Apple、iPhone Xで 「売上におけるスーパーサイクル」を実現
iPhone Xの累計出荷台数は18年8月末で6300万台に達し、iPhone6発売後の同等期間内の出荷台数に及ばないものの、iPhone史上、売上と利益において最も成功した機種として推移している。
カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、AppleがiPhone Xで「売上におけるスーパーサイクル」を実現したことに関した、自社のMarket Monitorサービスによる最新市場調査を発表致しました。
カウンターポイント社が2018年2月の市場調査(https://www.counterpointresearch.com/apples-revenue-super-cycle/ )で予測した状況と同様、Appleは数量ベースではなく、売上ベースのスーパーサイクルに入り、それには、iPhone Xが貢献しています。iPhone Xの累積出荷台数は、発売後10ヶ月にあたる2018年8月末までに、6,300万台に到達しました。iPhone 6のスーパーサイクルの時は、2014年の発売後わずか6か月で同程度の出荷台数に達しており、同じ発売後10ヶ月で比べれば、iPhone 6はiPhone Xよりも3,000万台多い出荷台数に達していたこととなる為、iPhone Xは、「数量におけるスーパーサイクル」を作れなかったことを示しています。
図1: iPhone XはiPhone 6と比較して「数量スーパーサイクル」を実現できなかった
しかし、スマートフォン市場全体が飽和し始めているにもかかわらず、革新的なデザイン言語を採用したiPhone Xは、Appleが狙う極めて高い平均売価(ASP)を実現できています。従って、伝説的な数量におけるスーパーサイクルこそ実現しなかったものの、Appleは売上におけるスーパーサイクルを実現しました。iPhone 6とiPhone Xは、どちらもほぼ同じ620億USドル(約6.8兆円)の売上をほぼ同期間(発売後10ヶ月)で達成している為、iPhone Xは、Appleが初の時価総額1兆USドル(約110兆円)企業となった要因となったことが伺えます。
図2: iPhone Xの「売上スーパーサイクル」への軌跡
iPhone Xは、米国市場で大変好評で、発売した月の需要は非常に高いものでした。更に、最初の2~3四半期は、多くの先進国でベストセラー機種となりました。しかし、中国での需要は、新年にからめたプロモーションやキャンペーンの結果、ようやく上昇傾向になりました。大半の新興国では、iPhoneの旧機種の人気が根強いこともあり、高価なiPhone Xの需要は控え目な結果となっています。iPhone Xの出荷は、もともとiPhoneが強い市場である米国、日本、中国に偏っており、これらの国への出荷が全体のほぼ3分の2を占めています。
iPhone X発売時のカウンターポイント社の調査では、中国の既存iPhoneユーザーは購入に強い意欲を示していたが(2018年2月市場調査: https://www.counterpointresearch.com/counterpoint-survey-popular-iphone-x-amongst-chinese-consumers/ )、Androidユーザーの購入意欲は低いことを示していました。しかし、中国以外の市場では、iPhone Xは高い価格設定にも関わらず健闘し、米国、日本、西欧の一部で人気が持続しました。このように、iPhone Xは、Appleがユーザー数を大きく伸ばす助けにはならなかったものの、同社の売上と利益、それに時価総額に、しっかりと貢献したと言えます。従って、iPhone Xは失敗だったとは一概には言えず、結果を残していることを示しています。
図3: iPhone Xの出荷累計トップ10か国 2018年8月時点
サマリー:
【本市場調査の執筆者】
Tarun Pathak アソシエイトディレクター
Tarun Pathakは、Counterpoint Technology Market Research社のアソシエイトディレクターで、グルガオン(ニューデリー近郊)を拠点として活動している。進化し続けるモバイル機器のエコシステムを中心に8年の経験があり、特に新興国市場に明るい。モバイル産業におけるわずかな兆しも察知し、急速に変化する技術トレンドの予測などに関して、クライアントをサポートしてきた。また、通信業界のアナリストとして主要なメディアでたびたび引用されている。国際ビジネスを専攻としてMBAをAmity International Business Schoolから取得している。またジャンムー・カシミール州のJammu Universityから物理化学の学士を取得している。
【カウンターポイント社 会社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/
包括的かつ詳細な2018年8月版Market Monitorはご購読者の皆様にご提供致しております。最新の調査、分析、プレス発表についてのお問い合わせは press@counterpointresearch.com までお気軽にお寄せください。
弊社のMarket Monitorは、各社のIR情報から推定した出荷数、各社へのヒアリング内容を販売側から裏付けしたデータ、流通段階でのチェック、その他副次的調査の結果に基づいています。
図1: iPhone XはiPhone 6と比較して「数量スーパーサイクル」を実現できなかった
