株式会社Cardio Flow Designの血流解析ソフト「iTSurgery®」にAMEDが追加助成金

~血流解析を使った心臓手術シミュレーションが誰にでも実施できる世界へ~          「非解剖学的血行再建を要する先天性心疾患の手術設計支援を目的とした血流解析シミュレーション」

株式会社Cardio Flow Design

株式会社Cardio Flow Design(本社:東京都千代⽥区、代表取締役:⻄野輝泰)が開発している

「iTSurgery®」(CT画像血流解析ソフト)に対し日本医療研究開発機構(AMED)医療機器開発推進研究事業の調整費配分が決定しました。AMED公式リリース(https://www.amed.go.jp/news/release_20250623.html

当社は本調整費を活用し、これまでAMEDの支援のもとで開発を進めてきた「iTSurgery®」について、米国・欧州・韓国における医療機器承認の取得を目指し、海外事業展開を本格的に推進してまいります。

「iTSurgery®」とは

「iTSurgery®」は血流解析事業で世界一の経験を持っている株式会社CardioFlowDesign社で開発している心臓手術のための手術設計ソフトです。患者ごとに大きく病態が異なる先天性心疾患に対する心臓手術は、教科書的画一的な手術をすることができず、患者ごとに最適化された手術設計図が必要です。本製品は術前に撮像したCT上で仮想手術を行い、その設計図に対して数値流体計算を用いて血流シミュレーションを実施し、術後の循環動態を定量的に評価することができます。

大動脈再建術、肺動脈再建術、冠血管再建術、Fontan手術など、血流再建の成否が生命予後を左右する心臓手術に対し、複数の術式を比較・検討しながら最適な手術計画を立案することで、患者の生命予後およびQOLの向上に貢献することを目的としています。

※手術パターンの比較イメージ

【iTSurgery®】 https://cfd.life/itsimulation/

血流解析シミュレーションが必要とされた背景

出生児の約1%に先天性心疾患(CHD)が発生しており、本邦では年間約12,000人の新規患者が生まれています。そのうち、非解剖学的血行再建術を必要とする中等度以上の疾患は約32%を占め、年間約

3,800例にのぼります。新生児期や小児早期に手術を受けた患者のうち、特に複雑心奇形を有する症例では、遠隔期に再手術を要するケースも少なくありません。

CHDの外科治療は、技術の進歩や成長に伴う体格変化、個々の解剖学的・機能的差異などの影響を大きく受けるため、すべての患者に一律の術式を適用することは困難です。そのため、熟練した外科医であっても、各症例に最適な術式を選択するには高度な経験と多大な労力を要します。

CHD手術の歴史は本邦で約50年と比較的浅く、また疾患形態が多様であることから、従来の臨床医学が得意とする経験則や統計的手法のみに基づいた治療指針の確立は極めて困難でした。こうした背景のもと、個々の症例に応じた「手術設計図」を構築するシステムの確立が、医学的にも社会的にも強く求められています。

さらに、CHD患者を受け入れる専門医療機関の不足や、遠隔期における遺残症・続発症の発生といった社会的課題に対しても、本取り組みは、CHD患者の生命予後および生活の質(QOL)の向上に加え、遠隔期管理の標準化や受け入れ体制の整備など、医療現場の持続的発展に寄与することを目的としています。

経済的な観点からも、本事業は医療費の削減と医療資源の有効活用の両面で効果が期待されます。CHD手術は侵襲性が高く、再手術の頻度も少なくありません。初回手術時の治療方針の誤りは、術後の集中治療・長期フォローアップ・追加手術による医療費の増大を招く要因となります。

本事業により、外科医が科学的根拠に基づいて、より安全で確実な術式を選択できるようになることで、患者の生命予後の改善とともに、再手術や重篤な合併症の回避による医療費の大幅な削減が期待されます。

