〈アフターレポート〉神奈川県立横須賀高等学校、教科学習と課題研究が織りなす「知の循環」を公開
こうした「生徒自身が見出す学び」はどのように育まれているのでしょうか。
同校は、文科省よりSSH(スーパーサイエンスハイスクール)、理数教育推進校としての認定を受けており、2016年10月より株式会社ロイロと課題解決型学習(PBL)における共同研究を進めてきました。将来の国際的な科学技術人材を育成すべく、大学との共同研究や、国際性を育むための取組みを組み込んだ、課題解決型学習(PBL)から従来の教科教育につながるカリキュラムが策定されています。その中で、ロイロノート・スクールが生徒の学びにどのように寄与しているのか、お伝えします。
〈公開授業〉
数学科(数学Ⅰ)や理科(物理基礎)では、生徒が各々のスマートフォンやタブレット端末でロイロノート・スクールを自在に操作しており、この春からロイロノート・スクールを使い始めた1年次の生徒にも、日々の学習に欠かせないツールとして定着していることが見てとれました。
授業では、前時の復習や問題・ヒントの提示、発表やノート(プリント)提出に至るまで、あらゆる場面でロイロノート・スクールが活用されていました。他方で、生徒の様子や学習場面に応じて、プリントやノートでの作業も指示されており、生徒がもっとも思考し、表現しやすい方法が使い分けられている点が印象的でした。
授業を終えた生徒は、口々に「先生だけに教えられるよりも、クラスメイトの異なる考え方に触れたり、自分たちで考え気づいたりして、学びをつかみにいく今の授業スタイルの方が勉強になるし、何よりそうした学習の方が楽しい」とロイロノート・スクールを通した学びの特長や変化、その喜びを語っていました。
〈研究発表〉
同校では、生徒の課題発見能力・課題解決能力を高める授業科目として「Principia」と呼ばれる課題研究の授業が設置されており、今回は、「3次元ハザードマップの作成」や「感染症予防に有効な手洗い」「ビスマス(Bi)の人工結晶」の3つの研究の成果が発表されました。
発表者らは、研究の記録や発表のツールとして、ロイロノート・スクールを重宝していると言います。他者との意見共有や情報交換などが容易に行えることや様々な資料を画像として取り込めることから、より研究を深め、より良い発表を支えるツールとして、生徒からも厚い信頼が寄せられていました。
どの発表者も研究成果を身の回りの人々や地域、社会へ還元したいと述べており、教科学習と課題研究が織りなす「知の循環」が実際の社会課題解決に向け、始動している様をうかがい知ることができました。
〈研究協議〉
研究発表後の研究協議会では、各授業のテーブルごとにシンキングツール版ロイロノート・スクールを用いて、「教科が担える力と学びに向かう姿勢との関連性」について考えを共有しました。
参加者からの「深い学びとは、1つの教科や学問だけを掘り下げるのではなく、あらゆる教科や事象を関連づけることで、実現されるものである」「学びにおける目的の存在が真の学びを体現させ、そうした中にあってこそ、人間性も育まれていく」という意見をもって本会が締めくくられました。
● ロイロノート・スクールについて
ロイロノート・スクールは、スマホやタブレットに対応した1人1台時代における授業支援ツールです。直感的な操作により、思考の可視化や共有を促すことができ、主体的・対話的で深い学びを実現します。学びの蓄積や再構成が容易にできるため、すべての校種・教科・科目において、論理的な思考力の育成に適しています。写真、音声、動画にも対応しており、教育現場に適した学びのデザインを支援します。全国1000校以上の学校に導入され、多くの学習効果が報告されています。
導入事例など詳しくはwebページをご覧ください。 https://n.loilo.tv/ja
フェイスブックでも様々な情報を公開しています。 http://bit.ly/2PeIoyY
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