しかし、スマートフォン市場全体が飽和し始めているにもかかわらず、革新的なデザイン言語を採用したiPhone Xは、Appleが狙う極めて高い平均売価(ASP)を実現できています。従って、伝説的な数量におけるスーパーサイクルこそ実現しなかったものの、Appleは売上におけるスーパーサイクルを実現しました。iPhone 6とiPhone Xは、どちらもほぼ同じ620億USドル(約6.8兆円)の売上をほぼ同期間(発売後10ヶ月)で達成している為、iPhone Xは、Appleが初の時価総額1兆USドル(約110兆円)企業となった要因となったことが伺えます。
図2: iPhone Xの「売上スーパーサイクル」への軌跡
iPhone Xは、米国市場で大変好評で、発売した月の需要は非常に高いものでした。更に、最初の2~3四半期は、多くの先進国でベストセラー機種となりました。しかし、中国での需要は、新年にからめたプロモーションやキャンペーンの結果、ようやく上昇傾向になりました。大半の新興国では、iPhoneの旧機種の人気が根強いこともあり、高価なiPhone Xの需要は控え目な結果となっています。iPhone Xの出荷は、もともとiPhoneが強い市場である米国、日本、中国に偏っており、これらの国への出荷が全体のほぼ3分の2を占めています。
iPhone X発売時のカウンターポイント社の調査では、中国の既存iPhoneユーザーは購入に強い意欲を示していたが(2018年2月市場調査: https://www.counterpointresearch.com/counterpoint-survey-popular-iphone-x-amongst-chinese-consumers/ )、Androidユーザーの購入意欲は低いことを示していました。しかし、中国以外の市場では、iPhone Xは高い価格設定にも関わらず健闘し、米国、日本、西欧の一部で人気が持続しました。このように、iPhone Xは、Appleがユーザー数を大きく伸ばす助けにはならなかったものの、同社の売上と利益、それに時価総額に、しっかりと貢献したと言えます。従って、iPhone Xは失敗だったとは一概には言えず、結果を残していることを示しています。
図3: iPhone Xの出荷累計トップ10か国 2018年8月時点
サマリー:
- iPhone Xは、10か月で出荷が6,000万台を超えたが、同じ数量ではiPhone 6が過去最速であり、発売後6か月に6,000万台を達成していた
- しかし、両機種はほぼ同じ売上を最初の10か月で立てており、今後の出荷を考慮すれば、売り上げにおいてiPhone 6を超えるペースである
- Appleにとって、iPhone XはiPhone全体の出荷台数のほぼ3分の1にあたり、発売以来iPhone全体の売上の半分を稼いでいる
- 米国と中国だけで、iPhone Xの出荷の半分以上を占めている
- 中東・アフリカ・ラテンアメリカのどの国も出荷先のトップ10に入っていない
- インドでは、iPhone Xがスマートフォン全出荷台数のちょうど1%を占めている
- このことは、Appleがユーザー数や売上を伸ばそうとするなら、新興国の大きな市場での同社の戦略は再点検が必要であることを意味している
- iPhone X単独での売り上げは、直近10か月において、Samsungを除くトップ5ブランドを上回る(残りのブランドは、Huawei、OPPO、Vivo、Xiaomiの4社)
- Appleは、新型iPhoneを3機種投入することで、さらに高い平均売価(ASP)を狙うと予測される
- 安価なLCD搭載機種や、高価格帯のOLED搭載機種を投入することで、iPhoneの機種群は、製品ライフサイクルがリフレッシュされ、Appleにさらに大きな売上をもたらすと予測される
【本市場調査の執筆者】
Tarun Pathak アソシエイトディレクター
Tarun Pathakは、Counterpoint Technology Market Research社のアソシエイトディレクターで、グルガオン(ニューデリー近郊)を拠点として活動している。進化し続けるモバイル機器のエコシステムを中心に8年の経験があり、特に新興国市場に明るい。モバイル産業におけるわずかな兆しも察知し、急速に変化する技術トレンドの予測などに関して、クライアントをサポートしてきた。また、通信業界のアナリストとして主要なメディアでたびたび引用されている。国際ビジネスを専攻としてMBAをAmity International Business Schoolから取得している。またジャンムー・カシミール州のJammu Universityから物理化学の学士を取得している。
【カウンターポイント社 会社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/
包括的かつ詳細な2018年8月版Market Monitorはご購読者の皆様にご提供致しております。最新の調査、分析、プレス発表についてのお問い合わせは press@counterpointresearch.com までお気軽にお寄せください。
弊社のMarket Monitorは、各社のIR情報から推定した出荷数、各社へのヒアリング内容を販売側から裏付けしたデータ、流通段階でのチェック、その他副次的調査の結果に基づいています。
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