代表取締役コメント

「iTSurgery®」は、外科医が数値科学を手術設計に取り入れるという新しい時代の先駆けです。これまで経験や勘に頼らざるを得なかった心臓手術の計画を、科学的根拠に基づいて客観的に評価できるようにすることで、手術の安全性や再現性を飛躍的に高めることができます。今回のAMEDからのご支援を通じて、より多くの外科医が血流解析というツールを身近に活用できる環境を整備し、患者一人ひとりに最適化された手術を実現する医療の未来を切り拓いてまいります。

— 株式会社Cardio Flow Design 代表取締役 西野 輝泰

Cardio Flow Design社について

株式会社Cardio Flow Designは「血流解析で医療を変える」をミッションとし、血流による診断が行える世界を目指し現役の医師2名で創設したベンチャー企業です。IT技術やCT・MRIの発展により、体内の血流の状態を詳しく知ることが可能になりました。同社は血流を解析し、将来の疾患を予想したり手術計画に応用したりする技術で、循環器内科や心臓血管外科の診断・治療に大きなイノベーションを起こす事を目的としています。

2018年7月「非造影拍動追跡型4D flow MRI解析システムの開発」、2021年4月「⾮解剖学的⾎⾏再建を要する先天性⼼疾患の⼿術設計⽀援を⽬的とした⾎流解析シミュレーション」が続けて国⽴研究開発法⼈⽇本医療研究開発機構(AMED)の研究課題に採択されています。

【創設者プロフィール】

■代表取締役 西野輝泰

1976年 東京生まれ

2002年 Mayo Clinic Elective Clerkshipにてアメリカ留学

2003年 順天堂大学医学部卒業 医師免許取得

2011年 医療法人社団有洸会設立 理事長就任

2015年 株式会社Cardio Flow Design設立 代表取締役就任

国内外の企業の取締役、医療法人、社会福祉法人など複数の組織に参画

日本形成外科学会会員、日本整形外科学会会員

■顧問 板谷慶一

1977年  愛知生まれ 心臓血管外科医 / 流体力学者

2002年 東京大学医学部 卒業

2011年 東京大学大学院医学系研究科 外科学専攻 修了(博士(医学))

2011年 東京都健康長寿医療センタ― 心臓外科 医員

2012年 北里大学医学部 寄付講座 血流解析学 特任講師

2013年 同特任准教授 研究会『 血流会 』を設立 (代表世話人)

2015年 株式会社Cardio Flow Designを設立

2015年 京都府立医科大学心臓血管外科

2016年 京都府立医科大学心臓血管外科 ・心臓血管血流解析学講座(寄付講座) 講師

2018年 京都府立医科大学成人先天性心疾患センター 兼務

2021年 大阪市立大学 心臓血管外科 病院講師

2022年 名古屋市立大学 心臓血管外科 講師

2023年 名古屋市立大学 心臓血管外科 准教授 副部長 ・成人先天性心疾患センター 副センター長

心臓血管外科医として臨床現場に携わる一方で、血流解析の先駆者として国内外で高く評価されている。4D Flow MRIを用いた血流可視化や、CFD(Computational Fluid Dynamics)による詳細な血流シミュレーション、超音波VFM®(Vector Flow Mapping)の開発など、画像解析と数値流体力学を融合した研究を推進。特に、血流エネルギー損失による心負荷評価法の確立や、拍動流を模倣したCFDモデルを応用した手術設計支援など、心臓外科治療の科学的基盤強化に大きく貢献している。

【会社概要】

社名  : 株式会社Cardio Flow Design

所在地 : 102-0082 東京都千代田区一番町22-3

代表  : 代表取締役 西野輝泰

事業内容: アプリケーションの開発及び販売

URL  : https://cfd.life/about/

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会社概要

株式会社Cardio Flow Design

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https://cfd.life/about/
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区一番町22-3
電話番号
-
代表者名
西野 輝泰
上場
未上場
資本金
-
設立
2015年08月