G1 AI研究会、政府に向けた政策提言「アジアのAIを日本がリードするための10の行動」を策定! 官民学の連携で、日本主導のAI社会実装を加速
一般社団法人G1(東京都千代田区、代表理事:堀義人、以下G1)は、「G1 AI研究会」において、日本がAI分野でアジアのリーダーとなるための包括的な政策提言「アジアのAIを日本がリードするための10の行動」を策定し、政府に提出しました。本提言は、官民学の有識者による協議を経てまとめられたもので、インフラ整備、半導体支援、基盤AI強化、スタートアップ支援、人材育成、政治・行政のAIリテラシー向上など、全10項目から成る具体的なアクションを提示しています。
■「G1 AI研究会」設立の背景
「G1 AI研究会」は、2025年3月、G1シンクタンク内に新たに設立されました。急速に進む産業構造の転換と、人工知能(AI)の国家・企業における競争力の中核化を背景に、日本が国際的なAIのデファクトスタンダードを確立し、グローバル競争を勝ち抜くことを目的としています。本研究会は、企業・産業・学術・行政を横断するプラットフォームとして、以下の2点を柱に活動を展開しています。
1. 政府に対して適切なAI戦略を提言し、日本全体としてAI推進に取り組む「仲間」を集める
2. メンバー相互の学び合いと連携により、各分野で世界と戦えるAI活用の行動を推進する
研究会の幹事には、衆議院議員 デジタル大臣 平 将明氏、東京大学大学院工学系研究科 教授 松尾 豊教氏、PKSHA Technology 代表取締役 上野山 勝也氏を迎え、政策・学術・産業を代表する多様なメンバーで構成されています。
今回「G1 AI研究会」が政府に提出した政策提言は、日本が「アジアにおけるAI分野のリーダー」となるためにに策定されたものであり、以下10項目の政策的アクションを打ち出しています。
【政策提言 : アジアのAIを日本がリードするための10の行動】
日本が「アジアにおけるAI分野のリーダー」を目指し、インフラ整備、半導体、データ利活用、基盤AI、アプリケーション、ロボティックス、サイエンス、人材育成、スタートアップと政治政策面でとるべき10の行動を提案する。
1.【インフラ整備】
国内原発を早期に全基再稼働して、ワット・ビット連携を強力に推進へ
2.【半導体】
AI半導体への研究助成予算を倍増へ
3.【データ利活用】
個人情報や産業データの適切なガイドラインを制定し、安心安全なデータAI利活用を推進へ
4.【基盤AI】
GENIAC等のAI関係の年間予算を増して、柔軟な形で継続的かつ集中投資を行い、世界に門戸を広げ、日本に才能を呼び込み、世界と同格の競争を国内に作れ
5.【アプリケーション】
教育、ロボット、自動運転、行政、金融、医療、福祉、エンタメなどの分野での業界横断的な「データ整備」と「社会実装」を強力に後押しして、AI先進事例として世界にアピールせよ。地方創生のために地方でのAI活用を強力に進め、そのための枠組みの整備をデジタル庁が中心となって進めよ
6.【ロボティクス】
産業用ロボットのクローズな発想から、スタートアップ投資も後押ししてオープン化、デファクト化への発想転換を促し、Physical AI分野における優位性を確保・AI活用を可能とする汎用型ハードウェア開発推進へ
7.【サイエンス】
サイエンス領域におけるAI活用を政府・大学・関係機関が協力して推進せよ
8.【人材育成】
将来的なAI人材(半導体からデータ、AI、アプリケーション、社会実装に向けて必要な人材)の確保のため、「AI人材開発戦略会議(仮称)」を創設し、AIをはじめとする理系を志す若者の拡大と、大学や企業で育成するための方針を決め、実行し、アジアでのAI人材の育成を日本がリーダーシップをとって推進せよ
9.【スタートアップ】
AI × ロボティクスのスタートアップへの投資・研究開発をNEDO他の枠組みで強力に推進せよ
10.【政治・政策】
政治家・行政のAIレベルアップを。石破総理に続き、国政・地方行政に携わる全ての人がAIを学び、活用して、AI政策を後押しする機運を醸成せよ。AIに関するルールづくりを、アジアにおいて日本主導で行う政治のリーダーシップを期待する
■G1ベンチャーで討議 「『日本のAI戦略10の行動』実現への戦略とスタートアップへの期待」
6月8日、グロービス経営大学院東京校で開催の「第11回 G1ベンチャー」では、「『日本のAI戦略10の行動』実現への戦略とスタートアップへの期待」をテーマに、衆議院議員 デジタル大臣 平 将明氏や東京大学大学院工学系研究科 教授 松尾 豊氏、さくらインターネット株式会社 代表取締役社長 田中 邦裕氏、スマートニュース株式会社 共同創業者 取締役会長 鈴木 健氏が登壇。AIを国家戦略の中核に据える必要性と、そのためにスタートアップや政官学の連携が果たす役割について活発な議論が交わされました。

G1 AI研究会は、提言の実現に向けて引き続き議論と連携を深め、AIがもたらす未来に日本が主導的に立てる社会の実現を目指します。
【「G1 AI研究会」メンバー】
幹事
上野山 勝也 株式会社PKSHA Technology 代表取締役
平 将明 衆議院議員 デジタル大臣
松尾 豊 東京大学大学院工学系研究科 教授
堀 義人 グロービス経営大学院 学長/グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー
メンバー
安宅 和人 慶應義塾大学 環境情報学部教授/LINEヤフー株式会社 シニアストラテジスト
安野 貴博 チームみらい 党首
尾形 哲也 早稲田大学 教授/産業技術総合研究所 特定フェロー/国立情報学研究所客員教授
岡野原 大輔 株式会社Preferred Networks 共同創業者、代表取締役、最高技術責任者、最高研究責任者
川上 英良 理化学研究所 数理創造研究センター 数理展開部門 医科学データ駆動数理チームチー ムディレクター/生命医科学研究センター 予測医学特別プロジェクト 医療データ数理推論特別チーム チームディレクター
川邊 健太郎 LINEヤフー株式会社 代表取締役会長
北野 宏明 ソニーグループ株式会社 チーフテクノロジーフェロー
小島 熙之 株式会社Kotoba Technologies Japan Co-Founder, CEO
Shane Gu Google DeepMind Senior Staff Research Scientist
島田 太郎 株式会社 東芝 社長執行役員 CEO
曽根岡 侑也 株式会社ELYZA 代表取締役CEO
田中 邦裕 さくらインターネット株式会社 代表取締役社長
中林 紀彦 ライオン株式会社 執行役員(全社デジタル戦略・デジタル戦略部担当)
松原 実穂子 日本電信電話株式会社 チーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジスト
村上 明子 損害保険ジャパン株式会社執行役員Chief Data Officer データドリブン経営推進部長
村田 将輝 日本アイ・ビー・エム株式会社取締役常務執行役員 テクノロジー事業本部長
鈴木 健一 グロービス経営大学院 教員/グロービスAI経営教育研究所 所長
■G1について( https://g1.org/ )
2009年2月創設。日本を良くするために、各界のリーダーたちが議論し、行動するためのプラットフォーム。G1サミットを含む7つのイベント、G1政策研究所など4つのシンクタンク、各種部会・イニシアティブを展開しています。2016年2月には 「日本を動かす『100の行動』」(PHP研究所)を出版。
【本リリースに関するお問い合わせ先】
グロービス 広報室 土橋 涼
E-MAIL: pr-info@globis.com
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