研究の担い手の育成を目的としたものです。2006年9月に第1回の賞を発表し、今回が9回目となります。
今回も応募の中から厳正な審査が行われましたが、優秀論文賞が1点となり、最優秀論文賞、各奨励賞は該当者なしという結果になりました。なお、前回に続き、各奨励賞に次ぐ賞として、審査委員賞を設け授賞することとしました。
これにより1点が選出され、表彰状、研究奨励金がそれぞれ授与されました。
表彰式では、貝塚 啓明日本FP学会会長によって各賞受賞者への表彰状、研究奨励金目録の授与が行われ、受賞者の皆様には会場からの暖かい拍手が送られました。
また、貝塚 啓明会長が各受賞論文の祝辞を述べ、伊藤 宏一日本FP学会理事が講評と次回への期待を込めたコメントで締めくくりました。
今回発表いたしました、受賞論文要旨及び第10回「日本FP学会賞」の概要は次頁以降をご覧ください。
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受賞論文要旨
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■優秀論文賞
巨大災害リスクとCAT ボンドリターンの時系列分析-保険市場と資本市場におけるCAT ボンドの可能性-
冨田 有哉(とみた ともや)
本稿では Swiss Re 社のCATボンドインデックスを用いてCATボンドリターンと伝統的資産(株、債券)のリターンについての時系列分析を行い、さらに巨大災害の発生とCATボンドリターンの関連性についての分析を行った。CATボンドは伝統的資産との相関が低く、比較的低リスクで安定した高いリターンが得られるということを示すことができた。また、VARモデルでCATボンドリターンと伝統的資産のリターンとVIX指数との回帰を行った結果、CATボンドリターンはそれらの影響をほとんど受けないことがわかった。つまり、CATボンドは伝統的資産とは異なる資本市場とは独立した動きをするため、CATボンドを保有することによって高いポートフォリオ分散効果を得ることができると言える。実際、巨大災害の発生により元本を毀損することもあるが、2008年の金融危機の影響は比較的軽微であった。CATボンドは再保険市場の引受キャパシティを補完するツールとして期待されているだけでなく、投資対象としても魅力的な商品であり、資本市場においても大きな期待ができる。
■審査委員賞
家計の金融資産選択について
荒木 千秋(あらき ちあき)
本稿の目的は、家計の金融資産選択がどのように変化したのかを先行研究を基に確認することと、「貯蓄から投資へ」の政策が成果をあげているのか考察することである。
第1章では、「貯蓄から投資へ」の政策の推移と、家計の金融資産保有状況を確認し、第2章では、各種の金融資産がもつさまざまな特性を明示的に考慮した特性モデルを使用した先行研究を紹介し、特性因子による金融資産選択の特徴を確認した。第3章では、リスク資産への選好を測る指標である相対的危険回避度の先行研究を紹介した後、相対的危険回避度を2009年から2012年まで推計し、考察した。
相対的危険回避度の計測により、確認できる特徴は2点あり、2つの経済危機後にそれぞれ異なる相対的危険回避度の変化が確認できた点と、金融ビックバンの以前と以降では相対的危険回避度の変化が確認できた点である。2つの特徴から考察される家計の資産選択は、リスク許容的になってきていると考える。しかし、多くの先行研究が示すとおり、リスク資産のシェア、残高でみると危険資産への移り変わりの大きな変化は確認できない。
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「第10回 日本FP学会賞」 概要
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■目的
パーソナルファイナンスに関する分野で独創的で優れた研究を表彰し、研究者・実務家・大学生への支援を通じて、当該研究の振興に資するとともに、将来に向けたパーソナルファイナンス研究の担い手の育成を目的とする。
■組織
主催:日本FP学会 共催:日本FP協会 後援:日本経済新聞社、日本経済研究センター
■表彰(総額100万円)
〈研究者、実務家〉
最優秀論文賞 賞状+研究奨励金50万円
優秀論文賞 賞状+研究奨励金30万円
日本FP学会奨励賞 賞状+研究奨励金10万円
日本FP協会奨励賞 賞状+研究奨励金10万円
〈大学生〉
学生奨励賞 賞状+図書カード10万円
■スケジュール
応募締切:平成27年5月8日
結果発表:平成27年9月 日本FP学会大会
■選考方法
一次選考:応募論文について専門分野の委員により独創性、論理の展開力、実務への応用性等に着目しつつ評価し、二次選考に推すべき論文を受賞候補として推薦。
二次選考:一次選考によって推薦された受賞候補論文について二次選考委員により各賞を決定。
■選考委員 ☆は委員長
〈二次選考委員〉
☆貝塚 啓明(日本FP学会会長、東京大学名誉教授)
小島 明(政策研究大学院大学理事・客員教授、日本経済研究センター参与)
吉野 直行(日本FP学会専務理事、慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所長)
伊藤 宏一(日本FP協会専務理事、千葉商科大学人間社会学部教授、CFP®)
〈一次選考委員〉
☆吉野直行
他、パーソナルファイナンスに関連する分野の学識経験者
■応募資格
