養豚テクノロジースタートアップの株式会社Eco-Pork、ハードウェア実証・IoT連携含む2つの技術実証事業を完了。鹿児島大学・准教授小澤真氏を顧問に迎える

株式会社Eco-Pork

2021年4月9日 15時00分

株式会社Eco-Pork (所在地:東京都墨田区、代表取締役　神林隆、以下Eco-Pork)は、以下2つの技術実証事業を完了したことを報告いたします。

〇熊本県菊池市「令和2年度菊池市アグリ技術実証事業」

〇農林水産省「令和2年度農林水産業等研究分野における大学発ベンチャーの起業促進実証委託事業」

また、小澤真氏（鹿児島大学農水産獣医学域獣医学系共同獣医学部獣医学科准教授、以下小澤氏）が、当社顧問として就任したことをお知らせいたします。

Eco-Porkは、誰もが安心して豚肉を楽しむ未来を守ることをミッションに、豚肉の安全・安定供給と養豚産業の環境負荷低減を実現すべく、養豚業界にICTによる情報可視化ツール「Porker」の提供・IoTセンサーの開発提供を行うなど、養豚農家の作業効率改善・生産性改善・疾病対策等へ取り組んでおります。

実証事業の完了について

Eco-Porkは、養豚農家の作業効率改善等を実現すべく、ハードウェアやIoT連携に関する複数の実証事業を取り組んでおりました。それらにつき昨年度末に完了報告を実施したため、以下まとめて報告させていただきます。

〇熊本県菊池市「令和2年度菊池市アグリ技術実証事業」
2020年10月に採択された熊本県菊池市「令和2年度菊池市アグリ技術実証事業」は、「IoTカメラによる野生動物の侵入監視と遠隔監視」を目的に菊池市内の養豚農場にて、Eco-Porkの開発したIoT温湿度センサー及びIoTカメラシステムを活用いたしました。本プロジェクトは2021年2月に報告を終えており、夜間の見回りの削減や過去の温湿度・豚舎内外映像の確認等を実現させ、省力化が叫ばれている中での作業効率改善に寄与いたしました。

＜設置機器＞

　　　豚舎内の様子（日中）

　　　豚舎内の様子（夜間）

　　　屋外の様子

＜IoT温湿度センサーによる遠隔監視結果＞

〇農林水産省「令和2年度農林水産業等研究分野における大学発ベンチャーの起業促進実証委託事業」
2020年9月に採択された農林水産省「令和2年度農林水産業等研究分野における大学発ベンチャーの起業促進実証委託事業」は、複数農場間のウイルス検知・感染症リスク情報を収集し、地域防疫強化に役立てる技術シーズ「養豚ウイルスの効率的検出・分離法」につき鹿児島大学と共に取り組み、2021年3月末に実証報告を終えました。

＜実証報告の様子＞

顧問就任について

上記プロジェクト含め養豚産業等に関する助言をいただくため、鹿児島大学・准教授小澤真氏にEco-Pork顧問へ就任いただきました。

小澤氏は、動物衛生学・ウイルス学を専門とされており、2012年より鹿児島大学に着任され、鹿児島県・地域豚疾病緊急対策推進事業に係る地域推進会議専門家委員等を歴任されております。小澤氏は、養豚産業において甚大な被害を及ぼす感染症ウイルスの検出・診断・ワクチン開発に有用である培養細胞株を樹立したほか、豚感染症流行株の遺伝子解析を進め、従来の方法より高感度なウイルス遺伝子検出法を確立する等、養豚産業の発展へ向け積極的に活動をされております。

小澤氏とは既に上記農林水産省「令和2年度農林水産業等研究分野における大学発ベンチャーの起業促進実証委託事業」において、共同実証の実績がございます。小澤氏には、顧問として参画いただき、Eco-Porkが取り組む「養豚自働化」の開発・普及へ向け、動物衛生学・ウイルス学の見地から最新研究動向に関連したご助言を頂く予定です。

・小澤氏プロフィール
国立大学法人鹿児島大学共同獣医学部准教授。北海道大学獣医学部卒業、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。獣医師、医学博士。大学院修了後、米国の獣医系大学で分子ウイルス学の研究に従事。現職に就いた2012年以降、ウイルス学の知識や技術を活用して、畜産分野で問題となるウイルス感染症の予防・診断・治療法の開発に取り組む。主な研究テーマは豚繁殖・呼吸障害症候群（PRRS）、豚インフルエンザ、高病原性鳥インフルエンザ。

なお、Eco-Porkは、九州における上記実証事業の更なる広がりと小澤氏含む鹿児島大学との更なる連携を目し、昨年より鹿児島オフィスを開設しております。鹿児島県を中心とした九州地域への更なる取組を加速化すべく強化体制を敷いています。

Eco-Porkは、ICT/IoT/AIの技術を活用した「養豚自働化」の更なる普及を進め、養豚農家様や豚肉市場の課題解決に邁進して参ります。