【東大発AIベンチャー】創薬・材料化学分野において、化合物の合成経路を網羅的に設計する逆合成解析AIアルゴリズム「compRet(コンプレット)」の提供を発表
「TRUST SMITH株式会社」(本社:東京都文京区本郷4-1-1 菊花ビル7F、代表:渡辺 琢真)は、東京大学大学院・新領域創成科学研究科の渋川亮祐氏が開発した化合物の合成経路を網羅的に設計する逆合成解析AIアルゴリズム「compRet(コンプレット)」を発表した。
- 化合物の合成経路の実情
例えば、創薬現場において、ある医薬品を治験入りさせるまでに、一つのプロジェクトで数千もの新規化合物が生成されている。合成経路の設計には多くの試行錯誤を必要するため、試薬や研究にかける時間など非常に多くのコストが投下されているのが実情だ。
- 従来の逆合成解析AIアルゴリズムにおける課題
逆合成解析 (Retrosynthesis)の概念図
これまで逆合成解析には、深層学習、強化学習、モンテカルロ木探索などのアプローチがとられてきた。しかし、それらの手法は、様々な評価方法で有効性が検証されてはいるものの、未だ合成経路自動設計問題を解決する決定打にはなっていない。その理由の一つとして、「経路の案を一つしか出さない」ことが挙げられる。これらのアルゴリズムでは、提案された経路が満足できるものでなかった場合に、それ以上の発展が見込めず、人間が経路を設計する時の支援としては不十分である点が課題とされている。
- 「compRet(コンプレット)」の特徴
「compRet」が提案する様々な経路例
「compRet」の最大の特徴は、化合物の合成経路の候補となる解を重複なく網羅的に出力した上で、様々な経路設計を行える点だ。出力された様々な経路を評価し、スコアが上位のものを取り出すことで、効率よく逆合成解析ができる。ニーズに合わせて、逆合成経路の出力を自由に設定できる機能や、出力される数十万経路の中から不要な経路を自動で弾く機能も実装済とのこと。
- 今後の期待
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