パーソナルファイナンスを研究する研究者、実務家、大学生を対象とします。
〈研究者(大学院生を含む)、実務家〉
共同執筆による応募、本学会会員の推薦による応募も認めます。団体名による応募は認めません。
推薦による応募の際には、推薦者は平成27年3月27日までに学会事務局にご連絡ください。
〈大学生(短大生を含む)〉
大学学部生のチーム(数名のグループやゼミのグループ)による団体名の応募のみを対象とします。
指導教員の推薦を応募の要件としますが、指導教員が本学会会員でなくても応募できます。
(注)応募者の年齢制限はありません。
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日本FP学会賞とは
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日本FP学会賞は、日本FP学会が主催し、パーソナルファイナンスに関する7分野(ライフプラン分野、金融資産運用設計分野、リスクマネジメント分野、不動産分野、税務分野、法律分野、その他)について若手研究者・実務家への援助を通じて、当該研究の振興に資することを目的に平成17年に設置されました。独創的で優れた研究やFP実務に優れた成果を表彰するもので、「最優秀論文賞」、「優秀論文賞」の他、研究者を奨励する「日本FP学会奨励賞」、実務家を奨励する「日本FP協会奨励賞」を設けています。なお、日本FP協会は日本FP学会賞の共催団体です。
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日本FP学会とは
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日本FP学会は、平成12年3月、グローバリゼーションのもとにおけるパーソナルファイナンスの研究及びその教育・普及によって、わが国の金融システムの安定・発展を図り、個人の資産管理に関する教育及び研究を行う人材の育成を目的として設立されました。日本FP学会は、研究者と実務家との相互交流による実社会に対応した研究の水準アップにより、広い意味での日本人に適した個人の資産設計、資産管理のノウハウが生活科学という学問的裏打ちをされることにより個人投資家・預金者の利益に資することを目指しています。
今回、以下の論文が選ばれました。
■優秀論文賞
冨田 有哉氏(とみた ともや/あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)
論文名:巨大災害リスクとCAT ボンドリターンの時系列分析
-保険市場と資本市場におけるCAT ボンドの可能性-
■審査委員賞
荒木 千秋氏(あらき ちあき/株式会社三菱東京UFJ銀行)
論文名:家計の金融資産選択について
「日本FP学会賞」は、日本FP学会が、パーソナルファイナンスに関する分野で独創的で優れた研究を表彰し、若手研究者・実務家への支援を通じて、当該研究の振興に資するとともに、将来に向けたパーソナルファイナンス研究の担い手の育成を目的としたものです。2006年9月に第1回の賞を発表し、今回が9回目となります。
今回も応募の中から厳正な審査が行われましたが、優秀論文賞が1点となり、最優秀論文賞、各奨励賞は該当者なしという結果になりました。なお、前回に続き、各奨励賞に次ぐ賞として、審査委員賞を設け授賞することとしました。
これにより1点が選出され、表彰状、研究奨励金がそれぞれ授与されました。
表彰式では、貝塚 啓明日本FP学会会長によって各賞受賞者への表彰状、研究奨励金目録の授与が行われ、受賞者の皆様には会場からの暖かい拍手が送られました。
また、貝塚 啓明会長が各受賞論文の祝辞を述べ、伊藤 宏一日本FP学会理事が講評と次回への期待を込めたコメントで締めくくりました。
今回発表いたしました、受賞論文要旨及び第10回「日本FP学会賞」の概要は次頁以降をご覧ください。
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受賞論文要旨
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■優秀論文賞
巨大災害リスクとCAT ボンドリターンの時系列分析-保険市場と資本市場におけるCAT ボンドの可能性-
冨田 有哉(とみた ともや)
本稿では Swiss Re 社のCATボンドインデックスを用いてCATボンドリターンと伝統的資産(株、債券)のリターンについての時系列分析を行い、さらに巨大災害の発生とCATボンドリターンの関連性についての分析を行った。CATボンドは伝統的資産との相関が低く、比較的低リスクで安定した高いリターンが得られるということを示すことができた。また、VARモデルでCATボンドリターンと伝統的資産のリターンとVIX指数との回帰を行った結果、CATボンドリターンはそれらの影響をほとんど受けないことがわかった。つまり、CATボンドは伝統的資産とは異なる資本市場とは独立した動きをするため、CATボンドを保有することによって高いポートフォリオ分散効果を得ることができると言える。実際、巨大災害の発生により元本を毀損することもあるが、2008年の金融危機の影響は比較的軽微であった。CATボンドは再保険市場の引受キャパシティを補完するツールとして期待されているだけでなく、投資対象としても魅力的な商品であり、資本市場においても大きな期待ができる。
■審査委員賞
家計の金融資産選択について
