糖質原料から酵素法による新規機能性素材の開発と実用化に向けて、digzyme、フジ日本精糖と業務提携契約を締結
~バイオインフォマティクスによる酵素開発の実用化で新たな価値の創造を目指す~
digzymeは、バイオインフォマティクスによる酵素開発をコア技術とする東京工業大学発のスタートアップです。独自の解析基盤を有しており、多種多様な酵素の探索や改良を短期間で行うことができます。これまでは、天然物の代替生産や廃棄物分解など、主に化学分野における酵素やバイオプロセス開発を中心に技術活用を進めてきました。本業務提携は、食品分野への事業拡大の一環と位置づけています。
フジ日本精糖は、それぞれ長い歴史を持つフジ製糖と日本精糖をルーツに持ち、創業70年以上の歴史のある精製糖メーカーです。精糖事業を主力事業としながらも、精糖事業で培った技術やノウハウを応用し、非砂糖事業の拡大にも力を入れています。機能性素材事業においては、世界で初めて酵素法で水溶性食物繊維イヌリンの製造に成功し、2013年からタイ国へ生産拠点を移し、日本・タイを中心に世界マーケットへ販売を伸ばしています。この度、「NEXT VISION 2040」として、2040年に向けた長期ビジョンを策定いたしました。本業務提携もその一環として今後、機能性素材事業を育成していきます。
この度、フジ日本製糖とdigzymeは、digzymeが得意とする酵素デザイン技術を食品分野で応用し、フジ日本製糖が有する酵素法による生産プロセスおよび研究開発・マーケティングノウハウを持ち寄り、両社で新規機能性素材を開発していくべく業務提携に合意いたしました。両社のノウハウを持ち寄り、多くの時間や労力を要していたバイオプロセス開発を加速させます。
(ご参考)
糖質とは特定の構造をもった炭素と水素からなる化合物であり、砂糖、デンプン、セルロースなどが含まれます。砂糖やデンプンは主要な食糧であり、セルロースは紙や綿などの原料であり、人類の生活を支える極めて重要な基幹物質です。地球上において最大のバイオマス原料であるとされ、近年では石油系原料の代替原料として期待される化学物質でもあります。食品分野においては脳の重要なエネルギー源である砂糖や腸内環境の改善を通じて様々な機能性を示すことで注目されている食物繊維として日々の生活で利用されております。
糖質は自然界に非常に多く存在し、植物や炭素を介して循環利用できる資源であるため持続的で安定的な社会の実現には極めて有用な物質です。これら糖質を原料として新たな付加価値を創造することは、食品分野のみならず、人々のサステナブルで多様性のある衣・食・住、さらには健康を支えることに繋がります。
酵素とは、生物が作り出すタンパク質の一種で、化合物の変換を促す機能があります。自然界には多種多様な酵素が存在し、それぞれが異なる役割を持っています。これまで人類は1833年のジアスターゼの発見以降、自然界に存在する動植物や、微生物の作り出す酵素を産業利用してきました。近年、サステナビリティ実現の観点から、多様な触媒特性をもつ酵素の開発に注目が集まり、今後より広い産業への利用が期待されています。
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