エバーブルーテクノロジーズ、自動操船技術を応用した自航式救命浮環「浮環ロボ・プロトタイプ」の開発に成功
〜自動で落水者を救護、広域の水難救助支援を可能にする技術〜
弊社ではこれまで無人海洋調査・魚群探知向けの2mクラス「Type-A」、150kgの積載量をもつ無人貨物実証実験を行った5mクラス「Type-X」、固定翼航空ドローンと帆走を組み合わせ高速移動と長時間稼働を両立した「Type-P」など様々な用途に合わせた水上ドローンを開発、社会実装に向けた活動を続けてまいりました。本取り組みは、こういった帆船型ドローンの無人操船技術を応用したものとなります。
今回の実験成功をうけて、今後スケールアップした複数の無人艇を使い広域をカバーすることで遭難者の迅速な水難救助活動を行うソリューションを漁業者やマリーナ、地方自治体、官公庁向けに提案していくとともに、協業パートナーを募集していきます。
<海上実験動画>
<「浮環ロボ・プロトタイプ」実験概要および結果 実施エリア: 神奈川県逗子市 逗子海岸>
- 実験想定:水上で待機、落水者からのSOSを受け、落水者の位置へ自動で航行し浮環を届けることで救護支援することを想定。
- 機能/動作:落水者がオリジナルアプリ「eb-CONNECT」のSOSボタンをタップする、もしくは音声認識によりアプリを自動起動させると自動的にSOS情報をクラウドサーバーへ送信、「浮環ロボ・プロトタイプ」に位置情報を伝達、自動発進。正確に落水者まで自動航行できることを実証。
- 海況と実証された概要 ※艇速はGPS情報から取得
ボート全長:80cm
駆動方式:ブラシレスモーター+スクリュー
艇速:最大 1.26m/s(2.45ノット)※自動操船時
移動距離:31.5m
所要時間:50秒
<想定される活用イメージ>
落水時の速やかな救助の難しさと重要性
水上のアクティビティは小型船舶や水上オートバイ、ミニボート、SUP、サーフィン、ヨットなど多種多様に渡っています。落水はライフベストを装着していたとしても低体温症など別の要因で命を落とす危険性があり、落水した場合は速やかな救助が求められます。
グループで活動していた場合は落水時には他の仲間が救助することも可能ですが、一人で行動していた場合や、仲間とはぐれてしまった場合は危険な状況となります。特に海況が悪い、夜間などは発見されにくいため危険です。
昨今、水上での活動においてもスマートフォンなどを携帯するのが安全の面からも推奨され一般化されつつあり、落水時に救難情報を身内などに送るスマホサービスも出てきています。
「救命浮環」とは小型船舶で装備が義務付けられている救護装備で、人が落水者に向って投げ入れて使用します。しかし落水者に気付かなかった場合や距離が遠い、夜間や荒天時に落水者が見えないといったケースは迅速な救護ができないといった課題があります。
落水者まで浮き輪を届け一緒にSOSを発信・待機
この度開発した「浮環ロボ・プロトタイプ」は、スマホアプリから救難情報を送ると同時に、落水者の場所へ直接救命浮環を届けることで、迅速に救護活動を支援することを目的としています。落水者がスマホアプリなどのデバイスからSOSを発信すれば、自動で浮環が駆けつけるため、水面に安全に待機する時間を確保し、レスキューの救助を待つことができます。
海水浴場や、港湾施設、釣り人が集う埠頭などの沿岸部で不意な落水があった場合などにも自動で落水者の初期救護支援を行うため、施設管理者にとっても負担が少なく安心です。
今後は沿岸部だけでなく外洋での活用も
「浮環ロボ」は1台だけではなく、水上にメッシュ状に複数台配置することで、広い範囲をカバーし、迅速に救護支援を行うことが可能となります。弊社のもつ自動帆走技術と組み合わせることで水上での長時間待機が可能となり、沿岸部だけではなく外洋での海難救助にも将来活用できることが期待されています。
エバーブルーテクノロジーズでは自動操船技術を使ったソリューション提供で水上での安心安全に貢献します。
<エバーブルーテクノロジーズ>
- [会社名]エバーブルーテクノロジーズ株式会社
- [代表者]野間 恒毅(のま つねたけ)
- [設 立]2018年12月
- [本社所在地]東京都調布市緑ヶ丘二丁目67番地1号フェリーチェ緑ヶ丘A2
- [活動拠点]葉山、逗子海岸、二宮漁場、シンガポール、ホノルルなど
- [事業概要]自動航行で動くヨットの開発、設計、運用、製造販売及び関連サービス
今後、陸上交通の電力化で起こる電力不足を解決するとともに、これまで有効な代替手段がなかった動力船のゼロエミッション化を実現するため、水素エネルギーを利用した電気推進船への転換促進、水素エネルギー補給を海上で実現させるサービスを展開する計画です。
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