荒木 千秋(あらき ちあき)
本稿の目的は、家計の金融資産選択がどのように変化したのかを先行研究を基に確認することと、「貯蓄から投資へ」の政策が成果をあげているのか考察することである。
第1章では、「貯蓄から投資へ」の政策の推移と、家計の金融資産保有状況を確認し、第2章では、各種の金融資産がもつさまざまな特性を明示的に考慮した特性モデルを使用した先行研究を紹介し、特性因子による金融資産選択の特徴を確認した。第3章では、リスク資産への選好を測る指標である相対的危険回避度の先行研究を紹介した後、相対的危険回避度を2009年から2012年まで推計し、考察した。
相対的危険回避度の計測により、確認できる特徴は2点あり、2つの経済危機後にそれぞれ異なる相対的危険回避度の変化が確認できた点と、金融ビックバンの以前と以降では相対的危険回避度の変化が確認できた点である。2つの特徴から考察される家計の資産選択は、リスク許容的になってきていると考える。しかし、多くの先行研究が示すとおり、リスク資産のシェア、残高でみると危険資産への移り変わりの大きな変化は確認できない。
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「第10回 日本FP学会賞」 概要
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■目的
パーソナルファイナンスに関する分野で独創的で優れた研究を表彰し、研究者・実務家・大学生への支援を通じて、当該研究の振興に資するとともに、将来に向けたパーソナルファイナンス研究の担い手の育成を目的とする。
■組織
主催:日本FP学会 共催:日本FP協会 後援:日本経済新聞社、日本経済研究センター
■表彰(総額100万円)
〈研究者、実務家〉
最優秀論文賞 賞状+研究奨励金50万円
優秀論文賞 賞状+研究奨励金30万円
日本FP学会奨励賞 賞状+研究奨励金10万円
日本FP協会奨励賞 賞状+研究奨励金10万円
〈大学生〉
学生奨励賞 賞状+図書カード10万円
■スケジュール
応募締切:平成27年5月8日
結果発表:平成27年9月 日本FP学会大会
■選考方法
一次選考:応募論文について専門分野の委員により独創性、論理の展開力、実務への応用性等に着目しつつ評価し、二次選考に推すべき論文を受賞候補として推薦。
二次選考:一次選考によって推薦された受賞候補論文について二次選考委員により各賞を決定。
■選考委員 ☆は委員長
〈二次選考委員〉
☆貝塚 啓明(日本FP学会会長、東京大学名誉教授)
小島 明(政策研究大学院大学理事・客員教授、日本経済研究センター参与)
吉野 直行(日本FP学会専務理事、慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所長)
伊藤 宏一(日本FP協会専務理事、千葉商科大学人間社会学部教授、CFP®)
〈一次選考委員〉
☆吉野直行
他、パーソナルファイナンスに関連する分野の学識経験者
■応募資格
パーソナルファイナンスを研究する研究者、実務家、大学生を対象とします。
〈研究者(大学院生を含む)、実務家〉
共同執筆による応募、本学会会員の推薦による応募も認めます。団体名による応募は認めません。
推薦による応募の際には、推薦者は平成27年3月27日までに学会事務局にご連絡ください。
〈大学生(短大生を含む)〉
大学学部生のチーム(数名のグループやゼミのグループ)による団体名の応募のみを対象とします。
指導教員の推薦を応募の要件としますが、指導教員が本学会会員でなくても応募できます。
(注)応募者の年齢制限はありません。
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日本FP学会賞とは
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日本FP学会賞は、日本FP学会が主催し、パーソナルファイナンスに関する7分野(ライフプラン分野、金融資産運用設計分野、リスクマネジメント分野、不動産分野、税務分野、法律分野、その他)について若手研究者・実務家への援助を通じて、当該研究の振興に資することを目的に平成17年に設置されました。独創的で優れた研究やFP実務に優れた成果を表彰するもので、「最優秀論文賞」、「優秀論文賞」の他、研究者を奨励する「日本FP学会奨励賞」、実務家を奨励する「日本FP協会奨励賞」を設けています。なお、日本FP協会は日本FP学会賞の共催団体です。
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日本FP学会とは
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日本FP学会は、平成12年3月、グローバリゼーションのもとにおけるパーソナルファイナンスの研究及びその教育・普及によって、わが国の金融システムの安定・発展を図り、個人の資産管理に関する教育及び研究を行う人材の育成を目的として設立されました。日本FP学会は、研究者と実務家との相互交流による実社会に対応した研究の水準アップにより、広い意味での日本人に適した個人の資産設計、資産管理のノウハウが生活科学という学問的裏打ちをされることにより個人投資家・預金者の利益に資することを目指しています。
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